第26話 第二回開催は?
南城「おいしい!!中がとろとろ!!」
堀北「これは、フォンダン・オ・ショコラね」
俺「さすが堀北さん、ちゃんと間にオを入れるの知ってるんだ」
堀北「まぁね」
南城「お?」
俺「よく言われてるのはフォンダン・ショコラって、オを入れない呼び名なんだ」
ま、分かればいいから間違いとかそういうのじゃないんだけどね
南城「へぇー、そーなんだ!」
堀北「それにしても、美味しいわね」
俺「よかった」
やっぱり作ったモノを美味しいって食べてもらえるのは
嬉しいもんだなぁ
南城「なんでこんなに美味しいお菓子作れるの?」
俺「妹の為に練習したからね」
南城「そーいえば、妹ちゃんのバレンタインの為に練習したって言ってたよね」
俺「そうそう。妹に教える為にも、俺が作れないと駄目だからね」
堀北「そういえば妹さん、チョコは上手く作れたの?」
俺「いや、それが………納得のいくモノか出来なかったみたいでさー。かなり頑張ってたんだけどね」
あの時は残念だったなぁ
渡す練習にも付き合わされたんだっけか
懐かしいな
アレ以来、毎年俺にチョコくれるようになったんだよな
まぁ、家族だし
何気に毎年上達してて、今年のも美味かったんだよなぁ
あんだけ頑張って作ったんだし
彼氏の一人も出来てもおかしくはないハズだけど
そう言う話って教えてくれないんだよな~
まぁ、そのうち家に遊びに連れてくるだろ
それまではソッと見守っててやろう
俺は兄だからな
南城「ふーん。そっかー」
堀北「もしかしたら……自分で作ったモノより美味しいモノを作れる人なのかもね」
俺「そんなヤツいるかー?」
南城&堀北「……………………」
俺「な、なに?」
急な無言って恐いよ!?
堀北「いえ、別に」
南城「なんでもなーい」
なんなんだ?
何か変なこと言ったか!?
南城さんと堀北さんが談笑しつつ時間は進み
そろそろ全員が食べ終わる頃
南城「そういえば、他にも作れるの?」
堀北「レパートリーあるかしら?」
俺「えーっと、チョコ系だとトリュフチョコ、生チョコかな」
南城「生チョコ!?つくれるの!?」
俺「え、あ、うん。一応は」
まずい……なんで素直に答えちゃうんだよ、俺は⁉
なんか、よくわかんないけど嘘や誤魔化しが出来ないんだよな……
堀北「クッキーもチョコも美味しく作れて羨ましいわ」
俺「
堀北「それが、ね」
南城「難しいんだよね……」
難しい?
mobとは基本スペックが段違いの
そんな事あるわけないだろ……
あ……お世辞か
俺「まぁ、そのうち出来るようになるんじゃないかな?」
堀北「だと良いんだけど……」
南城「あ……次はどうする?」
俺「次かぁ……」
やるんだよねー……
南城「場所は~……ここ以外がいいよね」
堀北「そうね」
俺「それは賛成」
南城「どこか良い場所ないかな?」
俺「えーっと……場所が決まるまでは保留ってことで」
堀北「ちょっと、電話してみていいかしら?」
南城「誰に?」
堀北「ヒミツよ」
堀北さんはそういうとスマホを手に席を離れた
南城「誰だろうね~」
俺「さぁ……」
何か不安だな……
暫くすると堀北さんが戻ってきた
堀北「お待たせ」
南城「どうだった?」
堀北「ええ、許可貰えたわ」
俺「そっかー」
残念……
南城「やった!場所は?ドコ⁉」
堀北「それはね、ふふ。彼の家よ」
俺「………………え?」
南城「ホント⁉やったー!」
いやいやいや⁉⁉
どういう事⁉
なんで俺ん家⁉
てか、許可ってどうやって取ったの⁉
俺「許可って?」
堀北「ちゃんとお母様から許可もらったから大丈夫よ?」
母さーーーーーーーん⁉⁉⁉
何してくれちゃってるんだよーーーーーーーーー‼‼‼
てか、なんで堀北さんは電話番号知ってんの⁉
南城「後はいつにするかだね!」
堀北「千秋?さすがに明日や明後日はダメよ?」
南城「分かってるよ!」
堀北「ほんとに~?」
南城「ほんとに!」
堀北「さて、それじゃいつがいいか決めましょ」
南城「ムーーー」
俺「えーっと、今月中はちょっと……」
堀北「お母様は今月でも大丈夫って言ってたわよ?」
母さん⁉⁉
ほんと、何言ってんの⁉⁉
堀北「あんまり短い期間にやるのも、勿体ないから……再来週の日曜はどうかしら?」
南城「そうだね!良いと思う!!」
堀北「どうかしら?」
俺「あー、えっと、いいんじゃない、かな……」
ノーと言えない……情けないなぁ、俺
くそっ
堀北「それじゃ、第二回は彼の家で、再来週の日曜日に決定ね」
南城「はーい!……あ、そうだ!」
堀北「どうしたの千秋?」
南城「折角だから、彼に教えてもらうってどうかな?」
堀北「お菓子作りを?」
南城「そう!」
堀北「それ、いいわね」
えぇーーーーーー⁉⁉
南城「お願い!」
堀北「どうかしら?」
俺「えーっと……俺教えるの得意じゃないから……」
南城「でも、妹ちゃんに教えてあげたんでしょ?」
堀北「同じように教えてくれないかしら?」
俺「うっ……」
そんな目で俺を見ないでくれ……
俺「が、頑張ります……」
斯くして
名前持ち二人にお菓子作りを教える羽目になった俺は
再来週までに教えるレシピを用意しなければならなかったのだった
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