低賃金取得労働者の夏
窓の外では
蝉が鳴いていた
しゃわしゃわしゃわっ
鳴くというか騒ぐというか
おれは部屋でうつ伏せで
薄目でそれを聞いていた
他には何もしていない
ただ寝っ転がっているだけだ
仕事というものは全く下らないから
こうして休みの日にも床に寝っ転がっている以外の欲望が起きてこないのだ
深刻な後遺症
ああ
疲れた
まだ何もしていないのに
夏ももうすぐ終わろうとしていた
はしゃぐ少年少女たちが惨殺されれば少しは楽しいのかもしれない
どんどん症状が悪化していく
おれのせいではない
仕事だ
そのせいなんだ
巨大隕石が落下してきて会社に直撃してくれないだろうか………
そんなことを最近よく思う
絶対にありえないがそんなことでも夢想しない限りこの先やっていけないのだ
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