何か信じるものがあるのに、それに従って生きない人間は信用できない。

・To believe in something and not to live it is dishonest.



「この後どーする?」


 俺は二人に聞く。合格したし、母さんにその連絡もしたしな〜。


「ごめん…。私これから旅行の準備…」

「俺ちょっとヨーロッパまで…」


 綾と亘が申し訳なさそうに言う。


「そういやそう言ってたな……。忘れてたわ。なんで謝ってんだ行ってこい行ってこい。お土産よろしくぅ」

「ん……」

「おう!海斗の好きなフランスパン買って来てやる」


 そうして綾と亘は改札を通って消えていった。さてと。もう中学はないしな……。高校受験前日がもう終業式なのだ。暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇。


 ファミレスで飯食ってから、学校の周りを散策する。なんたって学校への近道とか知っておきたいしな。


「路地裏も見てみるか……でもあんま俺路地裏にいい思い出ないけどな……。よし!事件は起きる。逆フラグ建てたし大丈……夫じゃないない!」


 何とかフラグ建築の妨害をしたも束の間、事件は起きた。ほんと。フラグって本心読み取るよね〜。


「えっ!あんたたち!やめなさいよ!私に触れるんじゃないわ!」


 近くでいきなり悲鳴が上がる。俺声のした方向に向かった。

 俺はこっそりフードを被る。顔バレでチンピラに狙われるとかたまったもんじゃない。

 そこはまさしく誘拐現場だった。お嬢様っぽい子……が嬢子と呼ぼうか…が抵抗していてまだ車に乗せられていないみたいだ。地面にはSPが転がっている。よわっ!そこに足を踏み出しかけた時ある男がふってきた。


「お嬢さん。大丈夫ですか?俺が助けます」


 そいつは嬢子の手首を掴んでいた奴を殴り、自然を装って嬢子をお姫様抱っこする。そして嬢子を立たせ、チンピラのほうを向いた。


「僕の名前は沼木京之助!お前らの様な奴は世の為に必要ない!」


 ……。


「正義厨?」


 正義厨。うん。正義厨だ。


「なんだとゴラァ!」


 チンピラは京之助に走りだす。ドスを取り出したりしていた。


「お嬢さん。僕は魔定一級だ。安心して下さい。バインド!」


 キザったらしくそんな事を言って向かって来た男に魔法を放つ。おいおい。チンピラはまだ魔法を使ってないんだし、そのチンピラが正義かもよ……。そのお嬢が悪の結社だったり……。

 いつの間にかチンピラは全滅していた。まぁ圧倒的かな?京之助君強いな……。

 京之助の素顔が見える。京之助はかなりのイケメンだった。まぁ正義厨じゃなきゃよかったんだが……。

 いきなりチンピラの一人が起き上がり京之助に近く。そして京之助に襲い掛かった。俺は手を向け、雷操を使おうとする……。が、京之助が後ろ蹴りで倒した。そして俺と目があう。マスクしといてよかったー。


「今君がその男を操ったんだね」

「は?」


 いきなりで何の事か全くわからん。俺か?


「気絶している男を操るだなんて最低だな!君も成敗しよう!」


 あっ、思い込みが激しい奴だ。


「違うって!ただ単に襲われそうだったから助けようとしただけだ!」

「そうやって嘘をついても僕は騙されません!」


 俺はヌンチャクを取り出し京之助の拳の軌道にヌンチャクを乗せる。と、京之助は退いた。ここには俺と京之助と嬢子しか居ない。ああ。あとチンピラ達。証人がいない!なってこったパンナコッタ!


