第424話 夏だ! プールだ! 乗れー! ボート、喉もソルト
ケビンが豪華客船の試運転を終えて家族旅行の計画を立てたら、仕事をしている者たちへそれぞれ休暇を取るように指示を出していく。
それを受けた嫁たちのうちでギルド職員であるアビゲイルとサーシャが休暇申請を出して、ギルド長のアビゲイルが許可をするので絶対に通る休暇申請手続きをする。
ちなみに他の働いている嫁たちはケビンがオーナーなので、申請をする間もなく強制休暇となる。
それ以外では孤児院へ声をかけたり、帝都にいるクランメンバーや魔導具工房マジカルの王都支店の従業員にも声をかけて、最後は【あげぽよ団】にも慰労会という名目で参加を促した。
こうして集まった人数は総勢200人近くとなって、いささか誘ったケビンもここまでの人数になるとは予想だにしていなかった。
そして迎えた当日、帝城の空き地に朝から全員集合したらケビンは班分けを行いそれぞれのリーダーを決めて、班の人員確認と点呼を行わせる。
帝城班……ケビン(リ)、ソフィーリア、側妻、パメラ、ロナ、双子のパンブー
奴隷班……ケイト(リ)、奴隷
魔導具工場班……スカーレット(リ)、従業員
帝都本店班……ナディア(リ)、従業員
王都支店班……アマリア(リ)、従業員
孤児院班……ミレーヌ(リ)、シスター、孤児
騎士班……ターニャ(リ)、第1班、あげぽよ団
給仕班……プリシラ(リ)、メイド隊、秘書隊
冒険者班……ティナ(リ)、冒険者嫁、森のさえずり
学園班……セシリー(リ)、教職員嫁、義娘(生徒)
点呼の結果、全員が揃っていたのでケビンはプライベートビーチへ向けて転移を行うと、到着したその先で子供たちは初めて見る海で大はしゃぎした。
「海だー!」
「広ーい!」
「「「「「あげぽよ、ウェーイ!」」」」」
『あげぽよ、ウェーイ!』
はしゃぐ子供たちとテンションの高いあげぽよ団を宥めながら、ケビンは海の家を出して着替えるように言い聞かせるのだった。
それから着替えた子供たちは海へ向かって走り出し、お約束とも言えるべき行動で海水を飲み始める。
「しょっぱーい!」
「からーい!」
「ちゃんと体操してから遊ぶんだぞ」
「「「「「はーい」」」」」
その子供たちが言いつけを守り体操をしているのを確認したら、ケビンは子供たち用の遊び道具を【無限収納】から取り出しては並べていく。
それが終わると今度は赤子用に日陰を作り一定の温度を保持する快適空間を作り出したら、大人の女性たち用にビーチパラソルとサマーベット、テーブルを並べていくのだった。そこへ体操を終えた子供たちがケビンへ近づいてくる。
「パパー、これどうやって遊ぶの?」
「それは海に浮かべて上に乗るんだ」
遊び方がわからない子供たちへ説明するため、ケビンはゴムボートを海辺へ運ぶと子供たちを乗せて海へ押しやった。
「そこに置いてあるオールで漕いで海の上を進むんだ。上手くできないと進まないからな」
子供たちが躍起になってオールで漕ぐが、別々の者がオールをそれぞれ持って漕いでいるのでタイミングが全く合わずに、波によって浜辺へ流されていく。
「難しいよー!」
「到着したから交代よ」
浜辺で見ていた他の子供がゴムボートに乗り込むと、他の子へ押すように頼んで海原へと出るのだが、先に遊んだ子と同様でゴムボートを上手く進ませることが出来ずに、波によって押し流されて浜辺へ舞い戻ってしまうのだった。
「はい、到着したから交代だよー」
子供たちがゴムボートで悪戦苦闘している中で、ケビンは準備するものを出し終えたら【無限収納】と魔法による早着替えで海パン姿になって、1人でサマーベットに寝転がりくつろぐ。
「あなた、お待たせ」
