第56話 嫌なデート④

 目を閉じて迫ってくるマイケル君。

 ここでこれを避けてしまうと優希の場所は教えてもらえない。

 このキスを一回我慢すればいいだけ、だけれども嫌だ。

 悩んでいる間に叙々にマイケル君が近づいてくる。

 バシン!

 やってしまった。

 マイケル君の顔をビンタしてしまった。

 「ごめんなさ…」

 「…今僕…僕の顔を叩いた?…顔は命なんだぞ!」

 マイケル君が怒って拳を振り上げ…

 「お客様。喧嘩ですか?」

 丁度観覧車が下に着いて係の人が扉を開けてくれたのだ。

 流石にこの状況はまずいと思ったのかマイケル君は何もせずに黙って帰って行った。

 優希の場所は教えてくれなかった。

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