進む


勘違いをしたまま

進む

何故ならおれの名前が進むだからだ

「進むしかねえ!」

そう叫んで鼻水を氾濫した川のように流しながら進んだ

進むが進まなくなったら進むではなくなってしまうと危惧した

「おれは進むだ!」

途中にいたぬいぐるみの腹に思いっきり蹴りを喰らわせた

「進むの邪魔だ!」

まるで進むは自分が内閣総理大臣になったような気がしていた

おわり

詩というものは何処で終わっても良いのである


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