メデューサの首

豪華客船のカジノの景品……『メデューサの首』を盗んでみた 前編

ミュル「動画を見ているみんな〜!こんばんは〜!怪盗のミュルで〜す!」


ミュル「今、私がどこにいるのかといいますと……」


ミュル「なんとなんと!豪華客船に来ていま〜す!いぇ〜い!」


ミュル「もう大変だったんだから!この船は物凄く人気で……何度交渉したことか……挙げ句の果てには『もう荷物置き場でもいいから泊まらせて〜』って泣きながら言ったぐらいよ!……旅行代理店の人、大笑いしてたけど……」


ミュル「まぁ、そんなことはいいとして………今回の動画は久しぶりの盗む系動画で〜す!みんなお待たせ!」


ミュル「見てください!私の服装……黒のワンピースにヒール!後は……揚羽蝶アゲハチョウの形をしたイヤリング……そして、お気に入りのラウンド型のサングラス〜!どう?セレブっぽいでしょ?」


ミュル「可愛い?綺麗?ありがと!!」


ミュル「……で、今回狙うお宝は……ドゥルルルルルルルル……」


ミュル「バンッ!!ルーベンスの『メデューサの首』です!」


ミュル「この絵画はタイトルの通りメデューサの生首が描かれているんですが、それが何とも生々しくて臓器の一部と思われるものもあったり……という何とも物騒な絵画なんですが……」


ミュル「実はその絵画はカジノの景品にされているんです!その額はなんと…金貨1万枚!!」


ミュル「この船のカジノの1枚の金貨の価値は1万円……1万枚ということは……えーと……1億!」


ミュル「おぉ……なんだろう……真紅金剛石レッドダイヤモンド盗んだから……すごく小物に感じ……」


ミュル「いやいやいやいや!そんなことはない!一億よ!一億!一億あれば……えぇと……たらふくご飯が食べれるわ!家賃だって一生分払える!」


ミュル「感覚が麻痺してるわね……危なかった……」


ミュル「えっと……何だっけ……あっ!そうそう!盗む前にカジノで遊んでみようと思います!」


ミュル「実際にどんな雰囲気のカジノか見せたいし!」



(カメラ視点がサイドテーブルの上に変わる。そこには北欧風のテーブルライトの明かりに上品に輝く1枚の金貨が置かれていた)



ミュル「この動画を撮影する前にカジノに行って交換してきました!これで……1万…!!そこそこいい焼肉屋に行けるわね……」


ミュル「今からこれを倍にして……あわよくば1万枚稼いて意気揚々と船から出たいとまで思ってるけど、そしたらこの動画の趣旨が………」


ミュル「まぁ、そんなことは置いといて……さっそく行ってみましょう!」




ミュル「………はいっ!着きました〜!」



ワイワイ ガヤガヤ(人々が騒ぐ声)



ミュル「いつ見てもすごい……」


ミュル「あっ、今万能カメラのアーテちゃんにステルスモードにして撮影しているので摘み出されることはないですが………」


ミュル「じゃぁ……遊びます!どれにしようかな……」


ミュル「う〜ん……ん?……なにこれ?『Stogamery』……?」


ディーラー(女)「遊んでいかれますか?」


ミュル「あっ……えっと……あの……『Stogamery』ってなんですか?」


ディーラー(女)「例えるなら『役合わせ』のようなものです。ルールが単純明快で初心者にオススメですよ」


ミュル「じゃぁ、これにするわ」


ディーラー(女)「ありがとうございます。では、遊び方をお教え致しますね……」



(ディーラーが詳しくゲームの説明をする。まとめると以下のようになる)



用意するもの

トランプ1つのみ


ルール


1、互いにカードをシャッフル


2、親であるディーラーがカードを3枚ずつ配る


3、カードを組み合わせる(3枚のカードで組み合わせる。ポーカーのようにカード交換はない。また1枚までカードを捨てられる。ただし、捨てたカードをもう一度組み直す事はできない)


4、場に出すカードの枚数を決める(2枚から3枚まで場に出せる)


5、勝負するかしないかを決める(する場合は賭けたい枚数の賭け金を出す。しない場合は手持ちの金貨の半分を差し出す。例 手持ち4枚で勝負を降りる→2枚ディーラーに差し出す)


6、役を確認


7、勝敗を決める(場に出したカードの中で一番強い役が勝利する)


8、1へと戻る。


※ポーカーのように猛攻レイズは存在しない。参加コール降参ドロップのみ。



役一覧


3枚での役

一番…支配者と参謀(JとKとQ)


二番目…二の役以外のゾロ目


2枚での役

一番…女王と騎士(QとJ)


二番…支配者(KとQ)


三番…英雄(エースとエース)


四番…革命(4と4)


5番…天変地異(9と6)


6番…前線(4とJ)


7番…黒死病(スペードとスペード)


8番…詩人(クローバーとハート)


9番…幸福(7と7)


10番…貪欲(ダイヤとダイヤ)



※以上の組み合わせがない役は豚役とし、10番の貪欲以下とする。


※ジョーカーがあった場合、役関係なく勝利となる。ただし、一枚の役には敗北する。


※役の強さは枚数が多いほど強いが、その分作れる役が少ない。また、同じ枚数の役でも強さが変わる。



ディーラー(女)「………以上です。如何でしょうか?」


ミュル「なるほどね………いいわ。とりあえず、やってみましょ」



(互いにカードをシャッフルし、ディーラーが3枚のカードを彼女に渡す。ミュルの手持ちのカードは『クローバーの4、ダイヤの7、ハートのJ』)



