片想い


好きな人が

いた

その人を遠くから

ただ眺めていた

その人は

わたしが存在することにすら気付いていなかった

(このままでいいのかな?)

思い切って告白することにした

わたしはあなたのことが好きだって

ずっとずっとあなたのことを見ていたって

「好きです」

そしてわたしは生まれて初めてあなたの視界へと入った

あなたはひきつった笑みを浮かべ

黙ってそのまま立ち去った

「勇気を振り絞って告白したのにそんなのってないだろっ」

早速、息を切らしホームセンターへと駆け込んで鋭利な刃物を購入した

「殺すっ」

だが冷静に考えてみるとそれは犯罪なので止めておいた

危ないところだった

あやうく人生を棒に振るところだった

「男なんていくらでもいる、こんなことでいちいち殺人をしていたらきりが無い」

正気を取り戻したわたしはチートスの苺ミルク味を購入し帰宅した


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る