第47話 デート中~一緒に食べてます~

(ふぅ、僕の方が先だったか……。

 高嶺さんは……いた。ん、何か焦ってる? ペコペコ頭を下げてるし……。あ、会計に進んだっぽい。

 高嶺さん、僕に気づけるかな? 幸い、僕も高嶺さんも目立つから大丈夫だと思うけど……もし、気づかないようだったら迎えに行こう……。

 キョロキョロしてるけど……あ、どうやら、気づいたみたい)


「お、お待たせしました……」


「ううん、大丈夫だよ。あ、高嶺さんホワイトソースにしたんだね」


「はい。オムライスはいつもケチャップでしか食べたことがなかったので気になって……。思井くんは何味ですか?」


「僕は無難に醤油味にしたんだけど……大丈夫だったかな?」


「はい。私は醤油も塩も豚骨も味噌も何でもいけます!」


「す、凄いね……。じゃあ、食べよっか」


「はい。い、いただきます! はぁぁ……アム……ハフッハフッ……ゴクン……お、美味しい。ホワイトソースのオムライスもとっても美味しいんですね!」


「よ、良かったね」


「はい。アム……」


(幸せそうに食べてる高嶺さん……可愛すぎかぁぁぁ――!

 ……っと、僕はラーメンが伸びない内に、貰っておいた小皿に麺とスープを入れてっと……)


「はい、高嶺さん。これくらいでいいかな?」


「十分です。ありがとうございます。ふーふー、ずる……ずるずる……ゴクン。はぁぁぁ、こーいうお店のラーメンもとっても美味しいんですね!」


「うん、そうだね……」


「ん、思井くん何をニヤニヤして――は、そ、そんなに見ないでください……! お、女の子が食べてるところをまじまじと見るなんていけません!」


「ご、ゴメン。ただ、高嶺さんがあまりにも嬉しそうでその……可愛かったから……」


「……っ、恥ずかしいです……。

 お、思井くん……口、開けてください。私のオムライスもおすそ分けします……」


「えっ!?」


「は、早くしてください……」


「いや、そのここじゃ……恥ずかしいというか……」


(皆見てるんだよ? さっきから、段々視線が集まってきてるのに高嶺さん気づいてないの!?

 それに、これって間接キ……)


「わ、私だって思井くんに見られてて恥ずかしかったです。だ、だから、おあいこです……!」


「わ、分かったよ……パクッ……モグモグ……ゴクン……。う、うん、美味しい……!」


(いや、味なんて分からないけどね!? 多分、幸せな味のような気がする!

 ……にしても、一気に向けられる視線に殺意が混じった気がする……主に、僕向けだけど……。まるで、『リア充爆発しろ!』とでも、言われてるような……)


「こ、これで、おあいこですね。は、早く食べてしまいましょう。デザートも食べたいですしね……」


(パクパクパクと――明らかに高嶺さんの食べる速度が上がった……。僕も食べてしまおう)


「あ、そう言えば高嶺さん」


「ふぁんですか?」


「さっき、焦ったようにしてたけどどうかしたの?」


(あれ、高嶺さんの手が止まった?)


「……ゴクン……思井くん、み、見てたんですか!?」


「う、うん……。その、何か困ってるのかなと思って……」


「~~~っ、い、いいえ。ただ、私が馬鹿だっただけなんです……。『お飲み物はどうしますか?』と訊かれたので、つい、いつも癖で牛乳でって答えちゃったんです。そしたら、『牛乳はありません』と、店員を困らせてしまい、本当に消えたいと思いました……」


(高嶺さん、ドリンクに牛乳がある店ってそうそうないと思いますよ……。本当に、初めてなんですね……。そんなところも可愛いですけど!)


「そ、そうだったんだね……」


「わ、笑うなら笑ってください! 笑うのを我慢されると、情けなくなってしまいます!」


「い、いや、そんなこと……クスクス……ない、よ?」


「や、やっぱり、笑ってるじゃないですか!」


(あぁ~、もう楽しいなぁぁぁ~!)

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