ミケと一緒に豪華客船のカジノの景品……『メデューサの首』を盗んでみた 後編

ミュル「動画を見てるみんな〜!こんばんは〜!怪盗のミュルで〜す!」


ミュル「さぁっ!後編です!前半は……カジノで大勝利を収めました!やったね!」


ミュル「正直、カジノで200万以上手に入れたんで……個人的には満足かなと思うのですが……そしたら怪盗の名が廃る!」


ミュル「ということで、宣言通り『メデューサの首』を盗んでいきたいと思います!!」


ミュル「現在の時刻は……午前3時!警備が薄まってきている頃ですね……」


ミュル「ではでは……動きやすい服に着替えて……あとはヘルメットを被って……と」


ミュル「よしっ!」


ミュル「それでは………行ってきます!」




ミュル「はいっ!今………カジノ近くにある……ゴミ箱の中にいます!」


ミュル「警備の人は……ひとり………楽勝ですね!」


ミュル「よしっ!久しぶりに張り切って……」



コツコツ コツコツ(誰かの足音)



ミュル「おっと……誰か来たみたいね……」



(少しして懐中電灯を持った女性のディーラーが姿を現す)



ミュル「あれ……?あれは……昨日私と一緒に勝負したディーラーじゃない。何でこんな夜中に……?」



(ディーラーは誰もいないことを確認するかのように何度も辺りを見渡すと、闇の奥へと消えていった)



ミュル「………怪しいわね……私がいう言葉じゃないけど」


ミュル「ちょっと付けてみます」




ミュル「いま………景品所の近くにある……ここは……『ブラックジャック』ね………のテーブルの下に隠れています」


ミュル「えっと……先程のディーラーは景品所付近に懐中電灯の光を照らしながら何かの作業をしています」


ミュル「怪しい……いったいこんな夜中に何をしているのかしら……人のこと言えないけど」



コツコツ コツコツ コツコツ(誰かの足音)



ミュル「また誰か来た………」



(ディーラーの元に黒服の男が現れる。しかし、カジノ内は真っ暗なため、ミュルの目にはワインレッドのネクタイしか見えていない)



ミュル「………あれは誰かしら………よく見えないわね………」


ミュル「そうだ!盗聴用のイヤホンを耳につけて……」


ミュル「さてさて……どんな会話をしているのやら………」



黒服A「………で、どうなんだ?」


ディーラー(女)「あら?何のこと?」


黒服A「こんなところで何をしているのかって聞いているんだ!」


ディーラー(女)「別に……どうもしてないわよ」


黒服A「とぼけるな!こんな真夜中にコソコソして……何か良からぬことを考えているんだろう!?」


ディーラー(女)「だ、か、ら!してないって!」


黒服A「嘘つけえぃ!!怪しいにも程があるだろ!?昨日だってそうだ……お前……忖度しただろ?」


ディーラー(女)「はぁ?私が誰を忖度したっていうのよ?!」


黒服A「白い髪の女だ!お前……なぜ負けた?!」


ディーラー(女)「はぁ?勝負は勝負なんだから負けるのも無理はないでしょ」


黒服A「あぁ、確かにそうだ。ギャンブルは人の運と神の運のご機嫌次第。機嫌が良かったら極楽………悪ければ地獄……まさに運否天賦だ。だがな……お前は違う!お前はわざと負けたんだ!」


ディーラー(女)「何のことやら……」


黒服A「俺はこのカジノの支配人だ!いつも控え室で全ディーラーの行動を見張っている。不審な動きがないようにな……だから分かるんだよ!お前の不正が!」


ディーラー(女)「遠回しにグチグチ言うことしかできないのかしら?はっきり言って!」


カジノ支配人「あぁ、言ってやるさ!言ってやるとも!お前……お客様に自分のカードの手の内を明かしただろ?!『ジョーカーは入ってない』とな!」


ディーラー(女)「……それが何か?だからと言って、わざと負けた根拠が何処にもないじゃない!」


カジノ支配人「………なぜ捨てた」


ディーラー(女)「……何を?」


カジノ支配人「切札ジョーカーだ!あのまま3枚で最強札ジョーカーを出せば……間違いなく勝っていた!128枚……128万円を奪い取ることができた!なぜだ!なぜなんだ!なぜ………絶好の機会を逃した!?」


