第382話 激昂する南城さん

俺「東雲さん、どうしたの?」

そんな怖い顔しないでほしいな

今その手を縛る縄を解いてあげるからね


まずは東雲さんから

口を押さえた布と手を拘束していた縄を解いて捨てる


俺「大丈夫?」

やっと、笑いかけられたね


東雲「アナタ、誰なの?」

誰って、そんなの分かってるでしょ?


俺「だよ?」

どうしてそんな事聞くんだ?


東雲「本当に?」

本当だよ


俺「当たり前でしょ?それよりも、皆も早く解放してあげよう」

手分けしてね


東雲「え、ええ。そうね」

良かった

ちゃんと手伝てくれるんだね


俺は堀北さんの元へ行き、東雲さんは仁科さんの元へ


俺「堀北さん、お待たせ」


堀北「その、もしかして……」

口の布と目隠しを外すと


堀北「やっぱり、

うん

なっちゃったよ

手を縛っていた縄を解く


俺「さて、次は……妹だけか」

東雲さんと仁科さんが南城さんを解放してくれたみたいだ





俺「大丈夫か?」

口の布を外す


妹「おにぃ……怖かったよぉ」

目隠しを外す


俺「助けるのに時間かかってごめんな」

もっと早く助けられればよかったんだけどさ


妹「ううん、ありがと。……でも」

ああ、そうだな

名前持ち化したよ


俺「さて、皆無事かな?」

酷い事されなかったかな


東雲「君の方こそ、怪我は大丈夫なの?」

俺?


俺「大丈夫だよ」

どういう訳か、名前無しの時の怪我はきれいさっぱり無くなってるみたい


南城「ねぇ、A君」

うん?


俺「何かな?」

そんな睨む様な目、向けないでほしいな


南城「私を人質にした名前無しmobは、どうしたの?」

やっぱり気づいちゃうよね……


俺「退場してもらったよ」

この世界から、ね


南城「っ!!」

つかつかと俺に歩み寄って……




パシーーーン!!

と頬と打たれる


俺「え?」


南城「なんで⁉なんで、君がそんな事するの⁉おかしいよ!!君は」

助ける為に必要だったからだよ


俺「あの屑は、世界に必要ない存在だったんだよ」

だって、南城さんに刃物を突きつけたんだよ?


南城「っ!!!」

もう1発頬を打たれそうになるが、振りかぶった手を堀北さんが止めてくれた


ほっ……

にしても、打たれたのに痛みが全くないって凄いな

アドレナリン出てるから、かな?


堀北「千秋、落ち着いて!!」

南城「だって、彼がっ……」

そんなに激昂しないでほしいんけど?

助けたのにさ


東雲「ねぇ、これどういう状況なの?」

仁科「私にも、何がなんだか」

説明とか、諸々の話は場所を移動したいんだけど


南城さんが涙を流しながら、それでも俺を睨む


俺「とりあえず、此処離れようよ」

こんな辛気臭い所とはさっさとおさらばしたい


妹「おにぃ……」

ん?


俺「何だ?」

困った事があったなら、になら何でも相談してくれて大丈夫だぞ


妹「その、えっと……ううん、なんでもない」

変なやつだな


俺「あ、そうか」

プレゼントの件か!


妹の耳元へ小声で話しかける

俺「なぁ、皆へのプレゼントなんだけど」

妹「あ、うん」

俺「皆の好みとか探りつつ選んどいてもらえないかな?」

妹「え?私が?」

俺「そう。今の状況、俺にはどうしようもないから。頼んだぞ」

妹「うん」

よしよし、良い子だ


さて、そろそろかな



階段や廊下から足音が響いてくる




完全武装した人達が銃をコッチに向けて構える


その武装集団を割って1人の男が出てくる




俺「やっと来たか、四季島」

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