第14話火のつく闘志

 アオイ:エリカさんは天魔界総裁会談に向けて、フィローネさんは国際神聖サミットに向けて準備する中、隣国からコンタクトをとってきた方がいるようです。誰なのでしょう?


 天界時間17:50 王都ユーリア メインストリート


 フィローネ:いや〜!いっぱい買えたね〜♪


 ミルフィー:あい♪


 神門:数多の主婦つわものを物怖じせず果敢に挑み獲物を捉える親子の姿、実に見事でした!


 エリカ:し・・・死ぬかと思った。


 秘書:魔界宇宙の金融界を支配する4人の大銀行の総裁の1人が主婦達に揉みくちゃにされるなんて滅多にお目にかかれませんよ♪


 奇子:グッジョブ!


 エリカ:それ・・・褒めてる?


 秘書:いやだな〜。そんなわけないじゃないですか〜♪


 奇子:そうそう♪


 奇子&秘書:おちょくっとんのです♪


 全速力で2人を追いかけるエリカ


 ギリウス:ハッハッハ、相変わらず賑やかですな♪


 フィローネ:あ、バンクフルト大統領閣下♪


 ???:あら、楽しそうね♪


 ギリウス:君は・・・リディアか。


 フィローネ:リディア?リディアってあの大手芸能事務所オーシャンミュージックの社長、リディア・アフロディーテさん?


 リディア:はい、初めまして女王陛下♪


 ギリウス:君が何故ここにいるのかね?


 リディア:この国の災害復興支援義援金の出資者として現地に来るのは当然ですわ♪


 ギリウス:我が国に寄せられた義援金の中でとんでもない額が匿名で振り込まれていたのは君だったのか。


 エリカ:ゼェ〜ッ!ゼェ〜ッ!アイツ等、回を増す度に逃げ足が早くなって・・・って、リディアさん⁉︎


 リディア:暫く振りですね♪


 フィローネのデバイスに着信が入る


 フィローネ:非通知?誰だろう?


 宙に浮いた液晶モニターに映る福の神族の神王


 ???:これはこれは、お初にお目にかかる♪


 フィローネ:貴方は?


 エリカ:・・・・・・・


 フィローネ:エリカ?


 アオイ:エリカさんとはちょっと因縁があるらしいのでエリカさんに代わって紹介します。この方はローラント王国の隣国に位置する超大国ゼニリオ帝国の皇帝マルコ・ゼニリオ15世です。


 マルコ:グッフッフ、一国の神王が贅沢の1つもせずに民衆に混じって安物の衝動買いなどなんとも見窄みすぼらしい、これだから貧乏国の女王は困る♪


 エリカ:(相変わらず嫌な奴)


 フィローネ:私は次元大震災で被災したこの国を一日も早く復興させたくて。国民の暮らしを少しでも豊かにしたくて私財を投げ打っているだけです。


 マルコ:グッフッフ、愚民など搾り取るだけ絞りとって適当にご機嫌とりやってりゃ良いのだ。その分懐を潤せば良い♪


 フィローネ:『国を想う者は贅をするべからず、己の身を削り国のために尽くせ。それが王のあるべき姿である』14天界王の1ひとりオーディン様のお言葉ですよ。


 マルコ:フン!そんなの知った事か!よもや貴殿は近日行われる国際神聖サミットに出席なさるおつもりではあるまいな?


 フィローネ:そのつもりですが?


 マルコ:グワッハッハッハ!穢らわしいい魔族供とつるんでいるような奴が出たらそれだけで場が穢れるわ!貴殿など門前払いよ♪


 フィローネ:それでも出て進言したい事があるのです。


 マルコ:ま、せいぜい頑張る事だな、無駄だと思うがな♪


 通話を切るマルコ


 エリカ:最低。


 ギリウス:・・・ふむ。


 リディア:あの方は『誰に喧嘩を売ってるか』分からせた方が良さそうですね♪


 ギリウス:全くだ♪


 エリカ:確かあそこはウチが融資してなかったっけ?


 秘書:はい、『魔族など我等神王に金を貢げば良いのだ』とか巫山戯ふざけた事言って60兆5000億ヘルネス相当の借金を踏み倒しています。その上、踏み倒して以降も系列銀行から金を吸い上げてます。


 エリカ:・・・・そのお金の最終的な行き先って調べられる?


