第297話 戴冠式と結婚式
ソフィーリアが戻って来てから少し日にちが経つと、ケビンの戴冠式が執り行われることになった。
そして、戴冠式自体は関係者しか参加しないためにつつがなく執り行われたが、これからケビンは帝城のバルコニーから顔を出して住民たちへの挨拶があるのだった。
「あぁぁ、緊張する……」
いつもは決して着ない儀礼服に袖を通しており、頭には王冠を被って腰にまで儀礼用の剣を装着している。
その姿は完全に馬子にも衣装で、どこからどう見ても皇帝の風格を醸し出していた。
「あなた、頑張ってね」
「ああ、魔導具の調子はどうだ?」
「問題なく起動しているわ」
ケビンはこの時のために、スピーカーの役割を果たす魔導具を作り出していて、帝都はもちろんのこと各都市や村に転移させて配置すると、皇帝としての挨拶が全国民に届くようにしたのである。
そして時間となりケビンがバルコニーへ姿を現すと、城下から大きな歓声が沸き起こりケビンのところまで届くのであった。
この時ばかりは身分に関係なく、帝城に至るまでの貴族地区も解放されており、様々な住民たちが皇帝の姿を豆粒程でもいいから一目見ようと押し寄せて来ている。
住民たちの歓声が響きわたる中、ケビンが手を挙げて静かになるように促すと、先程の喧騒がなかったかのように静まり返るのだった。
やがて辺りを静寂が包み込む中、ケビンの拙い挨拶が始まる。
「この度、皇帝の座に就くこととなったケビン・ヴァン・エレフセリアだ。よって今日より国名もカゴン帝国からエレフセリア帝国へと正式に改めることにした。国名が変わり混乱する者もいるだろうが、どうか迷わず受け入れて欲しい」
ケビンの言葉に帝都の民たちはあらかたそういう噂を耳にしていたのか、困惑の声を挙げることもなく静かにケビンの演説を聞いていた。
「皆も記憶に新しいと思うが過去に起こった三国戦争で、様々な人々がその命を散らすことになった。この時の俺は敵対国所属だったために、この国の民を容赦なく斬り捨てた。
そして戦争によって愛する者を失った者もいるだろう。その者たちを斬り捨てたことに対して言い訳はしない。恨んでくれて構わないし、殺したいなら命を取りに来てもいい。だが、この国の敵対国も同じように愛する者を失った人たちがいることを忘れないでくれ。
よって2度とそのような悲しみを抱かせないために、俺は隣接国のアリシテアやミナーヴァと不可侵条約を結んで、この地に戦争が起こらないようにしたいと思う」
戦争について語ったケビンの言葉に住民たちは当時のことを思い出したのか、暗い顔を浮かべたりすすり泣く声も散見される中で、ケビンの演説は続いていく。
「この国は実力至上主義であることは改めて言う必要もないだろうが、俺が求める実力は武力のみではない。武力がなくとも知力があるのならそれも1つの実力だし、何かしらの能力があるのなら積極的に上を目指してくれ。その機会を与えるようには各貴族には伝えてあるので、諦めることなく大いに励んで欲しい。
それと、今日より急ぎ変えた政策をこの場で知らせておく。1つは犯罪についてだ。今現在で言えば、犯罪奴隷に落とされた者は軽犯罪であろうと一生奴隷のままだ。
だが、情状酌量の余地がある者に対しては、奴隷の期間を定めて刑期が終われば平民へと戻すことにした。しかし犯罪を繰り返す者に対しては、その都度刑期が上乗せされていき、最終的には終身奴隷か死罪とする。
奴隷の立場から見て、今の主人に仕えていたいと思う者は平民となってから仕えればいいし、奴隷のままがいいなら別に奴隷の立場を続けてもいい。決めるのは自分自身だ。
そして、主人の場合は奴隷が平民となって仕えるようならば、ちゃんと給金を与えるように。それが嫌で無理やり奴隷のままでいさせるようならば、今度は自分自身が奴隷落ちすることを心に刻んでおけ」
ケビンの語った奴隷制度の改正に、住民たちは困惑の表情を浮かべていた。中には平民に戻れると聞いて涙を流している奴隷までいるようだ。
「次は差別についてだ。俺の国で人種差別や同族間、身分の違う者に対しての差別をする者は犯罪者としてみなす。つまり先程言った奴隷落ちだ。奴隷になりたくないのなら差別をしなければいい。簡単なことだろ?
