気付いた


気付いたことが一つあり

そして忘れた

「あ、いい風………」

辺りはいつの間にか闇に包まれていた

見上げた空には無数の星が浮かんでいた

それには既に星座というものがあったが

構わず口をぽあかんと開け

いつまでも眺めていた

通行人がそんなわたしの横をすたすたと通り過ぎる

まるで空き缶のように

わたしは空に向けた両腕をもぞもぞと動かした

もうすぐ届きそうな気がした


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