そこへやってきたのはソフィーリアで、ケビンが視線を向けるとソフィーリアは白のホルターネックビキニでハイレグ具合が凄まじく、破壊力が核弾頭並となったボディを惜しげもなく披露する。
「ぐはっ!」
「ふふっ、どうかしら?」
「飯3杯は軽くイケる!」
あまりの破壊力にケビンは語彙力のない褒め方をしてしまうが、ソフィーリアはケビンが興奮しているので問題なく満足するのだった。
「ティナ、なんて格好をしているんだ!?」
続いてやってきたティナにケビンがビックリしてツッコミを入れてしまうその水着は、いったい誰への挑戦なのか若草色のマイクロビキニを着ていた。
「ケビン君が喜ぶかと思って……それに大人の男性はケビン君だけだし、いいかなぁって……」
「ティナはドエロフ」
「ちょっ、ニーナ!」
「ニーナ、綺麗だよ」
「……ありがとう」
ティナに続いてケビンへ水着姿を披露しにきたニーナはフリルのついたビキニで下はパレオを装着していて、ティナの後に来たこともありケビンは妙な安心感を抱いてしまう。
「ケビン君、どうかな?」
「エロくないけど釘付けになりそうなのを選んだよー」
次はサーシャとクリスがケビンの所へやってきてサーシャは青色のフレアビキニを、クリスはチューブトップのビキニを披露してくる。
「最高だ」
そのような2人へケビンはぐっと親指を突き上げて気持ちを表現した。
「「ケビン様!」」
そこへ手を繋いで走ってくるアリスとスカーレットは髪色に合わせたのか、それぞれピンクと赤のフリルのついたビキニを着ていて、こちらはニーナとは違いパレオを装着していない。
そしてケビンは2人が走っているせいでたぷんたぷんと揺れている胸に釘付けとなって、至福の時を感じていた。
「2人ともありがとう……可愛すぎる!」
「褒めてもらえましたよ! レティ」
「これにして良かったですね! アリス」
そのような時に手を引っ張られながらケビンの所へ連れていこうとして、僅かに抵抗している1人の姿が目に入る。
「ほらシーラ、行きますわよ」
「恥ずかしいぃ……」
手を引っ張っているのはターニャであり、抵抗していたのはシーラであった。ターニャは黄色のビキニを着ておりシーラは髪色に合わせて空色のビキニを着ている。
シーラは恥ずかしさゆえか片手で胸元を押さえて前屈みで必死に体を隠そうとしているが、それが逆に谷間を強調してしまうこととなりケビンにとっては眼福でしかない。
「どうぞ、ケビン君。ご覧くださいな」
「うぅぅ……」
ケビンの元へシーラを連れてきたターニャは手を離して堂々とポーズをとっており、逆にシーラは両手が使えるようになったのでトップとアンダーを隠そうと必死である。
そのようなシーラの抵抗にケビンは近づいて両手を掴むと、シーラが隠している部分を解放するのだった。
「綺麗だよ、シーラ」
「あんまり見ないでぇ……お姉ちゃん恥ずかしいよぉ……」
ターニャとシーラの水着姿を堪能したケビンの所へ次にやってきたのは、年長組のアビゲイルとクララとクズミである。
「旦那様、どうでしょうか?」
「人は面白いことを考えるものよのう」
「下着姿を晒しとるみたいで恥ずかしいえ」
アビゲイルは肌の色とコーディネートしたのか白色のオフショルダービキニにパレオを装着していて、クララは黒色のホルターネックビキニで重量感ある胸が吊り上げられていて、クズミは眼帯ビキニで今にもこぼれ落ちそうな感じである。
「大人の魅力が満載だな。3人とも綺麗だよ」
その後も続々と嫁たちが現れてはケビンへ水着を見せていくが、スタイルが良い者たちは揃ってビキニを選んでいた。
そして胸に不安要素を抱える者はバンドゥビキニのお力を借りて、寄せて上げての工作行為によって形の良い谷間を作り上げている。
