第306話 DIYで家造り
カーテンから差し込む朝日の光に気づいて、ケビンが窓へ視線を向ける。
「朝だ……」
「お姉ちゃん、初めて朝までお相手したよ……」
「うぅ……ケビン凄すぎ……」
「とりあえず朝食まで時間あるからまだしよう」
「いいよ、お姉ちゃんがいっぱい愛してあげる」
「ニーナお姉ちゃんがするなら、お姉ちゃんも頑張る」
朝が来たというのに3人の性欲は衰えることなく、ギリギリまで快楽を貪ってから朝食へと向かって行くのだった。
昨日とは違い遅れずにやって来たケビンたちだったが、満面の笑みを浮かべるお肌がツヤツヤなニーナと、少し疲れた顔をしていてお肌がツヤツヤなシーラで得心がいったのか、2日連続で朝までやっていたであろうケビンに女性たちは戦慄を覚える。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
朝の内に優先順位の高い執務を終わらたケビンは、昼食を食べ終わると携帯ハウス造りへと勤しむために城外へと足を運んだ。
とりあえずの材料確保で近くの森まで飛んでいくと、適当に良さげな木を選んでは伐採して【無限収納】の中へとしまっていった。
次は誰も手をつけていない鉱山を【マップ】で検索したら、現地へ赴いて【無限収納】へサクサクと回収していく。
そして戻ってきたケビンが作業場に選んだのは、魔導具工場の隣の空き地である。
作業に取りかかったケビンは、家の中を空間魔法で拡張しようと考えていたので、外観はあまり大きくならないようにして形作って、エルフの集落にある家を参考にしたログハウス仕様となっている。
「ご主人様、何をしているんですか?」
声をかけてきたのは人参でも作っていたのか、農作業ができるような格好をしたジェシカであった。
「ん? 家を造ってるんだけど」
「誰の家ですか?」
「冒険用で使う家だよ。テントだとバラけて寝ることになるからね。女性たちがそれを認めないのは明らかだし、デカいテントを作るよりも家を作ることにしたんだ」
「ご主人様のお力ならテントでも中を大きくできるのでは?」
「小さい見た目のテントに何人も入って行ったら、誰かに見られた時に困るだろ?」
「家が見られるのも困ると思うのですが……」
「そこは、ほら、【アイテムボックス】って言い張れば何とかなるだろ? 魔法も使えるから魔力量が多いって言って誤魔化せばいいんだし」
「あの……見学しててもいいですか?」
「人参はいいのか?」
「はい、朝の内にあらかた終わらせましたので」
「それなら構わないぞ」
「ありがとうございます」
そして外観の建造が終わってしまったケビンは、内装に取りかかるためにジェシカとともに家の中へと入っていく。
当然、中は間取りも何も無い状態なので1ルームハウスの状態だ。
「何もありませんね」
「内装は今から造るからな」
ケビンは水回りから仕上げていこうとキッチンの作成に入ったのだが、料理人の使い心地を考慮しないといけないために早くも頓挫してしまう。
「困った……」
「どうされたのですか?」
「キッチンの高さをどうしようか悩んでね……」
「高さですか……」
キッチンの高さについて、ケビンとジェシカがお互いに悩み始める。
今回連れて行く冒険者で料理ができるのは、練習中のアリスか家事のできるクリス、あとはメイドのニコルだけである。
そうなってくると、低身長のアリスに合わせては他の者が使う時に使いづらくなり、他の者に合わせればアリスが小さな踏み台を使うようになる。
そしてケビンは想像してみた。
それぞれがキッチンに立って料理している風景を思い浮かべて、その中でイチオシとなったのは、踏み台に乗って料理を頑張るアリスの姿である。
「萌える」
「え……?」
ちびっ子キャラとも言えるアリスが踏み台を使って料理をするさまは、何やらケビンの心をくすぐるものがあったのだった。
「よし、決めた」
こうしてケビンの独断と偏見で、キッチンは身長のある者へ合わせて作られていく。
「凄いです。キッチンがどんどん完成していきます」
ジェシカはケビンの【創造】によって、次々に造られていくキッチンを見て目を見開いていた。
そして完成したオープンキッチンを見たケビンは、満足気に頷くのである。
「ジェシカ」
「はい、ご主人様」
「料理を作るフリをしてみてくれ」
ケビンはアリスほどではないが身長が低い部類に入るジェシカで、デモンストレーションをしようと考えたのだった。
ケビンに言われた通りにジェシカはキッチンへと行き、料理を作るフリを始めていく。
「ど、どうでしょうか?」
「んー……ちょっと試したいことがあるんだが、いいか?」
