世界が終わった後に続く世界。

「はぁ………。負けた………のか?」




 彼は地面に仰向けで寝転んだ体制でそんなことをつぶやく。


 突然、勢いよく起き上がり、周りを見渡す。


 そして横にいた彼女にしがみついた。




「あ……綾………」


「ごめん………。でも……苦しめたくなかった……」


「やめてくれ!もうやめてくれ!あんな……あんなことは……もう!」




 彼の口から出る言葉は続かない。彼は彼女の胸の中で大きく頭を振った。




「カイだけが戦うのは……」


「それでいいから!綾がいなきゃ俺は成り立たないんだ!」


「でも……ちゃんと亘は倒したんでしょ?」


「それは!綾と会えるから!またちゃんと会えるから!」




 彼女の手が彼の頭を撫でる。




「ごめんね……。オルはよく頑張ったね……。辛かったね…っ…」




 綾の手は少しぎこちないものに変わり、声はくぐもった。




「綾………。絶対にあんなことは……やめてくれ……」


「ん”っ………。ごめん”………。ここにいるから……」




 海斗の髪の毛が少し濡れる。二人はずっとずっと…抱き続けていた。




==堂上海斗==




 ななななんと!今日はデートだ!みんな、わかるか?非リア共が。


 英語にするとdate。oh!なんて素晴らしいんだ!デートだデートだ!




 こほん。失礼。実は私、デートらしきものをしたことがないんです。いや、確かに一緒にお出かけはしたよ?でもね?違うんだよ!


 デートとして出かけるのが初めてなんだよ!わかるか!?言っておくと前世も含め初デートだ!




 そうなった理由がこちら。




『明日……カイは空いてる?』


『あ、ああ。空いてるけどどうかしたか?』




 綾と二つ名ならぬ三つ名の申請書を提出しに行った職員室の帰り、綾が俺に用事を聞いてくる。




『じゃ…明日10時に帝都病院前駅で…』


『え?』


『じゃあね………』




 綾は何故か俺を置いてさきに帰って行った。ワオ。ナンテコッタイ。




 誰もデートのでの字も言ってない?いや、言ってるさ。「病院前駅”で”」ってな。


 違う?黙れ!これをデートと言わず何と言う!




 歯も磨いた!手も洗った!今朝は快b……。失礼。まぁ30分前に着いた。自分なりにカッコよくコーディネイトしたはずだ。




 綾は集合の10分前にやってきた。純白のワンピースと四月には眩しすぎる綺麗な服装だ。周りの奴らも見とれてやがるぜ!




「ごめん……。ちょっと準備に手間取って……」


「いや、いいよ。まだ集合時間を過ぎてない。どこに行くんだ?」




 自分でもソワソワしているのがわかる。まぁ許してくれや。




「えっと……。そこの喫茶店で……」




 これから二人で行くところを決めようと。おお。いいね!


 そう呑気なことを考えて喫茶店に入る。綾に連れられボックス席に座った。いや、俺は抵抗したが座らされた。


 目の前には、亘と唯がいる。亘も驚いているみたいだ。ウェイトレスにカフェラテを頼んで手を組む。




 ああ、そういうことか。




「おい亘」




 ボックス席の端から逃げようと試みる亘に声をかける。がっちりと唯が掴んでいたので無駄だったが。




「考えはまとまったか?」


「あ、ああ………」


「別に好きにしていい。俺は前の思想のお前だから一緒にいて楽しいと思っていただけだ。考えが変わったなら俺は離れる。以上だ」




 俺はカフェラテをウェイターから受け取り、すする。




「俺は………。俺は……」




 亘はたぶん今、机の下で手を握りしめている。事実唇は噛んでるしな。


 はぁ。譲歩してやるか。俺の方が大人なんだし。




「わーった、わかった。いいよ。林間学校の班組もうぜ」


「え?」


「よろしくな」


「あ、ああ………」


「ってことでじゃあな」




 冷めてる?いやいや見る目がないな〜。ここで青春らしくしても気まずいだけだろ。あとは時間が解決してくれるだろうし。


 席を立って会計する。綾は俺についてくる。さてと………。お仕置きだな。




 店を出てすぐに綾に向き直る。




「綾、今日俺はすごく準備した。朝風呂で体洗って歯もいつも以上に磨いてミントの香りのガムも噛んできた。意味はわかるか?」




 邪魔にならないように道の端によって綾の肩を掴む。


 そしたら、つかみ返してきた。




「カイ。今日私はワンピースを自腹で買ったし、一緒に行きたいところも調べたし、懸念事項をなくすために唯ちゃんと協働して亘と合わせた。意味わかる?」




 数秒間睨み合う。そして数秒後、同時に口から笑い声が漏れた。




「「クククククククッ」」


「行こうか」


「ん…。行こ?」




 ふふふふ。初デート。初デート!




・・・・・・


 フゥ。なOうで消えていた部分を復元したぜ。ちょっと適当になってる?

 仕方ないだろ!忘れちゃったんだから!

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