第26話 夏休み②

霧街さんは、悲しいことに大人数でのトランプをしたことがなかったので、ルールがわからなかった。

「…簡単に言ったら、手札のカードを一回だけ交換して、数字をそろえるだ。後は、絵柄をそろえるか、数字を順番にそろえるかだ」

「…わかった…」

霧街さんは、少ししか説明していなかったのに、もうポーカーのルールを理解したらしい。


…負けた。全員ボロボロに負けた。

勝ったのは、なんと、霧街さんだ。

「あんなに顔になにも出ないとわ。そして、なに、その強すぎる手札は!」

光が悔しがっている。

そして、全員負けた中で最下位になったのは、…志賀さんだ。

「くそぉ、行ってくる!」

志賀さんは、家を飛び出して行った。

外で、「組長。俺が行きますよ」っと声が聞こえたが、志賀さんは、

「この勝負、負けたのは、この俺だ!!」

そう大声で言っているのが聞こえた。

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