ザ・プードル


プードルがいた

あのプードルだよ

よくいるプードルってやつ

四本足の

あのふっくらもっこらした

プードル

毛玉に全身が包まれているプードル

そいつが破裂した

ばんっ

飛び散って肉片が壁に叩きつけられた

おれは唖然とする暇も無かった

自然現象

そいつによってプードルが破裂したのだ

おれはそいつの墓を作成しようと考えた

「………耐久性と値段も考えてプラスチック製はどうだろうか?」

プラス思考のおれにはぴったりだと思った

「でもやっぱり駄目かなあ?」

自問自答を繰り返した

そしてようやくお気に入りの墓を作成してそこにプードルの亡骸をねじ込んだ

「よしっ、墓も完成したことだし新しいペットでも買いに行くか!」

水筒にコンデンスミルクをたっぷり詰め出掛けた

降り注ぐ春の日射しは穏やかで

地球上の何処かで今この瞬間も戦争が起こっているなんて信じられなかった

「みんなで手を繋げばいいのに………」

そんな温かみの溢れる感想が自然とおれの口元から漏れたのだ


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