春色のアルペジオ

作者 ユーリ・トヨタ

65

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★★★ Excellent!!!

一浪の主人公と小さな世界から抜け出したいと願うヒロインが、大学の入学式で運命的に出会う初々しさの溢れた恋愛小説です。恋に破れ、冷めた感情を持ちつつ入学した主人公が、偶然出会ったヒロインの「頼りなさ」に惹かれて少しずつ熱い感情を取り戻していく描写は、読み手の心までもジワジワと熱くさせてくれます。特に、ヒロインの心情を綴った細かな描写に心を奪われることでしょう。
ヒロインの住む島根県の県民性は詳しくありませんが、田舎町の若者が抱くような大都市への憧れや羨望、それに向かって実際に動いてみた後の小さな挫折感からくるホームシックな想い。そして、マニアック過ぎない方言のチョイスと観光名所のプチ情報。どれも絶妙なバランスで、島根県って「具体的にどんなところだろう」という興味や行ってみたいという思いも持たせてくれます。また、ヒロインを含め彼らを取り巻く人物たちも爽やかで、エピローグまで気持ち良く読み進めることができますよ☆

と、主人公以上にヒロインに特化したオススメとなりましたが、各エピソードの二人の会話シーンにもご注目下さい。恋愛小説ならではのモヤモヤ感や幸福感を味わうことができるでしょう。続編『夏色のナンシー(仮)』も、公開してくれる日が必ず来るだろうと信じております☆

★★★ Excellent!!!

掲載が始まったときから、毎朝の更新が楽しみの作品でした。

読んでから、仕事に行っていたのですが……。

ある朝、更新を見ると、「完結」表示が……。
ええ、昨日のことです。

「これは嘘や! 書き手さんの冗談や! 明日になったら「更新」に戻ってるんや!!」
と、その日は読めず……。

結局、意を決してさっき見たら、やっぱり「完結」でした。
……終わったのか……。そうか……。

そして、拝読。
うう、よかった……。いい話だった……。だけど、終わっちゃった……。
完結後の寂しさ、ってありますよね。
でも、良い物語、というのは、すべからく「終わる」のです。うん。

この物語は、一浪の主人公悠平くんが、ぼっちの女の子澤井さんと出会うところから始まります。

もうね。
思い出す。
自分の学生時代。

「ぼっち」って、なんかこう……。ありますよね。
男子はないのかな。女子は非常に重要ですよ、これ。

女子が新しい環境に行くと、まず、「ぼっち」の立ち位置を解消せねばならない、というあの焦燥感。

いまなら、むしろ「ぼっち」がラクですけどね。むしろ、人を寄せ付けない雰囲気がある、とまで言われてますよ。

そんな澤井さんを心で応援しつつ、悠平に近づく元カノの存在にハラハラし、そして、始まる恋物語。

いや、もう……。
この作者様。
大学生さんを描かせたら、本当に素晴らしい。

今回も堪能させていただきました。
ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

大学の入学式で出会った二人の「ぼっち」の友情が、ギターのアルペジオを奏でるように穏やかに、流れるままにやがて恋へと変わっていく、そんなピュアな青春ラブストーリーです。

片方の「ぼっち」は、昨年振られた彼女のことを未だに引きずる元浪人生の清水君。
もう一人の「ぼっち」は、ドジっ娘属性と内気な性格が災いし、故郷を離れた大学で友人を作る機会をことごとく逃してしまった澤井さん。
心優しい清水君は、そんな澤井さんを心配して、なんとなく学食で一緒に昼食を取るようになります。
そんな清水君に心を開いた澤井さんですが、ちょっと調子に乗って羽目を外したことで、唯一の友人とも言える清水君との間に溝が生まれてしまいます。

そんな澤井さんを気遣う清水君の元に、彼を振った前カノの美咲が現れて、そこから清水君は自身の思いの向かう先を問い詰められるわけですが……。

どこにでもありそうな学生生活や友人関係がどこまでも丁寧に綴られているのが、この物語の特長なのではないかと思います。
それぞれの人物の性格が滲み出るかのような細やかな仕草や表情。関西弁の中に混じる素朴な方言。ありふれた家族の中にある確かな絆。
大きな事件や非日常的な体験などが起こらなくても、そんな細やかな描写の積み重ねが読み手を物語の中へ引き込み、キラキラと眩しい青春時代への憧憬を呼び起こします。

レモネードのような甘酸っぱい時代を思い出したい大人の方にぜひ読んでいただきたい物語です。

★★★ Excellent!!!

青春恋愛物語です。
ありふれた日常で気になる人と出会うお話です。

大学でよくある日常生活を舞台に物語は進みます。高校と違い大学では様々な事情を抱えた人がいます。

地元の大学なので知り合いが多少いる人。遠方から独り暮らしを始めた人もいれば、浪人して入学した人もいます。何かの推薦で入った人もいるでしょう。

どんな事情であれ、新生活が幕を開けるのです。

物語の前編は男性視点で進行していき、気になる女性が何を考えているのかモヤモヤするシーンにドキドキするでしょう。読者も一緒になって色々と気になっていくと思います。
後半は、その気になる女性の視点で物語が運びます。前編で男性の心情を知っているので、私達読者はニヤニヤしながら二人のやり取りを楽しめると思います。

登場人物で奇抜な人はいません。美人な人ぐらいは出てきますが、非現実な人物がいなくてもジワジワとくる面白さ。「こういう大学生活あったら良いな」をより現実的にリアルに表現した作品でした。

まさに青春。

文章に落ち着いた安定感があるので、読みやすく楽しい作品です。
言葉一つ。行動一つ。出来事一つが巧みな技術で仕掛けてあり、非常にリアリティのある物語に仕上がっていました。

完成度の非常に高い小説です。
一読推奨、間違いなしの作品。

どうぞ、あなたの心にもアルペジオを響かせてみては如何でしょうか。

★★★ Excellent!!!

