ヒッキーブレイン


脳がいた

脳は引きこもりだった

こいつの引きこもり方はすごい

生まれてから一度も外の光を浴びたことが無いのだ

「やっぱ、脳はすげえや」

ほへーみたいな声をおれはあげた

だがある日、脳は家出した

狭い世界を捨て冒険へと旅立つことを決めたのだ

こっちはいい迷惑

「やめてくれよ!」

脳はその制止を振り切り表へと出た

煌めく朝日を浴びおれごと死んだ

癌細胞が精一杯、頑張って居場所ごと消滅してしまうようなものである


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