真夜中の狂気


焼肉のたれが

冷蔵庫の奥の方で

震えていた

「かたたたたっ」

おれは寝ていた

まさか焼肉のたれがそんなことをしているとは思わなかった

「うるせーなあ」

たまに起こされた

おれはもぞもぞと布団から出ると冷蔵庫の前まで行った

扉を開けた

焼肉のたれが奥で震えていた

「どうしたんだい?」

おれは優しく問いかけた

こわいの、と焼肉のたれが言った

「何が?」

マヨネーズ君がと言った

「いじめられているの?」

うん

「明日の朝、おれから言ってやるから今日はもうおやすみ」

自分自身の適応能力に驚いた


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