不可避
おれは
ビーチサンダルで寿司を踏み潰しまくっていた
そしてそのことにおれ自身が気付いていなかった
仮に気付いていたとしても
「そのようなところに寿司があるのがいけない」
などと主張するのは目に見えていた
直射日光がのろのろと地上へやって来た
「とっととこいよ!」
我慢にも限界がある
だが奴らときたら全くやる気が感じられない
おれがバナナを剥いてそれを食い終わる頃にはここにいろよ?
だが皮も捨てて、両手を広げ、もはや準備万全なのにそれでもまだ光はここへ到達する気配が無かった
きっと寄り道をしているのだろう
仕方がないからおれたちは時間を潰す
限られた人生の中で時間を潰すなどという行為が成立することが不思議だった
おれたちは時間を潰して人生を終える
まるでそれ以外にやることなど無いように
それは不可避
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