あかね

第2話 あかねと詩音

 私はいつものように詩音と中学校から帰る。

 私は詩音とおしゃべりをしながら、彼女の笑顔が可愛いなと思った。

  

 詩音の肩より少し長いぐらいの髪は艶があって綺麗で、私のゆるいカーブでうねる茶色いショートカットの髪より輝いて見えた。

 天然でクセが強い自分の髪が私は好きじゃない。


 詩音の大きな潤んだ瞳。

 誰にでも優しく微笑む唇はぷっくりとして魅力的であるし、彼女は白い透きとおるような肌だ。

 薄ピンク色の頬は笑うとえくぼが出来る。

 

 間違いなく友達の詩音は学校一の美少女だ。


 女の私でもうっとりするほどに魅力的で可愛い。

 ずるいよなあ。


 そして詩音にはずっと好きな人がいる。

 詩音が告白すれば誰だってオッケーするだろう。


 私の好きな人だって詩音を見たら恋におちてしまうに違いない。

 

「あかねちゃん? どうしたの?」

 詩音が心配そうに私の顔をのぞき込む。そんな仕草すら可愛くて、私は胸にチリッと痛みが走る。

 うらやましいと思ったんだ。

 詩音には勝てないと思った私の嫉妬の感情が、ナイフみたいに心を傷つけたから痛むんだ。


 私を助けてくれたあの彼だって、詩音となら喜んで付き合うんじゃないかな?

 私はあの彼を好きになっていた。

 なんとなく私の恋は叶わない気がしている。

 だけど詩音ならどんな願いでも叶う気がした。




 ……『やっぱりそうか』……

 私の好きな彼が詩音を見ていることに気づくのはもう少し先、だけれども。

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