第107話 カラオケ入店

俺達はカラオケに到着し受付をする

今は部屋に空きがなく、30分ほど待つことになった


南城「やっぱり混んでるね~」


堀北「そうね」


俺「やべぇ……周囲の視線が痛い……」

絶対コッチ睨んでる奴いるだろ……!

美少女二人とカラオケがそんなに羨ましいか?ん?

まぁ、羨ましいだろうよ!

俺自身は望んでないけどな!!!

代わってくれるなら、是非とも交代してほしいね!!


なんて心の中で悪態ついても何も変わる事もなくゆっくりと時間は経過していく


15分くらい経った時、賑やかな集団が店に入ってきた

何だ?リア充か?爆発しろ!!


と思ってそちらを見ると見覚えのある女子数人とイケメンがいた

って、四季島ァーー⁉


おま、お前…何してるんだよ⁉

俺の事ほったらかしにしておいて、自分は1、2、3…6人の女子とカラオケか⁉


お前ほんとふざけんなよ⁉


待っている人数が一気に増えて、カウンター前は大混雑状態になる


四季島「あれ、奇遇だね?千秋ちゃん達もカラオケ来てたんだね」

なーにが奇遇だね?だよ!!

元から知ってるだろうが!!


南城「うん。奇遇だね」


堀北「本当に奇遇ね。まるで後を付けられていたみたい」

さっそく堀北さんから怪しまれてるじゃんww

お前、言い回しもっと工夫しろよ


四季島「ははっ、本当に偶然なんだけどな。これも運命、かもね」

うんめい?

何言ってんのコイツ……


堀北「運命、ね。もしそうなら私はその運命というものを呪うわ」

辛辣だぁ……

若干四季島も顔が引きつってる……


四季島「あ、どうせなら一緒に部屋を」


南城「え?ヤダよ」

問答無用で即答!?

まだ言い終わってないのに……


四季島「どうしてもダメk」


南城「イヤなものはイヤなの。ちゃんと聞こえてる?」

うわぁーーー……

四季島、何か涙目になってない?

イケメンだからか……そんな所もキラキラしててウザいな




そんな会話をしていると、小柄な女子4人グループが入ってきた

しかし、四季島達は全然気付いていないせいで受付カウンター前を占拠してしまっている


俺「他の客来たみたいだから、もっと端に寄ろうよ」


南城「四季島くん邪魔だって」

俺そんな事言ってないよ⁉


四季島「邪魔って……うん?そこにいるのは……妹ちゃんじゃないか?」

誰の妹だって?

もしかして四季島は妹系の年下女子まで手を出してるのか……⁉

なんて奴なんだ……


南城「あれ?あれって妹ちゃんじゃない?」

だから誰の妹なんだ?

こっからじゃ良く見えないんだけど……


堀北「あら、本当ね。妹ちゃーん」


呼び寄せられたのは……俺の妹だった

な、なんでココにいるんだ⁉


妹「あ、春香先輩こんにちわ!」


堀北「ええ、こんにちわ」


南城「私もいるよ~」


妹「あ、千秋先輩!こんにちわ!」


南城「うん!今日はどうしたの?」


妹「友達を息抜きに来ました!」


南城「いいね!カラオケ楽しいよね!」


妹「はい!」

随分とテンション高いな……


俺「勉強は大丈夫なのか?」


妹「え、おに…兄さん?いたの?」

いたよ!

絶対気づいてただろ!!


俺「薄情な妹には、もうプリン作ってやらないぞ?」


妹「え!それはダメ!でもホントに気づかなかったんだよお……ごめんなさい、兄さん」

本当に気づいてなかったっぽい?


俺「素直に謝ったから許してやろう」


妹「でも、なんで兄さんに気付かなかったんだろ……」

なんかそれはそれで哀しいな


「ねえねえ!この人達だれ?知り合い?」

「すっごい美人!紹介してよ!」

「さっき妹ちゃんって呼ばれてたけど、お兄さんの知り合い?」

妹は一緒に来た友達から質問攻めにあう


妹「え、えっと……」

あ、ちょっと困ってるなぁ


俺「初めまして、俺が兄の男子生徒Aだよ。いつも妹と仲良くしてくれてありがとうね」


「は、初めまして!へぇ~、これが例のお兄さんなんだ~」


「例の……?」


妹「あ~~~!あ~~~~!」

どうした⁉


妹「もう!みんなはしゃぎすぎだよ!!」


「ふふ、ごめんね~」

「だって気になってたんだも~ん」

「毎日のように」

妹「わーーーーー!わーーーーーーーーーーーーーーーー!」

ほんと、どうした?

友達の前でそんなに奇行に走るなんて……知らなかったぞ

妹の意外な一面を垣間見た気がする


妹「はぁ、はぁ、はぁ」

あ~なるほど、発声練習か何かだな


南城「じゃ、次は私自己紹介する~。私は南城千秋、彼とはクラスメイトで絶賛片思い中だよ!」

なんつー自己紹介だよ!!

バカなの?俺を殺す気なの?

ほーら、周囲から舌打ちが響いてきてるから!!


「えぇ~⁉⁉」

「信じらんない…」

「強敵だね……頑張って」

妹「もう!」


堀北「私の番ね、私は堀北春香。彼のクラスメイトで千秋とは恋敵よ。よろしくね」

恋敵って……堀北さんまで……南城さんに対抗意識でも燃やしてるの⁉


「恋敵だって……」

「モテモテだぁ~!」

「だ、ダイジョウブだよ。障害が大きいほど燃えるっていうし」

妹「もうっ……ダメかも……」


四季島「俺も自己紹介させてもらってもいいかな?」

え?

お前はいらないだろ?

てか人の妹にちょっかい出したらマジで殺すからな


「ねぇねぇ、あのイケメンとも知り合いなの?」

「なんでもっと早く紹介してくれなかったの?」


妹「え?知らない人だよ……誰?兄さんの知り合い?」

あ~、うん……残念ながら知り合いだよ


四季島「俺は四季島太一。俺もクラスメイトなんだ。よろしくね」

パチッと軽くウインクすると周囲の女の子達が一斉にふらつく

なんと受付の人までもカウンターに手をついている


「あの、もしかして先輩も恋敵ライバルなんですか?」

何言ってんの⁉


四季島「そう、だな。ライバルだ」

何肯定してんの⁉


「ねぇ、お兄さんってソッチの趣味もあるの?もしかして両刀?」

なんか不穏な単語が聞こえたんだが⁉


妹「ち、ちがうと思う……でも、あんなにカッコいい人だと……」


俺「違うぞ?コイツはかってに俺をライバル視してるだけだからな?俺から南城さん達を取り戻そうとしてるだけだからな?」


妹「そうなの?」


俺「そうだ。だから変な心配はするなよ?いいな?」

そんな勘違いが広がると大変な事になるからな……


妹「よかったぁ……」






残りの待ち時間はあっという間に経過し、カウンターの受付の人から声がかかった

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