第130話「制服に裸足がエッチなのはニッチではなく普遍的な感情です」
平成三十一年、大雨の日の朝の中学校。
新たな性癖の扉を開こうとしている中学生男子が現れた。
中学生男子は制服に裸足(一般人の想定する女の子がもっともエッチになる姿を指す言葉。有識者によれば「制服」とはある種の「規律と規範」「青春の抑圧」の象徴であるとされ、そのコントラストとして「裸足」という開放感溢れる一点が強調されることで、見る者に鮮烈なる印象を与えるのではないかと考察されている)よりもずっとおっぱいのほうが女の子の身体のエッチな部分だと思っていたが、雨で靴下までずぶ濡れになって同級生の女の子たちがみんな裸足になっているという非日常的な空間になぜか心臓がドキドキするのを抑えられなかった。
中学生男子は同級生の女の子の裸足姿など今まで誰も見たことがなかったし、ましてや女の子が椅子の上で足をブラブラさせた際に足の裏がチラリと見える瞬間などは日常場面で見るはずもなかった。
裸足になるということは足が裸になるということなのだということに、中学生男子はようやく気がついたのだ。中学生男子は段々この教室にいる女の子全員が性器を露出しているかのような気さえしてきた。
中学生男子はそのうち偶然を装ってどうにかして女の子の裸足を触ることができないか考え始め、あわよくば近くに寄ってその汗と
だがいきなり谷崎潤一郎女子高生がやってきて、とにかくすごいフェティシズム溢れる小説を読ませて君は一人じゃないんだよと教えてあげた。
文学によって救われた少年が、この世界にまた一人増えた。
○
冬の日に足の裏が黄色くなっている女の子を見ると「ああ、この子は今年みかんをたくさん食べたのだなあ」と女の子の普段の生活が垣間見えてドキドキする。
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