第167話『松任谷由実さん』


せやさかい・167


『松任谷由実さん』    






 松任谷由実さんが安倍さんの記者会見を見て切なさのあまり涙がこぼれたとNSSで書いていた。




 松任谷由実さんは安倍さんご夫婦とお知り合いで、つまりお友だちで、そのお友だちが体調悪化でやむなく総理大臣を辞めはる。


 それで、お友だちとしの付き合いの中で、安倍さんご夫婦のあれこれが思い出されて涙になった。


 えと、正直言うて松任谷由実さんのことは、よう知らんかったんです。


 でも、松任谷由実さんが切なくて、思わず涙したことに文句を言う人がネットニュースで目についたんです。


――安倍に泪するような荒井由実のまま夭折(ようせつ)すべきだった――


 そんな意味のことが書いてあった。


 大学の先生をしてるSさんという人。


 あんまりな言い方に背筋が寒くなって、そこから松任谷由実さんをググったわけ。


 松任谷由実さんは、六十を超えてはるみたいやけど、とてもそんな歳に見えへん!


 と思たら、松任谷由実二十五歳の写真(;^_^A


 その下に数年前の松任谷由実。


 やっぱり若い。


 うちの担任の月島先生と並んでもそん色がない。


 そんで、今度は動画をググる。




『やさしさに包まれたなら』




 え!?


 思わずクリックしたら、『小さいころは~神さまが居て~不思議に夢を~叶え~てくれた~(^^♪』


 これは、小さいころに観まくったジブリの名作『魔女の宅急便』のテーマソングやおまへんか!


 せや、お母さんが「やっぱり、ユーミンはええなあ(⋈◍>◡<◍)」と言うてた。わたしも好きで学校の帰りなんかに鼻歌で歌ってた。あのユーミンやった。


 Sさんは、とんでもないことを言うたと思うねんけど(じっさい、ネットでは叩かれまくりで、大学からも厳重注意をうけたみたい)ユーミンを思い出させてくれたことは嬉しい。


 それに夭折という言葉も覚えた。


 正直夭折は読めませんでした、コピーしてペーストして調べたた『ようせつ』と読む。


 なるほど、ひとつ賢なった!




 この感動を文芸部の部活で言うたら、留美ちゃんも夏目君も三日前から知ってた!


 SさんのSNSだけと違て、ユーミンも夭折も知ってた(;゚Д゚)。


 とんだ恥かきやってんけど。そう言えばジブリアニメはしばらく観てないなあという共通見解になって、次からはジブリアニメをいっしょに観ようということになった!


 

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