「君少しはやるみたいですね」

「ありがとさん。だが本当に違うって!」

「じゃあ証明してみてくださいよ!」


 言葉に詰まる。証明方法は……。ない。


「ほら!やっぱりそうじゃないですか!早く白状してください!」


 あっ!あった!正義厨専用の証明方法…。


「お前正義が必ず勝つと思ってるだろ」

「ええ。そうですね。当たり前じゃないですか」

「じゃあ俺が勝ったら俺はお前を助けようとしていたって事だ」

「いいでしょう!二言は許しませんよ!」

「俺は武士じゃねぇし!男に二言がねぇなら俺は男じゃねぇ!」

「な!やっぱり貴方は悪ですね!」


 俺はヌンチャクを握り直しバレない様に少しずつ屈む。はぁ。善悪はっきりしない世界って悲しいよね〜。


「悪でも何でもない。あとお前は間違っている。勝つから正義なんだ」


 間合いを詰め、ヌンチャクをふる。京之助はしゃがんで避け、もっと離れてチンピラの鉄棒を拾った。


「お嬢さん。大丈夫ですよ」


 お前が大丈夫じゃないわ!間合いを詰めてヌンチャクをふる。鉄棒で受けられた。一気に電気を流す。電気は京之助に流れないが、高電圧のせいで磁界が歪み、鉄棒は重くなる。京之助は鉄棒を落とした。


「バインド!クッソ!なんですかこの魔法!」


 バインドを避けて雷操で電気を筒に巻いた導線の形で流す。まさしくモーターのコイルの様に。そしたら鉄棒が浮く。そして電流にくっつき、電流が鉄棒を通ってショートカットするので電磁石の磁力が低くなり鉄棒は落ちる。そしてまたくっつき、落ちを繰り返す。


「即席電磁石ぅ!そしてこのままふっとべー!」


 コイルを大量に京之助の周りに作り、鉄棒を縦横無尽に走らせる。京之助は確実に避けるも反撃はしてこない。まぁ大概この魔法チートだもんな。ってあれ?何で俺前世と体が違うのに魔法使えるんだ?

 その重要な考えは京之助の魔法によって忘れた。


「なっ!くそ!フラッシュ!」


 閃光を放つ京之助。咄嗟に目を瞑り、俺は体に電流を張り巡らそうとする。え?使えない?どうして?

 ヌンチャクを振り回して迂闊に近づけない様にしながら瞼を開ける。京之助は目の前にいた。


「ゴラァ!コンチクショー!」


 前蹴りをかます。京之助はそれを十字固めした腕で受け、鳩尾を狙って蹴って来た。体に電気を張り巡らす。何故か今度は出来た。どういう事だ?

 京之助は途中で攻撃をやめ、かなり間合いを取る。あれ?あの飛行物体なんだ?


「くそ!我が手に剣よ来たれ!」


 は?って思ってたら京之助は手に竹刀を持っていた。嬢子はメチャ目をキラキラさせている。何今の?


「行くぞ!ヤァァァァ!」

「よう分からんけどユゥゥゥゥゥ!」


 竹刀の面打ちに対しヌンチャクをポッケにしまって竹刀を掴みそのまま後ろに回す。が、京之助がさらに間合いを詰め膝蹴りをして来たので、竹刀ごと押し返す。


「おい!「や」「ゆ」と来たら「よ」だろ!このバカ助!」

「バカ助とは何ですか!バカじゃありません!」

「お前!バカ助の意味もわかんないの?ダッサ!」

「きゃ!助けて!」


 二人だけの世界に入っていたら嬢子が声をあげた。見ると回復したチンピラが連れて行く所だった。


「バインド!」

「よっこらせっと」


 俺はポケットからヌンチャクを出しその場で一回転してから投げる。バインドは嬢子に触れていたチンピラに当たりヌンチャクは起き上がろうとしていたチンピラに当たる。


「姿眩まし!」

「マーキング!バインド!」


 が、チンピラのボス的存在のやつが煙幕の魔法を使い、京之助が色々魔法を使う。俺はチンピラに向かい、雷操で鉄棒を操るが、車で走り去った。はぁ。


「くそ!マーキングも当たらなかった!」


 俺は今だに転がっているSPのポケットを漁る。こいつには無いか。次〜。てか何でSPなのに全員持ってないんだ。


「君!何やってるんだ!」


 京之助の言葉を無視して探す事3人目で探し物を見つけた。立ち上がって振り返る。


「折角の科学なのにみんな忘れちゃうよね〜。はぁ。勿体ない事だ」


 SPのスマホの指紋認証を抜け、GPSアプリで探す。


「行くぞ。チンピラも数分したら携帯に気付く」



 


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