第431話 大豪邸⁉

「嘘吐きなうえに、人に感謝もできないとか終わってんな」

コイツ、ぶん殴りてぇ……


俺「メンドクセーなぁ」

流石に学校の前で暴行はダメだしなぁ


変に注目を集めちゃってるし……このままだと先生とか出てきそうだな

それはそれで、面倒だなぁ

何より時間が勿体無い


「ほら、お礼は?」

どういう生き方してたら、こんな上から目線になれんだろうなぁ


俺が口を開く、その前にこの会話に乱入してきた人がいた⁉


南城「ねぇ、何してるの?」

な、南城さん⁉


俺「なんでもないよ。大丈夫だから、もうちょっと待っててくれるかな?」

ほら、仁科さん達のところで


堀北「遅いから様子を見にきたのだけど」

仁科「何かあったみたいね」

あ~……そうだよなぁ

南城さんが来たって事は、みんな来るよね


待っててくれた方が良かったのになぁ


「な、なんですか?関係ない人は黙っててもらえますか?」

関係ある人なんだよなぁ


堀北「君、黙っててくれるかしら?私は彼と話したいの」


「彼?」


俺「えっと……ちょっとした勘違いがあったみたいでさ」

大丈夫、すぐに話は終わるから……ってもう遅いよね


南城「勘違い?」

うん、ただの勘違いだから


俺「そうそう」

大した事じゃないって事で


妹「おにぃ?」

どうして本当の事を言わないのかって?

そんなことしたら、その子が可哀そうだろ


俺「今は堪えておけって」

絶対に大変な事になるから


南城「ねぇ、妹ちゃん。何があったの?」

聴かないで!

そして、言うなよ⁉


妹「この人達が、私のこと嘘吐きだって」


堀北「そう……嘘吐いたの?」

ぶんぶんと首を横に振る妹


堀北「だそうだけど、どんな嘘を吐いたのか教えてもらえるかしら?」


「こ、こいつのお兄さんが名前持ちに告白されたって」

あ~……言っちゃったぁ


南城「な~んだ、その事ね」

あっけらかんとしてるけど……

絶対にキレる寸前だよね


「先輩として嘘は良くないって後輩に指導して」

南城「それ、嘘じゃないよ?私たちはA君の事が好きで、告白したからね」

堀北「そうね」


「そ、そんな事言って……この嘘吐きを庇うんですか!」

丸っきり信じてないなぁ


南城「嘘じゃないってば」

堀北「そうよ?」


「だ、だってそこの奴、名前無しだろ!名前無しが名前持ちに告られるわけない!!」

頑固だなぁ


南城「いい加減にしないと、本気で怒るよ?」

堀北「アナタ達に程度に何が分かるのかしら?」

ドンドン険悪になっていく……

そうだ!

仁科さん!助けて!

この空気をどうにかして!!


一縷の望みをかけて仁科さんに目を向けると、仁科さんの顔から表情が消えていた


無、だ……


「お、脅したって嘘は嘘だ!」

虚勢を張るけど、そろそろ南城さん達の圧で潰れそうだなぁ


南城「私がA君を好きで、何か問題でもある?」

堀北「君みたいな部外者に、何か関係あるかしら?」


「そんなの嘘だ!信じるもんか!名前持ちが名前無しを好きになるなんて、100%ないんだよ!」


南城「聞き分けのない子だなぁ」

堀北「困ったわね」


俺「なぁ、お前さ」

「なんだよ、嘘吐き兄妹!」

失礼な奴だな……


俺「いい加減、諦めろよ。お前の認識は概ね間違ってないけど、どんな事にも例外はあるんだよ」

覚えておけよ


「そ、そんなの……あるわけ……」

くどい!


俺「あるんだよ!これ以上、お前の考えを押し付けるな!」

いい加減にしないと、南城さんと堀北さんに失礼だろ


「そんな……そんな……」

もう、会話にすらならなそうだな……


俺「じゃ、俺達は用があるからもう行くぞ」

ったく、無駄な時間を過ごしたな


「ちょっと待ってください」

妹達を取り巻いていた内の1人が呼び止めてきた


俺「何?」

まだ何かあるの?


「その、お兄さんは……誰と付き合ってるんですか?」

は?


俺「いや、誰とも付き合ってないけど」

何でそんなことを聞くんだよ?


「え?だって、その人達に告白されたんですよね?」

うん?


俺「そうだけど?」


「付き合ってないん、ですか?」

何度も何度も……


俺「だから、そうだって言っただろ?」

今度は何だよ


「なんで付き合わないんですか?」

そんな事、君には関係ないだろ?


俺「告白されたからって、必ず付き合う必要はないだろ?」

もう、めんどくさい奴らだなぁ……


妹「兄さん、もういいよ。早く行こ」

そうだな


俺「ああ」


絡んできていた奴らを放置して、いざ妹の友人の家へ向かう





その友人の家は、学校からそこそこ遠く

結構歩く必要があった



そして、到着して驚いた……

大きな家なんだろうと思っていたけど、俺の予想をはるかに超える大きさだった



俺「でけぇ……」

ここ、家?

まさに豪邸じゃないか


南城「すごいね~」

堀北「ええ、立派ね」

仁科「いいなぁ」


妹「やっぱ凄いね~」

「うんうん!」


「そうかな?」

金持ちの奴って、やっぱり間隔が違うっぽいね


「そーだよー!」


「そうかなぁ?ま、そんな事よりも入って入って!」

ちょっと気恥しそうにして、家へ招きいれてくれる




門扉を抜けると、両側には原っぱが広がっていた


建物自体も大きく、なんとびっくり3階建て⁉

多分屋根裏もあるな……


白を基調にした建物、窓も四角だけではなく上の部分が半円形になってる場所もある

全体的に洒落てるな……


俺「良いよなぁ……」

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