失敗を恐るる者は歴史に名を残さない。動き続ける者は成功は無くても人々の記憶に残る。

・Those who fear failure do not leave their names in history. Those who keep moving will remain in people's memories without success.



「よし!じゃあみんな親には1週間帰らない事連絡したな?」

「うん!綾ちゃんがいるならOKって」

「俺は放任主義だから問題なしだ」


 小春さんの提案で急遽、1週間亘の家に住む事になり作戦会議をする為、地下にある、運動場兼亘の物置に移動した。そこに敷かれた絨毯に車座に座る。


「じゃあ始める。これから俺らのアトリビュートを決めようと思う」

「アトリビュート?」


 須藤と京之助が聞き返す。聞き返し方がテンプレだなおい。


「本来は人や物を象徴するような特徴や持ち物のこと…。 一般に「属性」と訳されることも多いし、 IT 関連の分野では普通、後者の「属性」の意味になる…。今回の場合は前者。例えて言うならゼウスが雷…ポセイドンがトライデント…」


 綾が答える。綾って説明する時は言葉長いよな。


「100点。つまりだ、簡単に言うと自分の特殊能力っぽいものを一つぐらい持とうぜって話」

「ああ。なるほど。海斗は理系、綾さんは文系みたいな事でしょ?」


 京之助がうまくまとめる。お前最初は知らなかったくせに何一丁前に解説してんだし。


「と言うわけでだ。自己紹介から行こうか…」


 俺はチームを組む時から覚悟を決めていた…。よし。言おう。


「まぁ味方だし須藤以外には俺の魔法は割れてるから言っとく。俺は半径10m以内で電気を操れる。物質とか化合物とかで流せるものが変わるから感電死はさせる事が出来ない。まぁ雷操とでも呼んでくれ」

「何それ!?チー……ムグ」


 須藤の素っ頓狂な声に綾が口を塞ぐ。


「いい?何も疑問に思わない事……」


 綾の低い声で須藤が首を縦に振る。それを確認して綾は手を離した。


「で武器はヌンチャクと体術だ。次、京之助」

「りょ、りょーかい。俺は剣道だな。そこそこは出来る。で、言魔法の魔定二級だ」

「んじゃ次俺、俺は武器に関しては殆どなんでも出来る。体術は見よう見まねで地区大会優勝かな?」


 亘はサラッとすごいこと言うな……。見よう見まねで地区大会優勝って……。


「わ、私は体術としては…痴漢対策を一通り…。他は…わかんない。みんな圧倒的過ぎて……。あんまり…」


 須藤…。お前自分で自分の事使えるって言いませんでした?


「ん……。私は…予想……ぐらい?」


 首をかしげる綾。可愛すぎるだろ……。


「え〜っと聞いた感じ合いそうな武器ある?」

「いや…特注品で今からだと……」

「おーーーっす!カイ君優しいね。貴方私の分のオムライスも置いといてくれたみたいで。あっもしかしてサバイバルのメンバー?なになに?武器の話?」


 いきなり地下室に入って来て機関銃トークをするのは巨乳が特…ゲフンゲフン。美人なちょいギャル系のお姉さんだった。顔が赤い。酔ってるな…。


「舞ねえ。楽しい事ないから帰りな。ほらほら」


 亘が焦った様に舞さんをエレベーターに押す。


「やーー!武器の話する!改造する!見せるの!」


 急に駄々っ子になって手を振り回す舞さん。


「あ、そっか!舞さん!お願い!武器見せて!」

「ダァーーー!あの部屋開けるな!この前掃除して貰ったのにもう置き場所無くしてるでしょ!」

「いいの!それだけいいのがいっぱい!あと汚くない!」


 汚いとは誰持っていないぞ?読心術か自覚があるのか?


「亘のお姉さん?」


 須藤が聞いてくる。そっか初対面か…。


「戸籍上な。まぁ義理だ。亘は養子……。まぁあいつは気にしてないけどな」

「へぇ……。それより気になるんだけどなんかあの人酔ってる?」


 京之助が呟く。


「おう。酔ってる。多分彼氏に振られたんだろうよ……。悲しい現役エリート大学生…。南無三」


 押し問答している彼らを眺めつつ言う。


「ダァーー!危ないの!舞ねえのは絶対ダメ」

「いいの!見せるの!じゃないと亘のm…」


 いきなり亘が焦って口をふさぐ。もう聞こえてるから。諦めろ。


「舞さんお願いします!見せてください!」

「おう!任せときなって!ほら!海斗君もお願いしてるんだぞ!」


 威張る舞さん。扱いやす!