「「パパ」」
ケビンが呼ばれてそちらを振り向いたら、驚愕の姿を視界に収めてしまう。
「な……なん……だと……」
ケビンへ水着を見せに来たパメラとロナはなんと揃って白スクを着て、胸の部分には【ぱめら】と【ろな】の名前入りという用意周到さが窺えた。
ちなみに先に遊んでいる子供たちはワンピースタイプの水着だったので、ケビンは子供らしいと感想を抱いていた。
「凄いでしょう?」
「ソフィさん……おみそれしました……」
「エッチなことをする時は優しくするのよ? カワイイからってケダモノになったらダメよ?」
「いや、まだ2人には早い」
「パメラは未経験だけど、ロナは既にしているんだから大丈夫よ」
「ロナの古傷を抉るだろ」
「……パパならへいき」
「私もパパなら大丈夫」
ソフィーリアがセックスフリーな態度でケビンを煽るが、そこへ更なる刺客が現れる。
「お義父さん」
「――ッ! セレニティ、お前もかぁっ!」
ケビンの所へやってきたセレニティは、パメラやロナとは別でオーソドックスな紺のスク水を着ていた。当然の如く胸には【せれにてぃ】の文字つき。
そこへトドメの追い打ちとなるシスターたちも現れる。なんと5人が5人とも揃ってスク水を着用していた。
「なんでミレーヌたちまで……」
「日頃はシスター服を着ていますので、肌の露出が高い服装だと落ち着かなくて……これが比較的大人しめだったので……」
「その胸でスク水は暴力だろ……」
もはやケビンの周りはスク水だらけで、学校の体育でも始まるのかと言うほどだった。
それからはあげぽよ団が水着の披露とお礼を伝えていき、真面目なことに砂浜ダッシュで訓練をやり始めた。
その後に【森のさえずり】パーティーも同じように水着の披露とお礼を伝えてきたら、浜辺でダッシュをしているあげぽよ団を見てしまい、それに参加するためにジャンヌとクロエがこぞって走り寄って行く。
残されたカミーユとノエミはサマーベッドに腰掛けると、のんびりジャンヌとクロエの様子を見ながら歓談を楽しんで、シャルロットはケビンの隣のサマーベットへ腰掛けたらケビンとの会話を楽しむ。
そこへ遅れて王都支店の従業員たちが恥ずかしそうにケビンへお披露目をしたら、それぞれサマーベッドへ向かい海の雰囲気を楽しんでいた。
みんながそれぞれの時間を過ごしていると、ケビンが用意していたバレーコートでティナたちとあげぽよ団、森のさえずりといった戦闘職組が試遊をするようだった。
ケビンは遊び方を説明したら、ティナたちが白熱して子供たちへ被害がいかないように結界で覆い込むと、子供たちの結界内進入禁止を施してティナたちへ思う存分遊んでも大丈夫なことを伝える。
それを聞いたティナはクララとクズミヘ本気禁止と手加減をするように伝えてから、所属関係なしのごちゃ混ぜチームを作り始めた。
それによりクララとクズミは別チームとなり、ハンデとして後衛職のステータスが低い人がチームメンバーとなる。
普通にビーチバレールールでいくと2人1組のグループが大多数できあがってしまうので、ケビンは人数についての制限などは伝えておらず、ティナはコートの大きさから8人1組のグループへ分けていた。
それからケビンは念の為にバレーボールへ【不壊】を付与して、ボールが破裂してしまわないように配慮すると、試し打ちでクララがスパイクを撃ち込んだが砂が宙を舞いボールは中心地へめり込んでクレーターを作り上げてしまう。
「殺人スパイクかよ……」
「クララ、まだまだ手加減して! あんなの受けきれない!」
「軽く打ってみただけなんだがのぅ……」
「クララはんのは手加減のうちに入りまへんえ。砂浜が抉れてしもうてはるやないの」