 秘書:勿論可能です。1時間で丸肌にしてみせますよ♪


 ギリウス:それだけ巨額の融資ならば、送金後は天界の3大メガバンクに一度送られた後天界の通貨に両替されている筈。そこは私が調べよう。


 リディア:国際神聖サミットに着ていく衣装は私に任せてください♪


 フィローネ:そんな!多額の義援金を頂いているのに申し訳ないですよ!


 リディア:良いんですよ、女王陛下はその資格があります。それにああいう悪党の余裕の顔が焦り顔になる様を見るのが一番楽しいのですから♪


 千歳:なんだか面白い事しようとしてるわね。私も仲間に入れてもらおうかな♪


 ギリウス:天界宇宙3大メガバンクの一角、浄土銀行の総裁直々にお出ましとなれば話が早い。黒耀銀行とその系列銀行からゼニリオ帝国への巨額の資金が最終的に何処へ送金されたか調べられますかな?


 千歳:なんだ、そんな事で良いの?答えは直ぐ出るよ。今すぐ聞く?


 ギリウス:頼む。


 千歳:それは・・・ウチよ♪


 ギリウス:浄土銀行か。そこから何処へ送金されているのですかな?


 千歳:皇族専用口座よ。国庫には1ヘブンスたりとも送金されていないわ。


 エリカ:苦しんでる国民を無視して60兆5000億ヘルネス全額を自分の懐に入れてるって事?ますます最低!・・・・そういう事ならこっちにも『考え』があるわ♪


 デバイスを取り出し黒耀銀行本店へ通話するエリカ


 エリカ:私よ、今現在までに送金しているゼニリオ帝国宛の融資額全てを一旦、浄土銀行に送ってくれる?・・・そう、全額よ・・・ありがとう。


 通話を切るエリカ


 エリカ:千歳、こっちはOKよ♪


 デバイスを取り出して浄土銀行本店へ通話する千歳


 千歳:オッケー♪・・・あ、私よ。黒耀銀行から送金されたゼニリオ帝国宛の資金を全て帝国内の民間企業へ『直接』送金させて。帝国政府が何言ってきても絶対に皇族専用口座に送っちゃ駄目よ・・・そう、大丈夫。全責任は私がとるから♪


 通話を切る千歳


 千歳:こっちもOKよ♪確か彼処はウチが取り引きしてたわね・・・あ、良い事思いついちゃった♪


 再び本店へ通話する千歳


 千歳:あ、何度もごめんね。ついでにゼニリオ帝国皇族専用口座を凍結させてちょうだい・・・そう、凍結よ。私の方で今すぐ天界宇宙中央政府財政省からの令状を手配しとくからそっちはお願いね♪


 通話を切る千歳


 千歳:これで面白くなるわよ〜♪


 ???:吾輩が面白い事教えてやろうか?


 ギリウス:貴殿は、グローバリア公王⁉︎


 チャールズ:あの国、天雷電力グループと繋がっておるぞ。


 アオイ:このお方は魔界宇宙一の情報力を持つメディア超大国グローバリア公国のチャールズ・グローバリア公王様。グローバリア公国の特産品は『情報』12冊の創生の書の1冊『万里の見聞録』を持つお方です。


 エリカ:類は友を呼ぶとはよく言ったもんね。


 チャールズ:超大国という特権を悪用して便宜を図る見返りに天雷電力グループからも巨額の裏金を受け取っておるわい。


 エリカ:送金先はやっぱり皇族専用口座ですか?


 チャールズ:ご名答♪


 千歳:皇族専用口座を凍結させるからこれはますます面白くなるわ♪


 エリカ:と、いう事は。同時に天雷電力グループを炙り出す事も出来るわね。


 チャールズ:今シーラント諸島連合国で起こった殺神事件さつじんじけんで手一杯のところに皇族専用口座凍結の一報がくれば天雷電力グループは更なる大打撃を与えられるな♪


 ギリウス:確たる証拠を抑えればゼニリオ帝国には4界警の特別権力強制取締課が、天雷電力グループには中央政府財務局からの強制監査が行われるな。


 チャールズ:証拠集めなら吾輩に任せるが良い♪


 ギリウス:珍しいですな、チャールズ翁が報酬も無しにそこまで積極的に動くとは。


 チャールズ:報酬ならもう貰っておるぞ。永年謎とされていた天界宇宙財界に巣食う悪党供を束ねる元締め供の正体を明らかにする事が出来るという報酬がな♪


 リディア:私も忙しくなりそうですわ♪


 フィローネ:えっと、何か凄い事になってる・・・























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