第52話 レッツ‼生チョコ作り!
エプロンと三角巾をつけ、腕まくりをした南城さんと堀北さん
それに俺と妹の4人で調理を開始した
俺「まずはレシピにある通り、チョコを細かく刻むんだけど。包丁使えるよね?」
南城「それは大丈夫!」
堀北「ええ、人並みには使えるわ」
良かった……
さて、俺は……
南城さんの補佐に入るかな
なんかホントに大丈夫か怪しいし……
俺「妹~、堀北さんの補佐頼めるか?」
妹「……」
俺「おい、聞こえてるだろ?」
妹「……助手」
助手って……
そんな拘ることか?
俺「はぁ……助手さんや、堀北さんの手伝いをしてくれるかな?」
妹「はーい♪」
めんどくせー……
妹「堀北先輩、お手伝いします!」
堀北「ええ、よろしくお願いします。あと、私の事は千秋さんって呼んでくれていいからね?なんならお姉ちゃんって」
妹「わかりました。千秋先輩!」
堀北「え、ええ」
俺「あっちは大丈夫そう、かな。こっちはこっちで始めないとな」
南城「えーっと……猫の手猫の手」
ふ、不安だ……
俺「な、南城さん?大丈夫?」
南城「大丈夫だよ!……多分」
多分かぁ~……
あんまりやりたくなかったけど、妹の時と同じ方法でやるしかないかな
包丁を握った南城さんの背後へ回って覆いかぶさるようにして手を添える
南城「ひゃ⁉え⁉何何⁉⁉」
俺「見てて危なっかしいから、後ろから支えるよ」
南城「え⁉」
ワタワタと動こうとする南城さん
その手には包丁がしっかりと握られている
危険を感じ一旦離れる
俺「ホラ!包丁持ってるんだから、危ないだろ‼」
あ、ヤベ……
ちょっと強めに言っちゃった……
南城「ご、ごめんなさい……」
あ~あ、シュンとしちゃった
俺「ごめん。強く言い過ぎた」
南城「ううん。実際危なかったし……でも、何で後ろから、いきなり……抱きついて……?」
俺「だ、抱きついたつもりはなかったんだけど……そっか、ごめん。妹の時はそうやって教えたから」
南城「え、そうだったの……?」
俺「あ~、うん。妹も最初の頃は包丁使えなくてね。今ではあの通り人の補助くらいは出来るようになったんだけど」
南城「そっか……うん……ガンバレ私……」
なんかブツブツ言ってどうしたんだろ……
そんなに嫌だったのかな?
南城「あのね!さっきみたいにう、うしろから、支えてくれる?」
俺「いいの?」
南城「私も、ちゃんと包丁使えるようになりたいから!」
さすがは南城さん
前向きだなぁ
俺「わかった。それじゃ、やろうか」
再び南城さんを後ろから覆うようにして手を支える
俺「包丁はこう握って、今回は固いチョコを細かく刻むから包丁の背に反対の手の平を乗せて体重をかけるんだよ」
南城「こ、こう?」
俺「そうそう。それで、ある程度細かく刻むんだ。疲れたら交代するから言ってね」
動きはもう覚えたみたいだし、一旦離れて様子見かな
南城「うん。やってみる」
真剣にチョコを刻む
ゴリゴリとチョコの砕ける音を楽しみながら、見守る
そういえば堀北さんの方は大丈夫か?
チラッと様子を見ると、何故か堀北さんの笑顔が引き攣っていた……
な、何があったんだよ⁉
見なかったことにしよう……
南城さんは順調にチョコを細かく刻んでるな
よしよし
大分細かくなったな
そろそろいいかな
俺「南城さん、それくらいでいいよ。刻んだチョコはボールに入れてね」
南城「はーい。う~……腕疲れたぁ~」
俺「言ってくれれば代わったのに」
南城「ううん。やるって決めたから、自力で頑張る!」
俺「そ、そっか」
南城「えーっと次は……」
レシピを読む南城さんは一見すると、料理上手な人に見えるんだけどなぁ
人は見た目によらないってホントだな
南城「次は、お鍋に生クリーム入れて……温める?」
そう、ここでの注意点!
それは生クリームを沸騰させない事!!
沸騰させると膜が貼っちゃうからね、沸騰させないように弱火でゆっくり温める必要がある!!
南城「生クリーム温めちゃうの?」
俺「そうだよ」
南城「へぇ~」
そろそろ、堀北さんの方も終わったかな
堀北「まだ、細かくするの?」
妹「ええ、細かい方が溶けやすいので」
あいつ、何やってんだ?
俺「そっちは出来た?」
妹「あ!にぃ、……先生!」
無理に先生なんて呼ばなくていいんだぞ?
堀北「もう少しで、出来るわ」
どれどれ……?
って⁉
もう十分なほど細かいんだけど⁉
俺「ストップ!ストップ!もういいよ⁉そんだけ細かければ十分だよ!」
堀北「そうなの?」
そうだよ!
微塵切りレベルで細かくする必要なんてないよ!
俺「うん。助手~?ちゃんと見て教えないとダメだろ?クビにするぞー?」
妹「はーい」
なんだその投げやりな返事は……
ホントにクビにしてやろうか⁉
すぅ~~~~~~
はぁ~……
堪えろ……我慢だ我慢
さて、コンロの所狭いから片方づつやるしかないけど
堀北さんの方を先にするかな
俺「それじゃ、堀北さんと不出来の助手君は鍋で生クリーム温めて」
妹「不出来じゃないもん……」
俺「なら、次はちゃんと教えろよ?じゃないと本当にクビだからな?」
妹「わたっかよ、もう……」
俺「それじゃ、堀北さん。頼りないかもしれないけど一緒にやってもらっていいかな?」
堀北「頼りないなんて事はないわよ。ね?妹ちゃん?」
妹「任せてください。千秋先輩」
な、なんか二人の間に対抗意識的なモノを感じるんだが……
気のせいだよね?ね?
南城「いいなぁ、妹ちゃんとあんなに仲良くなれて」
仲良いのか、あれって……?
俺「それじゃ、こっちは型の準備しようっか」
堀北「はーい」
火使うのに……堀北さんと妹はあんな調子で大丈夫かな……
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