そんな暇があるなら自身を磨いて上を目指せ。それでも他人を差別して蔑みたい奴は好きにすればいい。待っている未来は奴隷落ちした自分自身だ。
言っておくがこれは貴族であろうとも関係なく適用する。自分は貴族だから国から守ってもらえるなんて思うなよ? これからは多方面での実力至上主義だ。奴隷落ちした貴族の代わりなんて後からどんどん出てくるぞ」
ケビンの伝える内容に住民たちは唖然とするどころか驚きを通り越して、最早何が起こっているのか理解できずに呆然と立ち尽くしてしまう。
そして、憩いの広場でケビンの伝えた内容を聞いていたアビゲイルは、自分のためにケビンが新しい法律を作ってくれたことを理解して、その場で泣き崩れてしまい周りの嫁たちから「良かったね」と声をかけられていた。
「次は所得の少ない者たちへの耳より情報だ。納税の額を一律から所得に応じたものとする。農業を営んでいる者たちは不作で税が納められなくなっても心配するな。その時の出来高で税を納めればいい。
作物が売れずお金が用意できなかったら、足りない分は売れ残った作物を代わりに納めろ。ただし、不正はするなよ? 税の回収係に嘘は通用しないからな。売れ残ったのではなく売らなかった怠け者は納税額を割増にする。
それとこの国に住む富裕層に告げる。今までたんまり溜め込んだ資産をガッツリと納めてもらうからな。それが嫌ならこの国を離れても構わないぞ。富裕層がいなくなったところで、さして困りはしないからな」
納税についての話が終わると、平民たちから怒号のような歓声が沸き起こったが、私腹を肥やしてきた富裕層である者たちは苦虫を噛み潰したような表情となるのであった。
「これで最後だ。これからも今までとは違う突拍子もない政策を行っていくが、不満のある奴はいつでもこの首を取りに来い。俺を殺した奴が次の皇帝だ。
毒殺、暗殺、刺殺、撲殺、クーデター、ありとあらゆる手段を用いて殺しに来て構わないぞ。そのかわり失敗したらそれ相応の報いは受けてもらうからな? 無罪放免になると思うなよ?
俺たちこの国に住む全ての者の力を合わせて、これから良い国を築き上げていくぞ。認められたい奴らは全力で自身の能力を伸ばしていけ。以上をもって、エレフセリア帝国初代皇帝ケビン・ヴァン・エレフセリアの挨拶とする」
ケビンの挨拶が終わると辺りは静寂に包まれたが、次の瞬間には歓声が沸き起こることとなった。それはこの帝都だけではなく帝国領全ての箇所で沸き起こり、エレフセリア帝国の新しい門出を祝うかのようであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ケビンの晴れ舞台が終わると今度は嫁たちの晴れ舞台である。式場は帝城の庭園を使って青空の元で結婚式が執り行われた。
それぞれのウエディングドレスは好みの色で決めたのか、派手さを出さないように薄い色調で彩られている。
さすがに1対9で向かい合うわけにもいかず、ケビンの隣にソフィーリアが立ち、その他の花嫁たちは2人の後ろで2列となり整列している。
そして聖職者立ち会いの元、誓いの言葉が交わされていく。
「ケビン、あなたはここにいるソフィーリアを病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」
「はい、誓います」
「ソフィーリア、あなたはここにいるケビンを病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」
「はい、誓います」
「それでは、誓いの口づけを」
ケビンがソフィーリアのヴェールをめくると、はにかんでいるソフィーリアに対してそっと口づけをする。
誓いのキスが終わるとソフィーリアは列の最後尾へと移動して、代わりに前へ出てきたのはティナである。
その後も順々に入れ替わってはケビンとお互いに誓いを立てていき、誓いのキスが終わるとソフィーリアが元の位置に戻ってくる。
「これによりあなた方は夫婦となりました。末永く女神のご加護があらんことを」
