第65話 歴史改変事件(事件発生後編)

 ユリカ:ホ〜イ、ユリカだよ〜。それにしても前回のアレ誰だったんだろうね?


 カンペを出すAD


 ユリカ:へ?『ユリカが終始独り言言ってただけでそんなナレーション入ってなかったよ?』って?そんな筈ないもん!チョイチョイ私の仕事横取りしてたもん!


 更にカンペを出すAD


 ユリカ:ん?『信じる信じないかはあなた次第』って、本当に聞こえたんだってばーーっ!


 魔界時間9:32 時空管理局


 ???:おっそい!何をしてたんだ‼︎


 ユリカ:このせっかちなオッチャンが時空管理局局長を兼任しているダニエル・ヘイスト伯爵。種族はティアマット族でイムさんの養父なんよ。


 お茶を飲む老ティアマット族


 ???:ホッホッホ、急いては事を仕損じると言いますぞヘイスト卿♪


 ユリカ:のんびりしたお爺ちゃんはビリー・スロード伯爵、同じティアマット族で宇宙のあらゆる歴史資料を保管する時空資料館の館長を兼任している伯爵様だよ。 


 ゼペット:ダニエル、私に用とは何だ?


 ダニエル:おっとそうであった、先ずはこれを見てくれ。


 宙に浮いた液晶モニターに映るモーツァルトの画像


 ダニエル:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、人界西暦1756年から1791年に活躍したオーストリアの音楽家。彼が最も最盛期とされていた1756年の彼の住まいであるザルツブルクにて大規模なタイムフリーズ現象が発生した。


 ゼペット:なんだと⁉︎


 ダニエル:今も現在進行形でこの時代のザルツブルクの時間は止まったままになっている。


 ゼペット:ふむ。


 イム:博士、原因はその時代のタイムキーであるだよねこれ。


 ゼペット:その通りだイム。時の修正力の影響で今はタイムフリーズで抑えられるが、それでも時間軸が歪んで人界ではが発生してる筈だな?


 ダニエル:その通り、既に現代人界の地球の全世界から次々とモーツァルトの楽曲が消え始めている。このまま歪んだ時間軸上の歴史が定着化してしまえばモーツァルトはになってしまう。


 ゼペット:モーツァルトに影響された偉人も歴史上に登場しなくなる。そうなればタイムパラドックスが発生し文明連鎖崩壊現象ぶんめいれんさほうかいげんしょう、通称チェーンブレイク現象が発生する恐れがある!


 ダニエル:時空管理局通信司令室からの報告によれば、タイムフリーズ現象の最中動けた生体反応が2つ感知されその1つが強制転送して保護した小説家で音楽家のカナデ・マツノミヤさんだ。


 ゼペット:もう1つは?


 ダニエル:閻魔帳でも調べられなかったらしい。


 ゼペット:という事は神族か天族だな。


 ???:そのマツノミヤさんは重要参考人として連れて行かせてもらうにゃ。


 ダニエル:4界警特権課のゲン・サトウ警部か。


 ゼペット:待ってくれ警部さん!ダニエル、そのマツノミヤさんはもしやナイトメア族ではなかったか?


 ダニエル:ん?そうだが、何故分かった? 


 白衣の異次元ポケットから黒板を取り出すゼペット


 ゼペット:いいか?よく聞いてくれ、ナイトメア族は夢魔。現実と精神世界の狭間に住む魔族、そこは時空エネルギーの流れる時空間流じくうかんりゅうに近い領域だ。


 イム:それって生まれてからずっと時空エネルギーを浴びてるからタイムフリーズ現象に耐性が出来てるって事?


 イムを指差すゼペット


 ゼペット:その通りだイム!ナイトメア族の彼女が時の止まった空間でも平気で動けるのも納得がいく。おそらく彼女はそこで犯人に関わるしている筈なんだ!


 ダニエル:この状況を打開する方法はあるのか?


 ゼペット:タイムフリーズ現象が発生したのは西暦1756年だったな?正確な日時は?


 報告書を見るダニエル


 ダニエル:西暦1756年1月16日10時26分だ。


 ゼペット:その時代は筈だ!


 ゲン:何故そう言い切れるのにゃ?


 ゼペット:簡単な事だよ、時の黙示録レプリカには盗難防止の機能が備わっていてな。持ち主以外の悪意を持った者が使おうとするとランダムで別の場所に飛ばしてレプリカだけ元の時代のこの場所に戻って犯人をその時代に閉じ込める仕様になってるからだ。


 ゲン:詳しいにゃ。


 ゼペット:詳しいも何も、レプリカを時空管理局の依頼で作ったのは私だからな♪


 ゲン:なっ!それじゃあアンタはあのゼペット・グラニュート博士なのかにゃ⁉︎


 ゼペット:ま、そういう事になるかな?しかし変だな。


 ゲン:変?


 ゼペット:犯人は何故レプリカ無しで・・・まさか⁉︎


 ダニエル:そのまさかだ、レプリカはここには戻ってきていない。


 ゼペット:イム、今すぐ行くぞ!


 イム:え?何処にさ?


 ゼペット:決まっている、1756年のザルツブルクだ!


 ???:あ、あの!私も連れて行ってください!


 ダニエル:君は、マツノミヤさん。 


 ゼペット:良いだろう、君も付いてきなさい。


 カナデ:はい!


 ゲン:俺も行くにゃ、神を逮捕出来る特権を持っているのは俺だけだからにゃ。


 ゼペット:いざ行かん!1756年のザルツブルクへ‼︎


 イム:博士〜、こっちだよ〜。 

 

 ゼペット:おっと、こっちか。


 現場検証へ続く・・・












  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る