第138話 救世主 四季島

爆音と共に現れたのは……完全武装した集団だった⁉

え⁉誰⁉マジで誰⁉

四季島たちじゃないの⁉

え?はい?どういう事⁉


武装「手を上げろ!」

手に持った銃を校長に向ける

え?これ……流れ弾か何かで俺も死ぬんじゃ……?


校長「あ、あなた達は何者です⁉なぜこの場所を⁉」


武装「我々の目的は、そこの特異遺伝子の少年の確保だ。速やかにその少年を引き渡してもらう」


校長「こ、断ったら?その玩具の銃で撃つのかね?」

後ろに控えてる2、3人がガチャという金属音をさせて校長に狙いを定める


校長「ひっ……」

メインで話しをしてる男が手で制しすると、構えていた銃を降ろす

このメインで話してるのが、リーダーなのかな……?


武装「もし、引き渡しを拒否するなら…アナタが玩具と言ったコレで死ぬ事になりる」


校長「……く、分かった。だから、命だけは」


武装「ああ、無駄弾は撃ちたくないからな」

校長が何かを操作して俺を拘束してる枷が外される


武装「少年、付いて来い」

え……これ付いて行っていいのか?

俺の予想だと、ダメなやつだと思うんだけど


武装「来い、ソコのイカレ野郎に殺されたくないならな」

残っても地獄……行っても地獄な気がする

でも、この場に残れば自殺志願者だし

行くしかないか……


俺「い、行きます……」

武将集団に四方を囲まれて階段を上り校長室へ戻ってくる


武装「君の身柄は、我々『真平等主義会』が預かる。これより基地へ護送する」

え?何それ……⁉

聞いた事ないよ⁉

ちょ、基地って何?

何処にあるの⁉

もう何からツッコんでいいのか分かんないよ⁉

そんな俺の混乱を無視し、さらに状況が変わる


バーン!と校長室のドアが開け放たれる

姿を現したのは……

四季島「ちょっと待ってもらおうか!」

し、四季島だ!

助けにきてくれた!!


俺「四季島!!助けてくr」

ドスッと腹を殴られて言葉が詰まる


四季島「何をする⁉」


武装「少し大人しくなってもらっただけだ。邪魔をするならお前には死んでもらう」

カチャリと拳銃を取り出し四季島に狙いを定める


俺「危ない!!」

拳銃の引金にかかる指に力が入る

いくら四季島だって、この至近距離で撃たれたら……


武装「名前持ちネームドは死ね!!!」

パーーン!!!!

乾いた銃声が至近距離で鳴り、耳がキーンとする

咄嗟に目を瞑ったせいで四季島がどうなったのか、分からない……

でも、撃たれて平然としてられる人間なんていないし

怖いけど……四季島が心配だ……死んではいないだろうけど、大ケガはしたはずだし


覚悟を決めて目を開けると、そこには平然と立っている四季島がいた⁉


な……⁉


武装「な、なんだと⁉」


四季島「ふん、その程度の脅威じゃ四季島太一このオレには届かないぞ?」

んなバカな⁉


武装「デタラメな……総員構え!対象、正面の名前持ちネームド一人!」

リーダーがハンドサイン付きで指示を出す

全員が四季島に集中した

という事は……俺は、今自由フリーだ!

四季島が俺にアイコンタクトを送ってきたのを見つける


四季島「流石に、その量は厳しそうだな」

その発言に勝利を確信する武装集団

今、俺に出来る事……


見た目が名前持ちになったところで、所詮中身は名前無しmob

だったら……『第三者視点』がいけるんじゃないか?

気配を薄く薄く薄く……空気と一体化して……周囲の物に溶け込む……


1m、1.5m、2m……


よし、離れられた!

このまま部屋の壁沿いを動いて四季島のいるドアの方へ行こう


武装「名前は、四季島太一と言ったか」


四季島「ああ、是非覚えて帰ってくれよ」


武装「お断りだ!撃て!」

手を振り下ろし連続した発砲音が響く

四季島はサッとドアの外へ飛び退き、右の廊下へジャンプする

流石四季島だな……完璧なタイミングで避けた!!

リーダーが合図を送り、銃声が止まる

俺は流れ弾が当たらないようにドアから少し離れた位置で待っていた

発砲の止まった今のうちに、ここから出て四季島と合流しよう!


武装「おい!ターゲットはドコだ⁉」

俺を見失って慌てる武装集団

しっかり探されると見つかる可能性が高いし、さっさと逃げよう


ドアから、そーっと廊下に出る

すると、床に赤い何かが落ちてるのが目に付いた

コレって……血か?

もしかして、四季島……撃たれたのか⁉

だとしたらヤバイじゃん!!

早く探して一緒に逃げないと!!


俺は床に落ちてる血痕を辿って、四季島を追いかける

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る