クララのスパイクを見た面々は早くも戦意喪失しており、ティナは必死に手加減の度合いをもっと引き上げるように要求し、そのやり取りを見ていたあげぽよ団は、日頃護衛対象であるケビンの嫁の強さを初めて目の当たりにして“護衛の必要性”というものに疑問を感じてしまうが、そこは非戦闘枠の嫁たちが『クララ様の強さを基準にしないで』と自分たちに戦う力がないことを必死にアピールしていた。
それから始まった試合では死合となるようなアクシデントはなかったが、熱中しだしたビキニ組の動きが苛烈になりポロリポロポロとたわわな果実をこぼし始めて、ケビンはそれをつまみにトロピカルジュースを飲んでは観戦する。
「あなた、オイルを塗ってくれる?」
「ん? ソフィには必要ないだろ?」
「適度に日焼けさせるのよ。水着後の残る女性としてみたいでしょう?」
「ほう……それはいい考えだ」
ソフィーリアとそのような語らいをしながらオイルを満遍なく塗っていくケビンは、先程のポロリポロポロを思い出し目の前の危険ボディを触っていたら我慢がきかずソフィーリアとハッスルしてしまう。
そしてソフィーリアとのハッスルが思っていたより早く終わると、ケビンが不思議そうにソフィーリアへ尋ねるのだった。
「もういいのか?」
「ええ、あの子たちが順番待ちしているから」
ソフィーリアが視線を向ける先には孤児院の見習いっ子3人衆であるノエル、リゼット、ポーラと、ミナーヴァの奴隷商で買ったフィオナ、ジゼル、ヘレンの3人が待ち構えていた。
「ふふっ、野外と露出プレイの2つを1回で達成してしまったわ」
「嫁に見られても露出と言えるのか? 普通に大人数ですることもあるんだし」
「他にも覗き見している子がいたわよ。お嫁さんにしていない子とかが興味津々でチラ見していたわ」
「マジか……死角になってると思ってたんだがな……」
「ふふっ、私が声を出しちゃったから移動して死角から外れたみたいね」
「あぁぁ……向こうまでは聞こえないと思っていたんだけどな」
そのような会話を2人がしているとポーラが代表してケビンを岩陰まで連れていき、ノエルとリゼットが何かソフィーリアへお願いしてしたらフィオナたちを連れてポーラのあとを追うのだった。
そして後追いの5人が岩陰へ到着すると連れ去られたケビンを前にして6人がかりで戦いを挑んでは呆気なく返り討ちに合うと、そのような姿を見ながらケビンは後に活かさない反省をするのであった。
「……水着と日焼け跡のコラボレーションで、いつもより激しくしてしまった……」
そしてケビンは魔法で6人を綺麗にしたら、そっと並べてソフィーリアの元へと帰っていく。
だが、ケビンはポーラから素っ裸で連行されてしまっていたので、帰りはもちろん全裸のケビンがトコトコと歩いていくことになり、その姿を見た嫁たちが群がってはケビンを襲ってしまい返り討ちに合ってしまう。
ケビンもさすがに堂々と襲いにきた嫁たちを見てしまったので、小さな子供たちには悪影響とならないように認識阻害の結界を張った上で相手取っていた。
そして討ち取られた嫁たちはあられもない姿となり、ケビンにそのつもりはなかったのにいつの間にかヌーデイストビーチと化してしまい、ケビンが脱がせた水着はそのまま着ることなく何故かケビンの側で積み上げられていく。
今となっては水着をちゃんと着ているのは子供たちと嫁ではない女性たちだけであり、女性たちは何が行われたのか簡単に想像ができてしまうため、頬を赤らめてはケビンたちの戦いを盗み見て自ら慰めていたのであった。
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