第64話 結婚式③

 「アニキ。今日から撮影ですね。お供しますよ」

 「いや。別にいいよ」

 そう言ったが相馬は俺に付いてきた。

 まるで何かを俺に期待している目をしている。

 「何かあったのか?」

 「な、何もありませんよ。アニキは早く撮影にいかなと送れますよ」

 …露骨に怪しい。

 「そういえば他のみんなは何処に?」

 「か、観光中です」

 ほら、怪しい。

 だって毎回一文字だけ点で止まってから話しかけてくる。

 「何か俺に隠してないか?」

 「か、隠してません」

 「本当に?」

 「ほ、本当です」

 相馬はなかなか手強かった。が、30分くらい問い続けたら話した。

 そして、俺は桜井さんの結婚式の事を知る事になる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る