ケビンが内容を伝えると、ジェシカは顔を真っ赤に染め上げて恥じらう。
そして、人参のデフォルメが描かれているエプロンをケビンがサクッと作ってジェシカに装着してもらい、一旦ケビンは家の外に出てからひと呼吸おくと、再度中へと入って行く。
「ただいま」
「あ……あなた、おかえりなさい」
ケビンが先程ジェシカに頼んだのは、なんちゃって夫婦ごっこであった。
うつむき加減にモジモジとして頬を染めて出迎えるジェシカは、ウサミミをピコピコさせながらケビンのところまでやって来る。
「も、もうすぐご飯ができますので、お待ちになられて下さい」
「ああ」
それだけ伝えるとジェシカはキッチンへと入って行き、料理を作るフリを始めるのだった。
ケビンがジェシカの後ろ姿に誘惑されて背後に迫ると、そのまま抱きついて包み込んだ。
「あ、あなた……お料理が……」
見上げるジェシカの唇をケビンが塞ぐと、ジェシカはピクッと反応するがそのままケビンへ身を委ねていく。
「ん……」
やがて唇を離したケビンを、ジェシカは恍惚の表情を浮かべながら見つめるのだった。
「ありがとう、ジェシカ」
「いえ、ご主人様のお役に立てたなら」
「何かお礼にして欲しいことある?」
「あの……このエプロンを貰ってもいいですか?」
「気に入ったの?」
「はい、人参が可愛くて……」
「いいよ」
ケビンがキッチンの確認を終えたところで、次に取りかかるのは風呂場である。
ログハウスということでケビンは木を使った木造風呂に仕上げていき、檜風呂ならぬ謎の木風呂として完成させた。
実際は謎の木ではなく、【完全鑑定】によって浴室に使える木材であることは確認済みであった。
そして天井は露天風呂の雰囲気を味わえるように、開閉可能である全面ガラス張りとなっている。
「凄いです! 故郷の香りがします」
「木の香りが充満して落ち着く感じだな」
「あの……ご主人様」
「ん?」
「お風呂を使いたいです。この香りの中でご主人様と一緒に……」
「そうだな。ジェシカは農作業のあとだし、ここで汗を流すか」
「うぅ……私、臭いますか?」
「いや、さっき抱きついたがいい香りしかしなかったぞ」
「恥ずかしいです……」
それからケビンは入浴準備を済ませると、ジェシカと一緒にお風呂へ入るのだった。
「ふぅぅ……やっぱり風呂はいいもんだな……」
体を洗い終わって湯船に浸かったケビンは、ジェシカを後ろから抱きあげてゆったりと脚を伸ばしていた。
「ご主人様」
「どうした?」
「ご主人様は冒険に出かけられたら、しばらく帰ってこないのですか?」
「そうだなぁ……ケイトからの呼び出しがなければ、しばらく戻ってはこないかもな」
「寂しいです……」
寂しがるジェシカの頭をケビンは優しく撫でていく。
「ジェシカは寂しがり屋だな」
「ご主人さまぁ……」
ジェシカがケビンへ振り向くと、そのまま甘えるかのように唇を重ね合わせる。
「ちゅ……」
唇を離したジェシカが恍惚とした表情でケビンを見つめると、抱いていた気持ちを伝えるのであった。
「私の初めてをもらってください」
その言葉にケビンはベッドへ連れていこうとするが、ジェシカが告げたのはこの場で抱いて欲しいというものであった。
「この故郷と同じ香りの中で、ご主人様のものになりたいです」
その要望に応えたケビンはマットを【無限収納】から取り出して、その上にジェシカを寝かせると口づけをする。
初めて肌を重ねたジェシカが慣れるまで、ケビンはキスをしながら時を過ごした。
「ご主人様」
「ん?」
「私、幸せです。ご主人様に救われて、大好きな人参畑を作る機会をいただいて、もう何を返せば酬いることができるのかわかりません」
「俺が望むのは1つだ。幸せであり続けろ。それが唯一酬いることになる俺への報酬だ」
ケビンから告げられた酬いる方法に、ジェシカはポロポロと涙をこぼしてしまう。
「……ッ……一体どこまであなたはお優しいのですかっ……私は……私はっ……」
「ジェシカ……」
「……もう気持ちが抑えきれない……お願いします、今だけ、今だけは私だけのケビン様でいてください」
「今だけじゃない、これからも2人きりの時はジェシカだけの俺になるよ」
「ああっ、嬉しい……ケビン様、愛しています。これからもずっと愛し続けます」
「俺も愛してる」
「お願いします、ケビン様が冒険に出られても寂しくならないように、いっぱい愛してください」
それからケビンはジェシカを抱き続けた。まだ嫁たちが妊娠していないので避妊魔法を使われることは知っていても、それでもなお、ジェシカはケビンとの繋がりを欲したのだった。
結果、ジェシカに言われるがまま愛し続けたら、ジェシカのお腹はぽっこり膨らんでしまっていた。