「わかったよ……。みんな離れてて…」


 亘が諦めて俺らを壁まで下げる。壁には盾があった。信用しなさすぎだろ。舞さんは壁のボタンを押した。沢山あるガレージの一つが開く。


「ジャジャーン!こちら!滅茶苦茶頑張って作り掛けの10戦車君!」


 出て来たのは迷彩柄の全長2mの車だった。上にはバズーカが載っている。あの……。


「舞ねえ!学校に持ち込めるものにして!」


 亘が悲鳴をあげる。同感だ……。須藤と京之助に至ってはボーゼンとしている。インパクト強すぎたよな……。


「ムゥ……。じゃあお次はこちら!たったら〜ん!」


 舞さんがボタンを押す。すると隣のガレージが開く。隣だから……ほらやっぱ似た様なもんでしょ……。


「こちら!イージス艦1/100サイズ!」

「なんで20世紀の軍事品ばっかり?」

「なんとなく!」


 京之助のツッコミを舞さんはのらりくらりとかわす。


「それはプラモデル!舞ねぇが勝手に3Dプリンターで作ったもの!わかってる?これ武器……ギャァーーーー!」


 亘が悲鳴をあげまくる。当然だ。船の砲台から弾丸が飛んできたのだ。俺たちは呆然とするしかない。亘は後ろの壁に置かれてたジュラルミンの盾で防いだ。信頼に値しねぇ!あぶねぇ!


「もう!私だって改造するもん!ここね!真ん中穴空いてるでしょ?ここにバズーカが……」

「やめて!危ないだろ!俺らが装備できるもの!」


 亘が盾を構えながら言う。おい!銃を放った事に突っ込め!


「ムゥ……。じゃあ!F15 イーグルモデルのラジへり!全長15cm。勿論銃も搭載!魔道具なんてクソダァ!」

「ダーカー……はぁ……」


 諦めたようにため息を吐く亘。大いに同感。


「じゃ何よ!どうせ二十路のババアが騒いでるとしか思ってないでしょ」


 その通り!と言いたいのを我m…。


「その通り!実用できる物がこっちは望んでんの!」

「じゃあこれは!?」


 そう言ってガレージを開け、中の棚から取り出したのは意外にも普通の物……。ってそれチャクラム?


「チャクラムよ!エンジニアに無理言って作らせた代物!そこに私が改造を加え引き戻し可能で安価で軽くて丈夫なチャクラム!」


 ここに来てフツーの武器出て来た……。


「私…やるわ…」


 綾が手を上げる。うん。これならいいんじゃね?


「さぁ買取手が出ましたよ〜!値上げいいんですね?じゃあ落札!」


==チャクラム、34落札。購入者……鳩山綾==


「さーて!チャクラム34が落札しましたよぉ!お次はこちら!PM!アサシンライフル!イギリス出身の工場の排煙の中から生まれた死神!のそ番号はL96A1!その銃をモデルに3Dプリンターで改造!強化した!こちらは火薬じゃ無くて圧縮空気で放つから安全!」

「そんな逸話ないわ!あと銃の使用は拳銃までなの!しかも法的に持ち出しアウトでしょ!」

「ふえぇぇぇぇん。じゃあ小物行くわよ!」


 どこのRPGの武器屋だ?


「こちら!千金ショップで買ったバネ式の銃を改造して飛距離100m!殺傷距離20mのBB弾のスナイパーライフル!ちなみに0距離射撃で眉間に当たると死亡が予想される!」

「買うかよ!絶対俺は買わねぇからな!」

「ならこちら!体術専門の方にオススメ!手を塞がない完璧な武器!手の甲に嵌めて握り拳を作るとBB弾がでる!詰まり最初の一発は牽制が出来るの!しかも装填も簡単!」

「勝ったぁ!」


 意志弱っ!信念が無い!


「まいどアリィ!こちら!ここを引いて弾を装填ね。でカートリッジはここにある通りね!」


==ワタルハコテガタBBダンヲカッタ==


「俺は竹刀だしな……。サブウェポンがな……」

「そんな貴方にはこちら!原始時代に作られた魔の刀!それは獲物を狙い一度目を付けられると逃げられない!その名も追滅絶刀Defeat『死神』ダァ!」


 なにこのショップチャンネル。そしてさらっと厨2。しかし魅力を感じてしまう。詐欺師だ……。絶対詐欺師だ……。


「おお!」

「驚くのは早い!こちら柄のボタンを押すと剣先がとぶ!絶体絶命の時に使えの!その後、長押しすると戻る!接近してくる敵への先制にうってつけ!」

「買った!」


 だめだ……。みんなノリで買ってる気がする。実際はただだけど……。俺は騙されないぞ!


==京之助は詐欺師に騙された==








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