浪人の末、晴れて大学生となった清水くん。人がよいのか、キャンパスで出会った澤井さんが心配でなりません。地方から出てきた澤井さんは、誰がみても「大丈夫か、この子」な女の子だから。
ある日、清水くんをふった元カノから入った思いもかけぬ電話。果たして清水くんはどうする?
方言をうまく使って進む会話に、読み手はさらに感情移入していきます。読了後、ギターのアルペジオが心に聴こえてきます。とても素敵な旋律で。
登場する人物や風景は、まるで一本の青春映画を鑑賞しているように頭に浮かんできます。
とても爽やかな恋物語です。

★★★ Excellent!!!

一浪の末晴れて大学に進むことのできた清水くん。ですが彼の心には、浪人中に別れた彼女の事が未だ引っ掛かっていました。
一方、田舎から出てきたのはいいものの、大学に馴染めずボッチでいる澤井さん。
大学生活と言う新しいスタートなのに、とても晴れやかとは言えません。
ですがこの二人が出会った時、新しい物語が動き始めます。

新しい場所で出会った相手に惹かれ、気がついたら想いをよせている。それ事態は世の中にありふれたものかもしれませんが、当人達にとっては特別な事。ほんの小さな事を可愛いと思ったり、ふとした事から思い出したり、そんな誰もが経験する、甘酸っぱい恋の香り。それを思い出させてくれるような、素朴でとっても素敵な青春恋愛小説です。

★★★ Excellent!!!

一浪して、彼女にフラれて、知り合いが誰もいない大学に通いはじめた、主人公の清水くん。
そんな彼が出会ったのが、田舎から出てきたばかりで、自分と同じく誰も知り合いがいないという澤井さんでした。
ぼっち飯を回避するために、一緒にご飯を食べたり、食事に行ったり。そうしていくうちに、だんだんと惹かれ合う二人を描いた、正統派恋愛小説。

大きな事件が起きたり、重すぎる過去を抱えていると言うわけではなく、もしかしたら実際にあるかもしれない、等身大の恋愛。
相手のことを意識してドキドキして、自分の事をどう思っているのかと心配する様子に、何度もキュンとしました。

そんな甘酸っぱい大学生活、少し覗いてみませんか?

★★★ Excellent!!!

普段はカクヨムの限界を攻める作者さまですが、今回は真正面から青春ものを描かれるということで期待して読みました。

ストーリーは、一浪訳あり男の子が、これまた訳ありな女の子とひょんなことで出会ったことで始まるラブストーリーです。

ただし、よくあるご都合主義の作品や溺愛や甘々作品ではありません。きちんと青春のほろ苦さもストーリーに絡んでいて、絶妙な味加減になっています。

注目するポイントは、ヒロイン役の澤井さんです。確実に青春を忘れたアラサー以上を殺しにくるかわいさがありますので、覚悟して澤井さんに殺されてください。

主人公の清水くんが体験する恋愛も、おそらく多くの人が一度は経験するものがあると思います。だからこそ、昔を思い出して共感できるのだと思いました。

ラストは胸が温かくなるほっこりしたストーリーが続きますので、会社のストレスに疲れた方にはぜひ癒しとしてもオススメできます。

いつの間にか忘れてしまった青春を思い出させてくれた作品。時には仕事や人間関係を忘れて、ゆっくりと思い出してみてはいかがでしょうか。三十代以上の方には特にオススメですよ!

★★★ Excellent!!!

どこにでもありそうな男女の青春、その一ページを描いた清々しい作品です。
主人公とヒロインの性格が無垢すぎて、読んでいると自分の汚れた心が洗われるよう。

なぜ主人公だけがこんな良い思いをするのかという王道ラノベ問題は置いておいて、とにかく爽やか。作者様の心が美しくなければ、このような物語は書けないと思いました。きっと作者様は青春時代に同じような経験をされて、同じように爽やかな展開になったものと想像します。その記憶が呼び起こす在りし日の感動を我々読者に伝えようとしておられるのかも知れません。

そう考えると地べたを這いつくばって生きていた私には爆弾を用意することしか出来ないのです。いえ、私だけではなく、多くのジベターは爆弾を用意していることと思います。

時は来た。ここで躊躇っては我々に未来など来ない。
皆のもの、一斉にその手の中にある物を投げつけるのだ!

そしてその後、「清水くんは良い奴だったね」と、しれっと悲しむのだ!

★★★ Excellent!!!

登場人物すべてが素敵で爽やかすぎる連中。
そんな素敵な連中の、素敵な時期を切り取った珠玉の青春物語です。青青としています。

読むと、青空の雲を眺めているような、なんともいえないよい心持ちにさせられます。同時に、なんともいえない寂しい心持ちにも……。そのように感じさせられる程に、過ぎし日は遠くなったということかと男は目を瞑ります。


コンチクショー。


もう、全員幸せになりやがれ!
こんなん、応援するしかねえだろ!!


そんなわけで、思わず一気読み。

悠平と美緒の続きが気になりすぎる! 作者様更新お願いします!