滞りなく結婚式が終わると、次は帝都内を馬車で回るパレードが行われる。
全員が乗る馬車となるとケビンが作り出すしかなく、【創造】を使ってあっという間に作り出してしまったオープン型の馬車に乗り、街中を回っていく。
住民たちからかけられる声に手を振りながら応えるケビンと花嫁たちだが、慣れている王女2人組や気にもしないソフィーリアやクリスを除いて、若干顔が引き攣りながら手を振るのであった。
帝都を1周回るようなコースを終えたケビンたちが帝城へ戻ってくると、式場となっていた庭園は片付けられて、立食式の披露宴の準備が整っていた。
「はぁぁ……疲れたぁ……」
パレードが終わったケビンの一言目がこれである。
「あなた、まだまだ終わりじゃないのよ」
「わかってるさ」
披露宴には式に参列していた貴族や花嫁の親族たちが参加している。当然花嫁たちの家族なので王族は普通にいるし、貴族だっている。
そのような中で、ニーナやサーシャといった平民である家族は萎縮してしまい、貴族であるにも関わらずクリスの家族も萎縮しまくりだ。
ティナの両親に至ってはマイペースさが出てて、周りに王侯貴族がいても普通に挨拶を交わしている。
その時にカインからルージュと婚約した話を聞いたみたいで、夫婦揃って肩の荷がおりたと喜んでいた。
その様子にルージュは顔を顰めつつ反論するのであるが、シスコンで男っ気がなかったことも事実なので、母親であるミーシャに軽くあしらわれて終わるのであった。
これで子供が2人とも巣立つことができたので、新しくまた子供でも作ろうかと夫婦で相談していたのは内緒である。
色々な家族と挨拶を交わしていくケビンに、クリスの妹であるアイリスが声をかけてきた。
「ケビン様、この度はご結婚おめでとうございます」
「ありがとう、アイリスさん」
「お姉様とご結婚されたのですから、どうか呼び捨てにされて下さい」
「それじゃあ、アイリスも普通に呼んで接してくれ」
「わかりましたの、お義兄様」
「“様”はなくならないんだな」
「これは致し方ございませんの。お姉様にも付けていますので」
「諦めるしかないか」
「それでお義兄様にご相談がありますの」
「新しく義妹となった人の頼みなら可能な限り叶えるけど、一体何かな?」
「先月、学院部を無事に卒業致しましたので、ここで雇って頂きたいんですの」
「武官ってことはないよね? 文官かな?」
「はい、文官のお仕事ならお役に立てますの」
「今は武力よりの構成だからね、手伝ってくれるなら正直助かるけど、ご両親の許可は取ってあるの?」
「お義兄様からご許可が頂けるのならば、構わないと言って下さいましたの。正直言ってお姉様よりも安心して送り出せると」
アイリスの言葉にケビンは笑ってしまうが、クリスの日頃の行いからそう思われても仕方ないと納得するのである。
「それならお願いするよ。身近な者で政務に強い人は限られているからね」
「では、準備が整い次第、こちらに来させて頂きますの」
「その際は直接帝城へ来てくれる? 悪意がなければ普通に中へ入ってこられるから」
「お義兄様に悪意を抱くなど、天地がひっくり返ってもありませんの」
「俺だけじゃなくて帝城に住む全ての人たちのことだから」
「それでも大丈夫ですの」
アイリスとの就職面談が終わると、次にやってきたのは兄であるアインだった。
「やあ、ケビン」
「アイン兄さん、楽しんでる?」
「ああ、王族と会話できるなんて滅多にない機会だからね」
「色々と学べるといいね」
「それにしても、思い切った納税政策を掲げたもんだね。反発があるんじゃないのかい?」
「事前に貴族たちとは話し合っていたからね、貴族たちからの反発はないよ。あるとしたらガッツリ稼いでいたのに、少ない納税で私腹を肥やしていた富裕層だろうね」
「その富裕層もいらないとばかりに言っていたね」
「国民の大多数を占める一般的な家庭が消費していけば、かなりの税収は見込めるからね。一部の富裕層なんて比じゃないくらいに」
「色々と考えているんだね。僕も勉強になるよ」
