絶望の序曲


わたしは多分、悪くない

みんなの視線が突き刺さる

わたしのせいではない

そう言い聞かせる

だが心は全く晴れることはなかった

どんどん追い詰められていった

得体の知れない暗がりへ

「わたしなんて死ぬべきなのかもしれないな」

そのような自己判断を下しかけた

足が勝手に自滅の階段を歩き始めていた

大切だったものが音をたてて割れ

元の形状を忘れてしまったようだった

わたしはまだそれに触れてもいないのに

こんな日に自殺しようと思うのは極めて正常なことのように思えた


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