粘土

粘土が落ちていた

赤い粘土

道端にぼとりと落ちていた

どうしてこんな所に

誰かの落し物なのか

手にしたそれはほんのり温かかった


そうか、これは人だったのだ

踏まれて

蹴られて

転がされて

いつしか粘土になってしまったのだ


それを丁寧に丸める

まんまるになるまで丁寧に、丁寧に

美しい球体になった粘土を投げる

それはそれは軽やかやに

ぐんぐん空へとのぼっていった

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