アインとの会話が終わると、久しぶりの再会となる人物が近寄ってくる。
「久しぶりだな、後輩よ」
「久しぶりですね、先輩」
ケビンに話しかけてきたのは、ダンジョン攻略以来となるターナボッタであった。
「結婚おめでとう」
「ありがとうございます」
「それにしても皇帝になるとはな。驚いだぞ、後輩」
「いやあ、皇帝になるつもりはなかったんですけどね。お義父さんの顔を立てたというか、親孝行したというか」
「いや、戦争を終わらせた後輩こそが相応しいと思うぞ。俺も活躍したかったが貴族だからか、兵士に混じって前線には行けずに後方待機だったからな、何もしないうちに戦争が終わってしまった」
「そうだったんですか」
「しかし、後方待機でも後輩の名声はちゃんと届いたぞ。謎の戦略級魔法を使って1人で帝国軍を打ち倒したってな」
「あの時は時間との勝負でしたから、1人1人相手にしている暇がなかったのでまとめて倒したんですよ」
「何はともあれ、困ったことがあったら連絡をくれ。国境を越えて助けに来るからな」
「ありがとうございます。今日は楽しんでいってくださいね、先輩」
「ああ、楽しませてもらうぞ、後輩」
ターナボッタとの話し終われば、次はガルフたち
当時ガルフたちが何処にいるかわからなかったケビンは、居場所を【マップ】で検索して直接会いに行き招待したのだった。
ガルフたちから次々にかけられる祝福の言葉に、ケビンもお礼を述べていく。
「それにしても嫁が多すぎじゃねぇか?」
「いやぁ、何故か増えてしまいまして」
「まぁ、お前の甲斐性なら余裕だろうがな」
「皇帝になっちゃいましたしね」
「あんな小さかった子供が今や皇帝だからな。世の中何があるかわかったもんじゃねぇな。これであとはロイドが結婚すれば俺たちの中で未婚者がいなくなるわけだ」
「そこでオススメなんですが、ミナーヴァ魔導王国へ足を運んでみてはどうでしょうか? 王都には魔導具好きの女性が沢山いますからロイドさんとも話が合うはずです」
「おお、それはいいな。国を出たことはなかったがこれを機会にいっちょ足を運んでみるか」
ガルフたちパーティーの次の目的地がミナーヴァ魔導王国となり、未婚であるロイドのための嫁探しの旅となるのが決まった瞬間であった。
それからもケビンは、カーバインやライアットなどお世話になった参加者たちと挨拶を交わしていきながら、披露宴を無事に終えることができたのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
その日の晩に、ゆったりとベッドで過ごしているケビンの部屋の前で、行ったり来たりしながら全然部屋の中へと入ることができない1人の人物がいた。
当然ケビンはその様子がわかっていて苦笑いを浮かべており、このままだといつまで経っても入って来れないと判断してドアを開けるのだった。
「何をしているのかな?」
「ち、違うのよ? 夜の散歩をしてただけなの!」
「とりあえずおいで。通路で騒いだら他の人たちに迷惑でしょ?」
「うぅ……」
ケビンから手を引かれてしまい部屋の中へと招き入れられる、通路をウロウロしていて踏ん切りがつかなかった人物は、何を隠そう睦ごとに弱いシーラである。
「それで?」
ベッドに2人で腰掛けてシーラへ尋ねるケビンだったが、シーラは俯いたままで中々喋ろうとはせず、ケビンは何をするでもなくそのまま待つことにした。
しばらく静寂に包まれた室内で、ようやくシーラが喋り始める。
「あのね……今日ケビンと結婚式を挙げたじゃない?」
「そうだね」
「それでね、いつまでも恥ずかしがっていられないなって思って、頑張って来たんだけど、部屋に入る勇気がなくて……」
「今は部屋の中だよ?」
「……だからね、今からお姉ちゃんを抱いて欲しいの」
「いいの?」
「……うん」
シーラからの了承が出たことでケビンは腰掛けるシーラを抱き上げると、そのまま運んで横にならせる。
「ぁ……」
「もう止まらないからね?」
「うん。お姉ちゃんの初めてをもらって。ケビンのためにずっと取っておいたの」
