その経験はすごく思い出にふさわしいもので

「6人でゴブリン3000体倒せばOKだからよろしくぅ!」


 寄宿舎でそれぞれ部屋割りをした後、リビングに集まって亘から話を聞いていた。


「つまり一人当たり500体か……」

「でもゴブリンはこの島に1000ぐらいしかいませんので悪しからず」


 唯の呟きに亘が返す。ひどいな…。


「島の地図はあるか?」

「ああ。ほらこれだ」


 亘から地図を受け取り机に広げる。大きさは東京都の一個の区ぐらいの大きさだ。


「唯。この島全部焼けるか?」

「あっだめだよ。この島には天然記念物がいっぱいあるし世界遺産目指してるからね」

「そうか……。じゃあ仕方ない普通に討伐しようか」

「ああ。そうしてくれ」

「う〜ん………」


 どうやって討伐しようか……。いちいち遠出するのはめんどいがこのコテージから離れるのは不安だ。


「カイ…罠仕掛ける?」

「あっ!さすが綾!その手があった!」

「罠を仕掛けたらまた回収する必要がありま〜す」


 くそ。ああ言えばこう言う。どうやって討伐しろってんだ。


「じゃあいつもはどうやってるんだ?」

「自衛隊が地道にやってる」

「そうか………。仕方ない。普通にやろう。先に役割決めをしようか」


 同じことで時間を使うのはもったいない。


「そうだな。料理が海斗、洗濯は奈々華と京之助。掃除が綾と唯。俺は先導者」


 役回りが酷い気がするがしょうがないのか?


