野生の掟


おれの愛犬が人間の幼児を噛んだのだ

よしっ

狩りは成功だ

愛犬を誉め讃えることにした

たとえ大多数の人間の賛同を得られないとしてもおれだけはお前の味方だと伝えた

だが根本的な問題がある

そもそも人語を理解していないのだ

愛犬は捕まった

というかおれまで

素っ頓狂な甲高い声をあげていた

「噛んだのはこいつですよお?」

不思議でならない

愛犬のしたことまでおれのせいにされたらかなワン


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