ケビンがシーラへキスをすると、髪色に合わせているのか青色のネグリジェを脱がせていく。
「うぅ……恥ずかしい……」
「綺麗だよ、シーラ」
恥ずかしがるシーラのショーツに手をかけると、ビクッと反応されてしまうがそのまま脱がせていった。
「あまり見ないで……」
「ダメ、今から隅々まで見るんだから」
「うぅ……」
紅潮するシーラに優しくキスを重ねていき、慣れてきた頃にケビンが舌を侵入させていった。
「ちゅ……ん……っ! んんっ! ……ぷはぁ」
ケビンが唇を離すと蕩けきった顔でシーラが見つめ返してくる。
「ケビン……」
ケビンがシーラへ軽くキスをすると、2つの膨らみを愛撫し始めるのであった。
「ぁ……」
優しく膨らみを揉みながら先端の蕾に舌を這わせていくと、シーラの感じ方も増していく。
「ケビン、ケビン……」
今まで感じたことのない快楽を受け続けるシーラへ絶頂の波が押し寄せてくると、そのままその波に呑み込まれていく。
「ケビン……ケビンっ……ああぁぁ――!」
ビクンと体を跳ねさせてシーラが達してしまうと、ケビンは次のステップへと進むのだった。
「シーラ……」
「きて……私のケビン……」
シーラが両手を広げてケビンを見つめると、ケビンはそれに応えるために抱きつきながら進めていく。
「うっ……」
「痛いよね?」
「うん。でも、やめないで……ケビンをいっぱい感じたいの」
「わかった」
ケビンはあまり痛まないでいいように少しずつ進めていき、やがて全て入るとシーラへそのことを伝える。
「全部入ったよ」
「嬉しい……ケビンと1つになれたのね」
シーラが痛みに慣れるまで、キスをしたり胸を愛撫したりしながら過ごしていると、痛みが緩和してきたシーラがケビンへ声をかける。
「ケビン、動いて。もうあまり痛くないから」
「大丈夫? 無理なら痛みを消す魔法もあるよ?」
「痛みは消さないで。ケビンとの思い出だから」
「わかった」
「私でいっぱい気持ち良くなってね」
ケビンは行動で示すかのようにストロークを始めて、シーラの体を堪能していく。
「ケビンっ……愛してる……」
「俺も愛してるよ、シーラ」
「……嬉しい……ケビン、ケビンっ!」
次第にペースを上げていくケビンと悶えるシーラに絶頂の波が押し寄せてきて、2人を呑み込もうと快楽を高めていくのであった。
「ケビン……お姉ちゃんきちゃう……」
「俺も……」
「お願い……そのまま……お姉ちゃんも……赤ちゃんが欲しい」
シーラからの『赤ちゃんが欲しい』という申し出に、ケビンは更にやる気を増すのであった。
「くる……お姉ちゃんきちゃう……んっ……ケビン、ケビンっ……ああぁぁっ――!」
「くっ!」
シーラが達するとケビンも堪らず思いを吐き出してしまうのである。
「はぁはぁ……」
「ん……ぁ……」
2人が余韻に浸っていると、やがて落ち着いたシーラがケビンへ声をかける。
「ケビン、今まで待たせてごめんね」
「いいよ。シーラの恥ずかしがる姿が見れたから」
「もう……お姉ちゃんをあまりいじめないで」
「ダメ、それは俺だけの特権だから」
「うぅ……少しだけよ? 本当に恥ずかしいんだからね?」
瞳をうるうるさせて伝えてくるシーラに反応して、愚息がむくむくと臨戦態勢を整えていく。
「んっ……ケビン、足りないの?」
「シーラが可愛いからだよ」
「うぅ……恥ずかしいよぉ」
「やっぱりそそるね」
「ねぇ……したいの?」
「愚問だろ?」
「……お姉ちゃん頑張る。ケビンの満足がいくまでいっぱい愛して」
「そこまでしたらシーラが気絶するよ? 気絶しても終わらないけど」
「……」
「どうする?」
「……お姉ちゃんが気絶するまでにして。気絶したあともされたら明日に響きそう……」
「わかった。明日のことも考えて気絶する前にやめるよ」
「ふふっ、優しいケビンが大好きよ」
こうして再び肌を重ね合わせた2人は、官能の世界へと旅立っていくのであった。
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