第151話 短い手紙


大好きな兄さんへ


兄さんに手紙を書くなんて思ってなかったからちょっと変な気分です


この恥ずかしい手紙は読み終わったらシュレッダーにかけて捨ててね


兄さん。私は兄さんが大好きです


家族として、兄としてだけじゃなくて


一人の男性として好意を持ってます


私たちは兄妹で、家族だから……


この気持ちは一生打ち明けることはないって思ってました


だから本当は兄さんと同じ学校に行きたかったけど


志望校は別の学校にしてあります


私の進路はお嬢様学校なんて言われてる女子校です


学生寮のある学校です


この気持ちを抑えられなくて暴走しないように


距離をとる為に寮に入るつもりです


この気持ちは許されないから


兄さんを困らせるだけって分かってたから


だから距離をとろうと思ってました


でも、兄さんが本当は兄さんじゃないって分かって


そしたら、今まで我慢してた感情が爆発しちゃって


あの夜、勢いでキスしちゃいました


ごめんなさい


昔、兄さんの好みは頭のいい名前無しだって聞いたから


だから、私は苦手な勉強も頑張れました


おかげ様で、志望校に合格できるレベルまで学力は上がりました


どうですか?


私は兄さん好みの女の子になれましたか?


私は兄さんが大好きです


報われないと、ずっとそう思ってました


兄妹っていう、越えられない壁があるから


でも、そんな壁なんてなかった


だから、私は思い切って告白します


おにぃ大好き!

他の誰でもないおにぃが大好き!

おにぃが何て言おうと、この気持ちはもう抑えられない

早く元気になって帰ってきて答えを聞かせてね

どんな答えでも、ちゃんと聞くから

ちゃんと受け止めるから誤魔化さないでね


おにぃの事を愛してる妹より

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