少年


わたしは

自分の髪を黒く染め直した

あらかじめ黒かったが

それをさらに黒くする必要性があると感じた

心がそう囁いたのだ

きっとただそうしたいから

そうするだけだろう

不思議ではない

よくあること

それでこの世界はいっぱいに満たされている

風の囁く声が聞こえた

わたしには確かにそれが聞こえたのだ

そんな時、周りの人達はいつも人形だった

「さようなら」

もうあなたたちと分かり合うことはないだろう

訪れたものはなんて清々しい朝だろう

たった一人のまま

いつまでも廊下に立ち尽くして

それで完全だった

アイスクリームはわたしに無視され続け溶けようとしていた


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