席
(邪魔だなあ………)
おれは思った
(早く消えてくれないかなあ)
だがそいつはいつまでもそこに居座った
ここは自分の席だ
そのようなことを思っているのかもしれなかった
もしかしたら永遠にそこにとどまるつもりかも知れなかった
おれのすぐ隣りで
非常に困る
困るんですよ
そいつとは接触したくなかったが
仕方なく話しかけた
「あのう」
最初の発言は完全に無視
しかもそいつは体積が増えていた
話しかける前の三十倍ぐらいになっていた
この空間を埋め尽くそうという勢いだった
おれとそいつは昔、仲が良かった
だが今は互いを死ぬほど憎み合っていて
隙あらば息の根を止めようとその存在を窺っていた
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