その4 服選びの所要時間
魔法陣作成用の金属線や金属板、布団セットや枕等を購入。
カートで運んで車の中でアイテムボックスに入れる。
更に気がついて100円ショップで小物を色々4人分購入。
そんな訳で結構な時間を使ってしまった。
だからもうそろそろ服も選び終わっているだろうと思って行ってみたら……
ジーナとアミュは取り敢えず終わった様子だ。
でも残り2人が色々と悩んでいる様子。
そう言えば女の子の買い物は長いとか聞いた気もするな。
私には今まで縁が無かったので気がつかなかったけれど。
「どうするシェラ、何ならパソコンとかを先にジーナと見てくるけれど」
「お願いします。もう少しここで服を見て見ます」
「なら決まった分は先に買っておくぞ」
シェラから籠を受け取りレジの場所へ。
この年になると女子用のものとかも平気な顔で購入出来る。
いざとなったら『孫にメールで頼まれました』とでも言えばいい。
そんな訳で買った物を手に一度車へ。
「狭いかもしれないが車の中で着替えてくれ。中でなら見えないように魔法を使っても大丈夫だから」
『わかっている。次元移動魔法を感知させないためだね』
「その通り。あと、ついでにこの服類、着ない分もアイテムボックスに入れておいてくれたら助かる。車が狭いから」
『了解』
そんな訳で荷物を車内に置いて扉を閉める。
一分程度でジーナが着替えて出てきた。
半袖の綿シャツにスキニーパンツというちょっとボーイッシュな格好だ。
中性的な美形のジーナには良く似合っている。
「似合っているな、その格好」
つい口に出してしまった。
「動きやすそうだから選んだだけ。でもそう言って貰えると嬉しい」
「さて、パソコンを買いに行くか」
家電量販店はホームセンターほどではないけれど少し離れている。
「どういうパソコンを選ぶか希望はあるか?」
歩きながらジーナに尋ねてみた。
「向こうの世界に持って行って使えるよう、バッテリ稼働時間が長い方がいい。あと動画の編集もやるからスペック高めな方」
「つまり高性能なノートパソコンという訳か。しかも大型よりモバイルタイプの」
「あとはプリンタだけれども、これもバッテリ内蔵タイプの奴がいい」
「そうだな。家にいるときはLANで今あるプリンタを使えばいいしな」
そんな訳で値段無視で一番希望に添えそうな物を選択する。
結果、パソコンは本体価格が30万円近い高級機になってしまった。
プリンタはまあ、モバイルタイプにはそんなに高価なものはないからいい。
あとタブレット型端末も程々の性能の物を一台購入。
他に替えのインクとかオプションの大容量バッテリとか高品質な写真用紙など色々追加した結果、総額40万円超の買い物になった。
ちなみに私はここ数十年、7万円以上のパソコンを購入した事がない。
でもまあいいや。
こういうのは初心者ほど高性能な物を使った方がストレスが少ないし。
更に思いついて格安スマホをデータ専用simを付けて3台購入。
3台とはシェラ、マリエラ、ジーナ用だ。
これに音声通話可能なSNSをインストールしておけば、私を含めた4人で通話可能になる。
これで魔法を使わなくても離れた場所から連絡出来る。
まあ万が一の為の装備だな。
「すみません。何か相当高価な物を」
お金を払った後に買い物ハイが解けたらしいジーナが頭を下げる。
「大丈夫。それ位蓄えがあるしさ。それにマリエラを放置しておけばすぐにそれ位取り返すだろ、きっと」
私の予知系魔法ではFX必勝なんて出来る自信は無い。
でもマリエラが予知した『某大統領のSNSでの失言』は来る途中、車のラジオで流れたニュースで聞いた。
その辺同じ知識量でも使える魔法には個人差があるようだ。
「早く家に帰ってパソコンにアトラ語の文字を外字で覚えさせて、文を書いたり出来るようにしたい」
「外字に単語登録で読みを振る訳か」
「そうすれば一気に便利になるから」
なるほど。
アトラ語は30個の表音文字から成り立っているから、それを作るのはそんなに難しい事じゃないな。
「まあ今日の晩御飯の買い物もあるからな。それ位は待ってくれ」
「この世界の食品の品揃えと物価も興味がある。生活水準を見る基本だからさ」
「でもその前に、向こうの2人が服選び終わっているかどうかだな」
「まさか服を買うのにそんなに時間を掛ける事はないと思うよ」
どうかな、と私は思う。
ジーナは欲しいものを迷わず買うタイプのようだけれども。
また車に戻ってパソコン等をアイテムボックスに入れ、服屋へ戻る。
都合40分程度かかったけれど、どうだろう。
服屋でシェラを探すと……
シェラもマリエラもまださまよっているところだった。
そして何故かアミュの服だけが増えている。
「急かさないと決まらなそうだね、これだと」
ジーナの意見に賛成だ。
そんな訳で2人に聞こえるように宣告する。
「あと10分以内に決めないとまた今度な」
『ええっ! そんな……』
「本当ですか?」
「だって全然進んでいないよな、さっきから」
「『うっ!』」
このままでは終わらないので、ここは心を鬼にしよう。
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