「見張りは二人一組で四時間ずつ。カップルペアでいいだろ」

「ああ。戦闘は3人一組。バランスよく京之助と海斗と綾。俺と唯と奈々華かな」

「異議なし!」

「右に同じく」

「賛成!」

「同意!」

「いいんじゃないの?」


 さぁ。とっとと終わらせて遊ぼうぜっと。



 ==堂上海斗==


「ゴブリンは群がる習性があるから一匹捕まえて叫ばせよう」


 初日ということで島の中心に向かいながら昨日考えた作戦を述べる。ゴブリンは燻製などの独特な匂いに近づく習性もあるのでそれで最初の一匹を捉える。


「俺がゴブリンをおびき寄せて京之助が捉える。みんなは木の上で隠れててくれ。その後集まってくるゴブリンを残滅する」

「了解」

「ねぇ、これ重いんだけど」


 京之助が鉄の檻を持って不満を述べる。


「頑張れ!きっといつかは夢が叶う」

「俺は夢の話はしてねぇよ!」


 俺がサムズアップしてやったのだが、京之助は文句タラタラだ。


「よし、ゴブリンの巣がここらへんだな」

「来年のためにも数匹は残しておけよ」

「ああ。わかってる。よしここにしよう」


 亘の注意に返事をして、下ごしらえをする。

 鉄の檻を置き、中に簡易的な燻製の機構を作る。その後木に登ってもらい、準備を万全にした。


「それじゃあ行くぞ」


 スモークウッドに火をつけ、すぐに木の上に登る。数十秒後、ゴブリンが燻製に近づいた。

 周りを見回し、その後檻の中に入っていった。京之助が木から飛び降り、鉄檻をしめ、また木の上に戻った。


「ぎゃっ!」

「よ〜し。いい子だ。もっと鳴くんだ」


 木の葉の隙間からゴブリンの行動を除く。


「カイト鬼畜ね。ゴブリンもかわいそう」

「ウルセェ」

「ギャーー!ギッ!ガッ!」


 途端に集まってくるゴブリンもといGたち。


「ガード。クラッシュ」


 地面が草の緑から、薄汚い緑色(ゴブリンの頭部)に染まってきたところで、唯が檻のゴブリンと俺たちを守ってから、ゴブリンを潰す。


「ギィっ!ぎゃっ!ギャギャギャ!」


 ゴブリンの第二波で、防具を着たちょっと上位種が出てきた。


「よし、行くぞ」


 俺は腰に差してあった綾の刀を抜き、地面に飛び降りる。


「くるっと回ってはい残滅!」


 ゴブリンたちの首が刎ねられていく。ああ。かわいそうなゴブリンたちよ。


「俺も俺も!バインド!からの面打ち!」


 京之助も飛び降りて大将を打ち取っていく。戦績は言わずもがなでその日はゴブリン残滅と魔石回収と体の洗浄で終わった。


「昨日は俺と京之助が見張りだったから今日は海斗ペアと恭之助ペアだな」

「ああ。見張りしておくよおやすみ」

「おやすみ〜」


 コテージのちょっとした屋上に出て付近を見渡す。空には、東京では絶対に見れないだろう星で溢れかえっている。少し蒸し暑く、蝉の声がうるさい。


「綺麗だな…」

「ん………。綺麗……」


 漣の音が綺麗でロマンチック感を催す。


「俺の前世ってどこにあるんだろ?」

「どこにあったって関係ないよ……。カイはここにいる……」


 綾が俺の手を握る。その手は温かく、でも暑くはなかった。


「そうだな……。はぁ………ふぁ〜あ」

「眠いね…」

「そうだな………。あっ、面白いもの見せてやる」


 雷操で手のひらサイズの疑似花火を作る……。それはパチパチと電気が弾けさせ、小さく夜闇を照らしていた。


 ーー二日後ーー


「討伐完了!」

「イェ〜〜い!」


 俺たちは船の貨物室積もる魔石を見て祝いをあげた。

 ゴブリン*1000、スライム*200、コボルト*50、オーク*30、その他もろもろ……。まぁとにかく規定の量は超えた。


「じゃあ者共!遊ぶゾォォォォ!」

「オーーー!」


 築き上げた拳は多分人生で一番高く伸びたんじゃないかな?


 ーーーー


////


「さぁ始まりました!第一回、水着鑑賞会!イェ〜〜〜〜い!」


 パチパチパチパチ!俺たちは一足先にビーチでパラソルや、ジュースを用意して、男3人で車座になっていた。


「どうも司会の堂上です。いや〜とうとう始まりましたね〜。解説の沼木さん」

「本当ですね〜この日を待ちわびていましたよ。どうですか?実況の紅月さん」

「もうひたすらに楽しみですよ。そろそろじゃないでしょうか?」

「そうですね。では第一回、水着鑑賞会の始まりです!」


 俺がスタートの火蓋を切った…………。ものの誰も出てこない。タイミング間違えたか。


「あれ?まだ準備が整ってないんでしょうか?」

「そうなんでしょうね…ってきましたよ。それでは解説実況をお願いします」


 コテージの裏口から3人の女子が現れる。


「はい、左から鳩山、堂上、須藤となっております」

「鳩山選手はシマシマの上着を着て、その下は黒のビキニですね」

「年相応の胸が程よい感じでエロティックに仕上げられていますね〜」

「そうですね〜。やっぱりいいですね〜。次は堂上選手です」

「はい、彼女は普通の何の変哲も無い水着ですね」

「しかし童顔と貧乳でロリーターとってはメロメロでしょう。ポイントも高そうです」

「最後は須藤選手になります」

「鳩山選手と同じビキニ対応ですが水色と白色のシマシマがよくマッチングしています」

「恥じらっているのか少し顔が赤いようです。彼女は気が強いのですがここで恥らうとなるとツンデレ要素が高く感じられますね」

「いや〜すべて甲乙つけがたいものですね〜」


////


 というバカ騒ぎと女子が遊んでいるのを傍目に頬に紅葉をつけつつBBQの準備をしているのは何の関わりもないんだぜ?

 本当だからな?


「いや〜いってぇな〜〜」

「その痛みはいつか思い出となって君に幸福をもたらすのさ!」

「確かに俺たち大人になって思い出すんだろうな〜」


 ちょっと青春っぽい気分になり申した海斗でございます。





・・・・・・・・・・・・



綾:「別に見られてもよかったのに……ていうか見て欲しかった…」

唯:「どーでもいいしああいうのはほっとくのがいいですよ?」

奈々華:「だって恥ずかしいじゃない!」


ーー別処ーー


海斗:「綾の水着可愛かったな〜」

京之助:「奈々はちょっとツンデレなんだね」

亘:「唯を可愛いと思う俺はロリコンなのか!?」


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