ジェノサイドオブロリータコンプレックス


ロリコンが海で遭難していた

おれはそっちを見た

ああ

ロリコンという名の基本的人権が失われようとしているな

合掌

そしてロリコンの魂は天へと昇った

ふわふわふわ

今度はお前の息子になるのかもしれない

仕方ない

この世界は神の夏休みの自由研究でしかも出来損ない

ほっぽり出されたまま二度と手が加えられることもない

しかも噂によるとそいつは神の代理人のような存在でしかないらしい

せーのでおれたちは大合唱

「きーてないよー」

誰かが喚く

おれはそっちを見る

今度は山でロリコンが遭難していた

「そうなんですか」

おれは頷いた

多分そのまま放っておけば腐ったキノコとかを食べて勝手に死ぬんじゃないですかね

そのような見解を述べた

画面ではヘリコプターを飛ばしわざわざ殺人粉をばら撒いていた

ロリコンに与えるべき優しさというものを人間は所持していなくても構わないというわけだ

今度はおれの息子として生まれて来い

徹底的に虐待してお前が成人する前に再びあのルーレットの上に戻してやる

「ロリコンの家が放火されてるよっ」

また誰かが言った

それを注視する気力も無い

ただ耳を傾けるだけ

そういった出来事がこの世の中で起こっているのだなあ

それよりも自分の髪型のことが気になって仕方がない


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