「ああ……赤ちゃんができたみたいです」
「そ……そだね……」
「ケビン様、お戻りになられるまで、これが出てこないようにできますか?」
「え……危なくない? ほら、健康的なものとか?」
まさかこのままにしてくれと言われるとは思わずに、ケビンは何かと理由をつけてみるが、ジェシカの決意は揺るがなかった。
「ケビン様なら危なくならないようにできますよね?」
「どうしても?」
「どうしてもです」
仕方なくケビンは【付与魔法】を使って《清潔》と《停滞》を付与するために、ジェシカの中へ魔力を流し込んだ。
「んっ……」
「終わったよ」
「ありがとうございます。まだ夕食まで時間がありますので、もっと愛してくれますか?」
出てこないように魔法を使った時点で諦めていたケビンは、時間の許す限りジェシカを愛し続けるのだった。
そして、最後にジェシカとのんびりお風呂を満喫したケビンは、夕食前なのでこの日の作業は終わることにするのであった。
携帯ハウスを【無限収納】にしまい込んだケビンは、ジェシカとともに食堂へ赴いたが、みんなの視線が突き刺さってくる。主にジェシカのお腹へと。
「ちょっと、ケビン君! 一体どういうことよ!」
「んーまぁ、アレかな?」
「アレって何よ! ジェシカのお腹の方がどう見てもまだ膨らんでもいないソフィさんより大きいじゃない。どういうことなの!? というか、いつ孕ませていたのよ!」
何とも歯切れの悪い言葉に、ティナが詰め寄ろうとケビンへ近づいてくる。
「ジェシカ、こっちへいらっしゃい。お腹が重くて大変でしょう?」
全てを見通す神の眼を持つソフィーリアは既に見抜いているのか、ニコニコと微笑みながらジェシカを招き寄せるのだった。
「私よりも大きいわね」
「はい、いっぱい愛してもらいました」
ソフィーリアとジェシカが和気あいあいとしている中、ケビンの説明が終わりを迎え、全員が驚いた視線でジェシカのお腹を再度射抜くのであった。
女性たちの反応は主にジェシカの奇行とも言える行動もしくは、あそこまで膨らませるほどの量を出しても平然としているケビンのタフさ加減の2種類にわかれていた。
結局、てんやわんやの騒ぎとなったが、ジェシカの取った行動へ共感するものが現れ始めると、ケビンは女性たちからジェシカと同じようにして欲しいと懇願されるのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
その日の夜、部屋に来た嫁はアリスとスカーレットであった。日頃から仲が良くて一緒に新しい知識を得ることが楽しいらしく、日々を満喫して過ごしている。
「ケビン様、早く冒険がしたいです」
「準備が終わるまでは我慢だよ」
「アリスが羨ましいです」
「レティはお店を任されているではありませんか。適材適所です」
「そうですね」
「ケビン様、今日はレティをいっぱい可愛がってください」
「どうしたの?」
「冒険に出かけますと私は一緒に行動できますが、レティは一緒にいる時間がありませんので」
「よいのですか、アリス?」
「はい、私は冒険中に可愛がってもらいますから」
「アリスは優しいね」
「ありがとうございます」
健気なアリスの要望に応えるために、ケビンはスカーレットへキスをする。
「ん……」
何度もキスを交わしながらスカーレットの服を脱がしていき、ベッドへ横たわらせると、ケビンも自分の服を【無限収納】へしまった。
スカーレットへ再びキスをして膨らみに手をかけると、スカーレットが声を漏らし始める。
「ケビン様……」
「凄いです……こうなっているのですね」
こんな時でも勉強熱心なアリスは、初めて見る女性の大事なところを興味津々で観察していた。
「アリス、見ないでください……恥ずかしいです……」
「大丈夫です。レティも私の時に見てください。新しいことを知るのはいいことです」
「約束ですよ」
「約束です」
やがてケビンに愛されたスカーレットが体を跳ねさせて達すると、ケビンもまたスカーレットへ想いをぶつけるのであった。
「はぁはぁ……」
「ふふっ、次は私の番ですね。ケビン様、準備はできておりますのでお願いします」
スカーレットが余韻に浸っている中で、アリスは自ら服を脱いで一糸まとわぬ姿になると、スカーレットの横へ寝転がってケビンを迎え入れるのだった。
そして3人はそれが当然と言わんばかりに徹夜で肌を重ね合わせて、アリスとスカーレットは、新たに体験した3人プレイという知識を高めていくのであった。
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