ディーラー(女)「1枚捨てるかどうか、決めてください」


ミュル「……」



(無言で一枚捨てカードを伏せる。ディーラーも同じくカードを捨てる)



ディーラー(女)「参加コールしますか?」



(懐から静かに金貨一枚を置く)



ミュル「……参加コール……」



(ディーラーとミュルのカードが開かれる。ミュル、クローバーの4とハートのJ。ディーラー、ダイヤの8とダイヤの9)



ディーラー(女)「2枚の役で6番の『前線』……同じく2枚の役で10番の『貪欲』………お見事です」



(ディーラー、ミュルに1枚金貨を渡す。受け取りながらチラリとディーラーの捨てたカードを見る。ハートの6だった)



ミュル「花を持たせてくれてどうもありがとう」


ディーラー(女)「いえいえ……お客様を楽しませることが我々の役目ですから……ゲームを続けますか?」


ミュル「もちろん」



(ディーラー、手早くカードを元に戻しシャッフルする。そして3枚のカードが配られる。ミュルの手札は『ハートのQ、スペードの3、ダイヤの8』)



ディーラー(女)「1枚捨てるかどうか、決めてください」


ミュル「捨てないわ」


ディーラー(女)「よろしいんですか?」


ミュル「えぇ」


ディーラー(女)「では私も……」



(互いにカードを捨てないまま参加コールを開始する)



ディーラー(女)「では…参加コールしますか?」



(金貨2枚置く)



ミュル「参加コール



(しばらくの間沈黙が流れる。すると2枚の金貨がミュルに渡される)



ディーラー(女)「……降参ドロップ……降参です」



(ディーラーがミュルのカードが開く。判定は豚役)



ディーラー(女)「おやおや……これは一本取られてしまいましたね……ゲームを続けますか?」


ミュル「もちろん」



(その後、順調に勝負に勝ち続け、128枚になった)



ミュル「これで最後の勝負にするわ。引き時が肝心っていうし」


ディーラー(女)「そうですか。では、最終遊戯ラストゲーム……」



(3枚のカードが配られる。ミュルの手札、ダイヤの8が3枚)



ディーラー(女)「……捨て」


ミュル「捨てないわ」


ディーラー(女)「………承知しました。では……私は……1枚捨てます。では参加コールを……」



(ミュル、豪快に手持ち全ての金貨を置く)



ミュル「………参加コール!」



(ディーラーの眉が少しだけ歪む。そしてゆっくりとカードを置く)



ディーラー(女)「私も………参加コールを」


ミュル「……は?どうして?」


ディーラー(女)「………」


ミュル「私は3枚……あなたは2枚……負け戦じゃない。何で参加コールしたの?」


ディーラー(女)「………」


ミュル「まさか……あなた……持ってるのね!?」


ディーラー(女)「………」


ミュル「切札ジョーカー切札ジョーカーを!どんな役にでも勝てる最強札ジョーカーを………」


ディーラー(女)「………」


ミュル「ねぇ、どうなの?」


ディーラー(女)「ではカードを……」



(ミュルは立ち上がり、カードを開けようとするディーラーの腕を乱暴に掴む)



ミュル「ちょっと待って!」


ディーラー(女)「如何なされましたかお客様?暴行するようでしたら我々も然るべき処置を……」


ミュル「暴行はしない!暴行はしないから……その……降参ドロップ!この勝負は降参ドロップ!」


ディーラー(女)「それはできません」


ミュル「なんで!?」


ディーラー(女)「あなたは参加コールすると申し上げました。一度参加コールしたからには取り下げることは……」


ミュル「はぁ!?そんなルール聞いてないわよ!詐欺よ!詐欺!」


ディーラー(女)「お客様、落ち着いてください。勝てばいいのです。勝てばあなたは200万以上の大金を持って帰れます」


ミュル「負けたら所持金零パーになっちゃうじゃないの!」


ディーラー(女)「お客様、席に着いてください。ほら、黒服の人が貴女を捕まえようと今か今かと待ち構えていますよ。ここで騒ぎを起こせば間違いなく大金持ちになれる夢が消え失せるどころか一生牢の中で過ごす羽目になりますよ」


ミュル「でも……でも……この勝負は……」


ディーラー(女)「お客様、私はジョーカーではな……おっと」


ミュル「えっ…いま……」


ディーラー(女)「席にお座りください」



(ミュルは落ち着いた様子で席に戻る)



ディーラー(女)「失礼……では、カードをオープンさせていただきます」



(カードが開かれる。ミュル、ダイヤの8が3枚。ディーラー、スペードの6とスペードの7で黒死病)



ディーラー(女)「おめでとうございます。これで256枚……大勝利です」


ミュル「そ、そう……」


ディーラー(女)「換金は向こうのカウンターで行なってください」


ミュル「わかった……ありがとう……」



(茫然とした表情を見せながら立ち去ろうとするミュル。すると何か思い出したyいうにディーラーが彼女を呼び止める)



ディーラー(女)「お客様」


ミュル「………なに?」


ディーラー(女)「……良い船旅を」


ミュル「………ありがとう」



(換金後、部屋に戻る)



ミュル「……ふぅ……」


ミュル「……はいっ!帰ってきました……まだ絵画は盗んでいませんが……ちょっとカジノで疲れちゃったので、明日ぐらいに決行しようと思います!たぶんその時には日本の港に着いているころかな?分かんないけど……」


ミュル「今日は……動画を編集して…アップして……それから寝ます!」


ミュル「おそらく前編後編に分かれると思うからまだチャンネル登録をお済みじゃない方はよろしくね!あ、この動画を見て面白いと思ったら、ぜひぜひ高評価を!」


ミュル「それでは後編まで……バイバ〜イ!」

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