第310話 放課後の教室にて

 莉亜は既にぐったりと疲れ果てていて、その光景を見た健の情欲は冷めるどころか逆に熱を発してしまう。


「健にぃ……莉亜のお友達にもしてあげて……」


「莉亜……」


「みんな健にぃのことが好きなんだよ。莉亜のことを1番好きでいてくれるなら、莉亜は健にぃがみんなを抱いても仲良くやっていけるよ」


 今まで見学の位置で待機していた3人の嫁たちへケビンが視線を向けると、いつの間にか全員がブレザーを着ており容姿も黒髪や茶髪になった状態でその場で立っていたのだった。


 そしてソフィーリアが魔法で何か伝えたのか、1人ずつ自己紹介を始めていく。


「莉亜ちゃんと同じクラスの美奈です……だよ。先輩のことは初めて会った時に一目惚れして好きになったんです……だよ」


 スカーレットこと美奈がまず初めに挨拶をしてきた。容姿は茶髪のショートヘアにブラウンアイで身長は150cmのまま元の身長と変わらない。明るく元気な後輩を演じているみたいだが、いつも敬語で話しているせいかタメ口キャラというのに慣れていないようだ。


「莉亜と同じ生徒会役員の更紗です。歳は先輩の1つ下で2年生です。先輩の誰にでも分け隔てなく接するところが好きです」


 次はサーシャこと更紗が挨拶をする。容姿はダークブラウンのセミロングヘアで眼鏡をかけている。眼鏡をかけているだけで真面目っぽさが出ていて図書委員と言われても違和感がないくらいの雰囲気だ。身長は160cmくらいに見える。


「ご存知かもしれませんが、生徒会役員にて生徒会長をしております瑠愛と申します。同学年ではございますが1年生の時からお慕い申しております」


 トリを飾るのはアビゲイルこと瑠愛だ。容姿は黒髪のロングヘアにブラウンアイで、身長は更紗より少し高い165cmといったところか。生徒会長らしく優等生の雰囲気がビシビシと伝わってくる。頭に流れ込んできたソフィーリアの設定では、いいところのお嬢様らしい。


 真っ裸で立っている健にそれぞれが自己紹介をしていくというシュールな光景ではあったが、今更どうすることもできないと開き直った健は3人の所へと歩み寄った。


 やけに色々と知っているのは、ソフィーリアが情報でも頭に流し込んだのだろう。


「みんなも納得しているのか?」


「私は大丈夫だよ。莉亜ちゃんとも仲良しだし、私が加藤先輩のことを好きでも構わないって言ってくれたから」


「私も大丈夫ですよ。莉亜には生徒会役員の仕事で一緒になる時に、よく加藤先輩の話を2人でしていましたから」


「私も大丈夫です。生徒会長としてはあるまじきことですが、加藤君のことを想えば想うほどに気持ちが抑えられなくなってしまいました」


 どうやらソフィーリアは、「健」と呼ぶのは譲歩できないが「加藤」と呼ぶのは許容したようである。


「美奈、おいで」


「うん」


 健に呼ばれた美奈は近くへ歩み寄っていくと、脚を開いて健の上に跨り健へと視線を向けた。


「よろしくね、お兄ちゃん」


「お兄ちゃん?」


「美奈ひとりっ子だから、加藤先輩と莉亜の関係が兄妹のようで羨ましかったの。ダメかな?」


「好きに呼んでいいよ」


「お兄ちゃん、大好き!」


 美奈は嬉しさのあまり健へ抱きつくが、座っている健は美奈の胸に包み込まれて至福の時を感じていた。


 やがて離れる美奈の顔を健が掴むと、そのまま引き寄せて口づけを交わす。


「ん……お兄ちゃん……」


 体を重ねたあとの美奈の表情は蕩けており、健はぐったりと疲れ果てている美奈を【無限収納】から出した毛布の上に寝かせると、次の相手を呼んだ。


「更紗、おいで」


 健に呼ばれた更紗は一気に腰を落とすと痛みに耐えるように健へしがみついて、目の前にあった健の唇を気を紛らわせるかのようにキスをする。


 やがて更紗の唇が離れると健は耐えている更紗へ声をかける。


「……痛かっただろ?」


「早く1つになりたかったのです」


 それから行為を終えた健は毛布の上に更紗を寝かせて、最後の1人となる瑠愛の所へ向かう。


「生徒会長……?」


「い、言わないでください……」


 健の視線と言葉に恥ずかしがって頬を染める瑠愛の手を引いて、そのままイスの所へ健が戻ると口づけを交わして座り込み、瑠愛へリクエストを伝えてそれを聞いた瑠愛は真っ赤になるのであった。


「神聖な学び舎なのに発情してるのか?」


「ああっ、はしたなくて申し訳ございません」


 健の次々と襲いかかる言葉攻めに瑠愛は背徳心が膨れ上がり、嬌声も一際大きくなっていくのである。


 そして瑠愛への可愛がりが終わると、健は女性たちをローテーションで回していき、たっぷりと愛し合うのだった。


 いつもとは違う雰囲気の中で行う行為に、この場にいる者たちはタガが外れてしまい、肉欲に溺れて時間が過ぎていくのを忘れるのであった。

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