第171話 9階層探索開始2
罠が解除された状態で様子を見ていた。数分経過したが火が再びつくことはなかった。これで安心して先へ進むことが出来る。まだ帰りに罠が復帰していないとも言えないのでファーナさんの体力の余裕と回復手段にも余裕を持たせておくことにして俺達は先へ進むことになった。
火が解除された先は少しさきまでまっすぐに通路が続いている。そのことろどころに火がついているようにも見えるので気を付けなくてはいけないだろう。ただ、その火が気のせいでないのならさっきから動いている気がする…
「よっすー…火が移動してないか??」
「動いてるね」
「あれも、罠、なの??」
「違うみたいです」
「うう~暑いよう…」
ミネが言うようにこの階層は気温が高くてその暑さに体力が少しづつ消耗されている。あまり長く探索するのは向いていないと思う。早くボス部屋を見つけて10階層へと進みたいものである。そしたら念願の報酬で願いが一つ叶うのである。ただこれが完全に1つなのか1人1つなのかがわからない。今まで宝箱が1人1つだったことを考えると全員貰える可能性のほうが高いが…
「魔物だっ よっすーあの火、魔物だぞ!!」
だいぶ近くに来たので動いていた火が魔物だとわかる。みんな戦闘に入れるように警戒を始めた。この暑い通路に火が付いた魔物…近くにいくともっと熱いんだろうな…と気が滅入る。
「ヨシオ、『フローズン』であの火消したら少しは涼しくなるのかなぁ~…」
「まあ倒さないと先進めないだろうし、試せばいいんじゃないか?」
「わかったわ。んじゃ早速『フローズン』!」
暑さに我慢出来なくなったミネが早速魔物に魔法を放つ。その魔法は魔物にあたると魔物とその周辺をわずかに凍らせた。
「やった! これでちょっと涼しく…」
ミネが言葉を言い終わる前に凍っていた魔物にピキピキとひびが入り蒸気が上がる。どうやら冷やしきれなかったみたいだ。氷が解け再び魔物が中から現れた。気のせいかさっきよりも火力が上がっていて怒っているようにも見える。
「な、なんかやばそう…?」
次の瞬間その魔物は転がりながらこっちへ突進してきた。もちろん体に火をまとっているのでぶつかるだけでやばいだろう。
「わーーーっ やっぱり私のとこくるのー??」
そりゃそうだ攻撃したのはミネだ。そんなミネと魔物の間に健太が盾を構え立ちふさがる。まあまっすぐ転がってくるんだから避けることも出来ると思うんだが…健太が受け止めたくなったんだろうな…ほんと無茶するのが好きなんだから困る。
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