第18話桃の取材in天界

 アオイ:天界宇宙に巣食う悪の2大巨頭が法で裁かれ天界の政財界の悪が大混乱。あちこちで証拠隠滅に奔走し、中にはそれが元で自身の首を絞める結果となる神々が続出。これまで悪の2大巨頭の所為で動けなかった親魔界派が一気に攻勢を仕掛けるのでした。今回は正義感の強い魔族の中で報道による悪の制裁を志す1人の記者と編集者のお話。


 魔界時間15:00 帝王都サタンヘイルダム 商業エリア 八咫烏文庫本社ビル


『週刊グローバルフォーカス編集部』


 先輩記者:お〜い、桃缶!編集長がお呼びだぞ〜!


 桃:ですから!私は缶塚桃かんづかもも、桃缶じゃありません‼︎


 アオイ:この天空の架け橋では初めての人のためにご紹介しますね。この人は週刊グローバルフォーカスの記者で缶塚桃さん。本人は桃缶って言われるの気にしてるのでせめて桃ちゃんって呼んであげてください。


 リズ:桃、今日の晩は何だ?


 アオイ:この方は人界で精神汚染物質カオスに冒された伝説の魔王ルイズ・クラウント様を倒す事で救済した女勇者のリズ・ヤキシャケさん。なんだかご飯とお味噌汁が恋しくなる芳ばしい苗字ですね♪


 桃:もぉ!さっきオヤツ食べたばかりなのにもう晩御飯の話ですか〜。


 リズ:腹が減るんだ、しょうがないだろう?


 桃:そのギュッと引き締まった逞しく六つに割れたお腹のどこにあの膨大な量のご飯やお菓子が入るんだか・・・今日はトンカツです。


 リズ:うむ♪


 先輩記者:盛り上がっているトコ悪いが、ほっといて良いのか?


 先輩記者に話しかける夜叉族の美女


 ???:貴方もそんなにのんびり出来るのかしら?


 先輩記者:うお!リーズレットさん!


 リズ:誰だ?


 桃:あ、リズさんはまだ会った事なかったですね。それではナレーターさんお願いしま〜す♪


 アオイ:は〜い♪この方はココナ・リーズレットさん。種族は夜叉族で、かの魔界宇宙3大学府の1つ、ワイバニア芸術文化大学を首席で卒業したエリート編集者。凄い美人さんなので編集部のマドンナ的存在ですよ〜♪


 ココナ:中央政府議員の馬蔵まくら先生待たせてるんじゃないの?


 先輩記者:やっべ!


 大慌てで編集部を出る先輩記者


 ココナ:さ、行きましょうか♪私も編集長に呼ばれてるの。


 桃:はい♪


 ジェームス:・・・来たね。さ、そこに座りたまえ。


 アオイ:この方は週刊グローバルフォーカス編集部の編集長でジェームス・カタナさん。編集長になっても現場の第一線で活躍する凄腕記者でもあるのです。


 桃:お呼びですか?


 ジェームス:君達に来てもらったのは他でもない。君達は冠武帝国を知っているかね?


 桃:えっと・・・


 ココナ:天界宇宙で14天界王の八岐大蛇やまたのおろち様傘下の軍事超大国ですよね。


 ジェームス:そう、現在その隣国ローラント王国が天界宇宙の巨悪達に狙われているらしい。そこで君達にはローラント王国周辺諸国の情勢に詳しい冠武帝国皇帝、凪・闘練陛下から情報を得て記事にしてもらいたい。例によって既に許可は得ている。


 桃:分かりました。


 リズ:ふむ、天界か。どんなものが食せるのやら♪


 桃:もぅ。


 ココナ:フフッ♪


 2日後 天界時間11:00 冠武帝国帝都シュウレン 宮殿謁見の間


 宰相:皇帝陛下、魔界の週刊グローバルフォーカスの記者がお見えになっておりますが如何致しましょう?


 凪:話は聞いている・・・通せ。


 宰相:仰せのままに。


 凪とリズの目が合った瞬間リズの表情が一変する


 リズ:流石は武人の国の皇帝・・・出来る!


 凪:其方も人間にしておくには勿体なき手練れよ♪どうだ?この後我と手合わせしてみるか♪


 リズ:おお!


 宰相:陛下!


 桃:リズさん!


 ココナ:フフッ♪さて陛下、早速ですが・・・あら?


 凪:む?どうした?


 ココナ:リズさんの背中に何かくっ付いてますよ。


 リズ:む?背中?


 リズの背中を見る桃


 桃:あ!赤ちゃんだ!


 凪:な、なんだと⁉︎


 リズの背中にへばり付いて寝てるミルフィー


 ミルフィー:すぅ・・・すぅ・・・ぷすぅ。


 リズ:い、いつの間に⁉︎


 凪:相変わらず我に気取られず張り付くとは。この赤子、只の赤子ではないぞ。かなりの武神だ。


 ※ただの女神族の赤ちゃんです


 桃:赤ちゃん可愛い♡


 宙に浮いた液晶モニターに映るフィローネ


 フィローネ:凪兄、そっちにミルフィー来なかっ・・・あ、やっぱりいた!珍しいなぁ、私と神門さん以外の人で大泣きもせず寝られるなんて。その人の背中がよっぽど寝心地良いのかな?後で神門さん迎えに寄越すから。


 凪:うむ、頼む。


 通話を切るフィローネ


 ミルフィー:・・・・・・う?


 桃:あ、起きた。


 ミルフィー:ほきゅ?


 桃:か〜わいい〜♡


 桃に手を伸ばすミルフィー


 ミルフィー:あ〜う〜。


 ミルフィーを抱く桃


 桃:う〜ん!プニプニ〜♪でもこれじゃ取材出来ない。


 ココナ:じゃあ、お迎えが来るまでお世話しててくれる?取材は私がやっておくから♪


 桃:すみません、お願いします。さ〜、ミルフィーちゃ〜ん。お外にお散歩行きましょうね〜♪


 ミルフィー:あ〜い♪


 謁見の間を出る3人


 凪:・・・・さて、何が聞きたいのだ?編集者・・・いや『魔界宇宙中央政府のトップエージェント』と言った方が良いか?


 ココナ:気付いてましたか♪


 凪:『文芸王』黒羽文彦くろばねふみひこは底が知れないな♪


 アオイ:黒羽文彦さんは魔界宇宙の財界に君臨する12人の王の称号を持つ財界人の1人で八咫烏文庫グループの社長さんです。


 ココナ:くれぐれもこの事は・・・


 USBメモリーを渡す凪


 凪:分かっている。其方の知りたい事は全てこれにまとめてある。


 ココナ:ありがとうございます♪


 桃と合流するココナ


 桃:どうでした?


 ココナ:もう終わったわ・・・あら、寝たの?


 桃:はい、お腹空かせてたのでミルクあげたら寝ました。


 神門:お待たせし・・・あ、寝てますね。


 ミルフィーをそっと抱き抱える神門


 神門:では私達はこれで。


 桃:バイバ〜イ♪


 ココナ:さ、帰りましょうか。


 リズ:せめて天漢丼てんかんどんを食べてからじゃダメか?


 桃:じゃあ、トンカツは無しですね。


 リズ:待て!それは困る!


 桃:じゃ、帰りますよ〜。


 リズ:う、うむ。


 ココナ:これで天界の巨悪達の動きが分かるわね。先ずはこれを4宰相のガグラ様に・・・


 桃:何か言いました〜?


 ココナ:何でもないわ。さ、帰りましょう♪


 桃:は〜い。















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