角なし兎の転生道!


 ん〜。経費ケチって飛行機使わせやがって……。しかもエコノミーとかなめてんのかあのハゲ頭!


 僕はスーツケースを引きずって広い道を歩く。こんなことなら唯にお願いすればよかった……。まぁ変な意地張った僕が悪いんだけどさ……。


『おとーさ〜ん!』


 耳元で風を感じる。ノイズが混じった声だ。フゥ……。こうなったのも亘のせいだからな……。

 目を閉じる…。電気を…めちゃめちゃ小さい電力を四方八方に流す…。

 どうしても流せない部分が僕に向かってきている……。あと、目の前にも流せない部分がある。生物だろうな……。


「ここだ!」


 右を向いて触れた人肌を抱きかかえる。はぁ………。亘め……。変な遊びを教えやがって……。


「わっ……。見つかっちゃった…。ねぇーちゃん!」

「はぁ……。魁繥やすきうるさい。音量を下げなさい」


 目の前に娘が現れる。ポニーテールで腕を組んでクールっぽくしてるが姿隠してたの絢香あやかだからな!?共犯者だぞ!


「おかえり…。カイ」


 子供に突っ込んでたら…目の前に現れる彼女…。


「ただいま、綾」


 自然と笑みがこぼれる。はぁ…。幸せだ………。


ーー数ヶ月前ーー


「お〜い!海斗!遊びに来たぞ〜」

「おい!家隣だからって連絡もせずいきなり…、いや、連絡するより直接話したほうが早いのか…」

「まぁ兄さん。堅いこと言わないでいいからいいから」


 建前では僕が綾の家に婿入りして、亘が堂上家に婿入りした形。つまり、僕は元鳩山くやま家に住んでいる。


「今日は二人の誕生日だろ?」

「そうだけどさ……」

「あっ、いらっしゃい…」

「おう、邪魔するぜ」

「綾ねぇは魁繥と絢香をちょと部屋に閉じ込めてくれる?」

「いいわよ。ふふふ。楽しみだわ…」


 僕を置いて世界は過ぎる……。リビングに来たがここじゃダメだと言われてリフォームして作った核シェルターみたいな地下倉庫に勝手に降りられる。そこは…子供部屋なんだけど…。


「魁繥が風操、絢香が光操だよな?」

「あぁ…。そうだけど……」


 なんか嫌の予感…。唯は唯でこっちを見つめてくる……。と思ったらクスリと笑ってスペースを作り始めた。


「そこであるひとつのことに思い至った…」

「はぁはぁ…。うちの子に変なこと教えんなよ?」

「それ言い出したらこっちの子供にも変なこと教えてんだろ?

 まぁいい。じゃあ唯お願い」

「了解!召現!」


 二人の机の横にそれぞれパソコンとかでっかい機械が現れる。


「なんだこれ?」

「ふふふふふ。これぞ!音の波長を取る機械と光のスエクトルとか見る機械だ!」


 ちっ………。前々から思ってたことを先にこなしやがって………。


ーー現在ーー


「はぁ、そのうち世界を滅ぼしそうだな」


 空港の庭で遊んでいる(光を操って姿を消す絢香と超音波を出してそれを探す魁繥)二人を見ながら綾と話す。


「そうね…。うちの子たちならできるかもね」

「でも翔太唯の子供が止めるんじゃない?」

「魔定二段?正直な話強さのベクトルが違うからなんとも言えないな〜」

「まぁ本当、生まれてきてよかった…」

「綾…論点ズレすぎ。まぁ……。オルトとしても…海斗としても…生まれてきてよかったよ。

 荒木さんの子供は何か言ってきた?」

「またいつか力を借りたいだって。テロ組織の魔法が強すぎるから種類の違うもので対抗したいだって」

「あいつもよくやるねぇ…。まぁいいか…。角のなし兎の出動ですか?」

「角なし兎ねぇ……。魁繥たちもそう言うようになるかなぁ……」


 飛行機がまた一台、曇りかけの空に飛んで行った…。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

角なし兎の転生道  祝3000PV!! 小笠原 雪兎(ゆきと) @ogarin0914

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