不自然な自然

こつん、こつんと雨粒が窓を叩き始め。

雷雨となった…。

山の天気は変わりやすい…。

そして、何故かスマートフォンの電波が届かなくなった。


そのため、俺は屋敷の客間の一つでテレビを見ていた。

これは今は亡き家の主人である彼の遺産の一つだ。

この辺りは山の中にあるので、地上波が届きにくい時があった為費用はかかるがケーブルテレビに加入していた。


でも、彼はなぜそこまでしてこんなところに住むことにしたのだろう?

少なくとももう少し山の下でも良かったのにと思う。

そして、彼は自然を愛していたのかそれとも町の暮らしから離れたかったのかよくわからない。


彼の書斎をのぞいて見たところWi-Fiのルーターもあったし、パソコンもプリンターも電話もある。

よっぽど裕福だったのだろうか…。

そんな彼が悩むとしたら…『遺産』だった。


どういうわけか、この日は彼の親族が集まっていた。

そして、先輩に依頼した依頼人も…。


「はじめまして、あなたが杉之間(すぎのま)君ね。私は林(はやし)千秋(ちあき)。」


「久しぶりだな…兄貴。」

「おう、元気そうだな…。」


「鮮華(せんか)叔母さん、お久しぶり。」

「あやちゃん、都会に染まったとねえ~。」


「私じゃないって…。」

「いや…千早ねえがやった…。」

「まったく…あんた達は…。」


「みんな元気そうで何よりだ。」

「うらやましいかぎりだよ。」


以上が林の親族だ。

なお、俺たちと同じように招かれた川上(かわかみ)真司(しんじ)という男性も居た。


そして、事件が起きた。


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