36……海に溶けた蜜夜のシルエット。

ティティは手を引いて砂浜に降り立った。イザークは上着を脱いでティティを押し倒すと笑った。


「なんで砂浜?」

「星の海が綺麗で夜空が似合うから....イザークって海が似合う気がして....」


肩先のキスのプレリュードに、ティティは目をつぶってみせる。


「え、それ、吸うの?」


 突起をちゅとやられて、じわじわ迫る奔流にどうしようもなくなった。イザークの精悍な顔が揺れる。シャラ、とは腕輪だ。

 ちゅ、と音を立てて吸い上げて、舌で擦る様に舐め上げられる。ティティはびく、と肩を震わせた。胸の先がひんやりと引き締まって行く。弄られると、身体の中が熱くなる。


「貴女が可愛いんだ。存分に恥じらえ」


夜空を背景にしたイザークの黒髪をそっと引き寄せて抱いた。ネフトの服を解かれる。足を擦り合わせて拳にした手で恥じらった。


「触ってみて」


手を持っていかれて、頭をぼうっとしながら秘部に当てると、しっとりとして、恥ずかしいくらいに蜜が溢れて零れ落ちた。


「冷たい.....ねえ これって.....はうんっ......」


するっと入ったティティの指とイザークの指が一緒に動く。


「驚くなよ。痛がらせたくねーんでね。そう、そうやって解して行くんだ。一緒に、やってやるよ」


「こ こう?」たどたどしい指先は次々と蜜を溢れさせて行く。たまにイザークが口づけをくれて、より柔らかく温かくなった。



 きゅ、くちゅ……たまに波と一緒になって、水音が響く。

 誰もいない古代の海には、二人のシルエットが浮かび上がっては、波に崩されて消えた。


「ねえ 変な気分.....なんか さみしい」

「もうちょっと頑張れるか?」

「ん……わかった……」


きゅん と下腹が動くようになった頃、イザークはティティのほおをゆっくり撫でた。


「深呼吸できるか? ゆっくり行く」


ぐ と立てた足にイザークの手が載せられる。秘部にいた指先はそのまま彼の口元へ。舐め舐られてゾク....と身を震わせた途端に何かがぬちゅっとそこに触れた。

 見れば、イザークが自分のものを掴みだし、パンパンに膨らんだ先端をティティに潜り込ませようとしている場面で。


「ティ、キッツい...無理なら、言え、よ......っ」


 みり……と押し広げられる感覚に、(引き裂かれそう! 涙がにじむ。なんでこんなことするの? 引き裂かれる.....!)と ぎゅっと目をつぶった。

中央に火杭棒を突っ込まれれば焼け死ぬだろう。ぞっとして、ティティは首を左右に振った。


「だめ、怖い……!」

「無理かな.....拒むなよ。愛して行きたいんだ.....」


ポタポタとイザークの目から雫が落ちた。


「受け止めろ、俺を」


 ふっと心が緩む。


(そうだ。私はイザークが好き。世界で生きていこうって誓ったのに...アケトアテンの王女なのに!)


強張りが消えて行く。心の強張りなんか要らない。そう、ゆるく、イザークを信じようと決めた。


(手伝ってあげましょうか。ほぅら、りらーくす)脳裏で声が響いて、ティティはふっと力を奪われた。


 瞬間、先端がぬくりと潜り込み、ゆっくりとイザークの熱がティティの中に入って来た。


「ひ、あぁっ……あん、熱……い……」

「ーーーー入った......っ」


イザークはそのままティティを抱きしめた。ティティもイザークの背中に腕を乗せて耳を噛む。


ティティがひくっとなると、イザークも一緒に動く。ぴったりとハマった身体を押し付けて。

しばらくそうしていると 波の音が聞こえてきた。空では満天の星がひとつひとつ海に落ちて行く。

涙がこぼれた。ぴったりと挟まった四肢は温かい。


「空、綺麗……月の鳴き声がしないわ」

「そうだな。……もう、慣れたか。俺がここにいるの、分かる?」


 ちう、と口端を唇でなぞられて、舌を掬い上げられた。「ん、んう」と咥内まで吸われて、ぞくりとなったところで、腰を引き寄せられ、小さく悲鳴を上げる。


「や、深……い。お願い、ちょっと、動かないで……うん、やっぱ、大丈夫……」


 ティティはイザークの引き締まった頬に手をあてた。


「一緒に、動きたい。手、つかんでいて」



やがてイザークとゆっくり動き出す頃にはティティの中も溶けていた。2人で一つのシルエットになって揺れ合ううちに、闇は終わり明るくなる。


「や……気持ちいい」聞いたイザークは嬉しそうにキスを降らせながら、上半身を強くゆすって、いよいよ奥まで進んできた。ぴったりとハマる感じが嬉しくて、こわごわと広い胸板に顔を埋めてみる。

 ふるると揺れる乳房を持ち上げられてゆすられる行為も慣れて来て、気持ちよいものになった。


「……なんか、変……イザーク、離さないで」


一度目の絶頂が分かると、後は怖くない。

イザークはティティを無理させないように貫いて方向を変えたり、砂浜に転がったりして。ティティは海の音に癒されて、腰を高くあげながら、それを口で含むまでになり。

 溢れ出すほどの愛液を受け止めて、体内はイザークでいっぱいになった。


 海の中でキスして、またまぐわって。

 落ち着くと服を着て2人で海を眺めては口付けを繰り返す。


 嫋やかな時間は古代色をして流れていった。忘れ去られた貝殻なんかを拾って、頭を摺り寄せる。


「うふふ....」なんて充足感の寄り添いを楽しんでいたらコン、と木を叩く音。

「じゃれるのもそこまでよ。お二人」


 ネフトが寄り掛かって二人を見ていた。ティティは焦ってイザークをどーんと押し退かせた。


「うわっ!」


 茂みに突っ込んだイザークに(ごめんなさい)と思いつつ、目線を逸らせると、ネフトは「手伝ってあげましょうか」とくすくす笑った――。

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