ディーラー(女)「うるさいわね。私の勝手でしょ」


カジノ支配人「勝手!?お前、勝手と抜かしたか!?貴様……カジノは遊びじゃないんだ!商売でやってるんだよ!金儲けのために!富裕層から根こそぎ奪うために!」


ディーラー(女)「はいはい……」


カジノ支配人「なんだその態度は?!」



(その後も支配人とディーラーとの口論は続く)



ミュル「あーぁ、面倒くさいことになっちゃったわね……入り口前ならまだしも……景品所でやられたら盗むにも盗めない……」


ミュル「どうしよ………そうだ!」


ミュル「えっと……使ってない携帯電話を取り出して………よしっ!起動!」 



(使い古した携帯電話の画面に御馴染みになりつつある三毛猫の姿が映し出される)



猫「………ん?誰だい、君は」


ミュル「シッ……私よ。ミュルよ」


猫「あぁ……君か。どうかしたの?」


ミュル「実は………」



(ミュルは事の全てを三毛猫に話す)



猫「………なるほどね………それで僕はどうしろと?」


ミュル「あなたのお得意のお喋りで二人の気を引いて欲しいのよ」


猫「何で僕がやらないといけないのさ」


ミュル「この状況を打開できるのはあなたしかいないの!お願い!」


猫「断る」


ミュル「叩き落とすわよ」


猫「なおさらやらない」


ミュル「お願いします。どうか私の助けをしてください」


猫「じゃぁ、口裂け女達をアパートに住ませてもいい?」


ミュル「くっ……」


猫「駄目だったらやらない」


ミュル「分かった!分かったから……その代わり本気でやってよ」


猫「本気のお喋りってなんだい?政治の話でもすればいいのかい?」


ミュル「何でもいいから注意を引いて!それじゃぁ!」



(携帯電話をカジノテーブルの上に置くと、そのまま別のテーブルへと移動した)



猫「あっ……本当に行っちゃった……」


猫「やれやれ……超高性能AIが犯罪に加担するなんて聞いたことないよ」


猫「まぁ、いいや。約束は約束………やってやろうじゃないか」


猫「お〜い!どなたかいらっしゃいますか〜!ボンジュール!ニーハオ!アニョハセヨ!ジャンボ!こんにちは!」



(三毛猫の呼びかけが聞こえたのだろうか、ディーラーと支配人はピタリと争いをやめ、怪訝そうな顔でお互いを見つめ合っている)



ディーラー(女)「誰の声かしら?」


支配人「客か?」


猫「お〜い、そこのカップルさ〜ん!こっちです!こっち!」


ディーラー(女)「ブラックジャックのテーブルの方から聞こえるわ!」


支配人「よし、行ってみよう!」



(ディーラーと支配人が三毛猫の元へと向かう。景品所がガラ空きになった所でミュルがすかさず腰を屈めながら移動する)



ミュル「よしっ!何とか辿り着いたわ!さすがミケ!」


ミュル「え〜と……『メデューサの首』は………あっ!」



(数多の景品の中に紛れてお目当ての絵画が雑に置かれていた)



ミュル「見つけた!何でこんな物置みたいに……まぁ、いいわ!見つけたものは見つけたし、さっさとこの場から離れましょう!」




ミュル「………はいっ!今ちょうど部屋に着いたところです!」


ミュル「ということは……見事成功しました!見てください!」



(ミュルが満面の笑みで絵画『メデューサの首』を抱える)



ミュル「手に入れましたよ………お宝!やった〜!」


ミュル「あとは………バレずに船を降りるだけですね………」


ミュル「おそらく騒ぎになって帰りの船の際、荷物検査がされると思いますが……何とか乗り切ろうと思います!」


ミュル「……ということで、如何だったでしょうか?もし面白いと思ったら高評価とチャンネル登録よろしくね!」


ミュル「あ、ちなみにカジノに置いてきたあいつ……ミケは機会があったら回収しようと思います!たぶん無理だと思うけど……」


ミュル「それでは………バイバ〜イ!」

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