第47話 摩耶の至福と結衣の取調べ

 ユリカ:無事裁判を終えた後、気になる事があった結衣さん。刑が執行される前に取り調べを行う事になったんどけど、結衣さんとんでもない物持ってきたよ。


 裁判より2日後 魔界時間14:00 地獄界留置所 取調室


 ゲン:いい加減話ちゃくれねぇか?ヴァンガードさんよ〜。


 オリバー:・・・・・


 ゲン:刑が執行されるまで黙り決め込む気かにゃ。


 結衣:喋ってくれましたか?


 ゲン:いや、奴さんどうやら刑が執行されるまで黙りを決め込む気にゃ。だが、裏を返せばありゃまだ何か隠してやがるにゃ。 


 結衣:私に任せてください。


 ゲン:おいそりゃ、バイオテロなんかで生物兵器処理班が使ってる対生物兵器特殊保管ケースじゃにゃいか?


 結衣そうです、昨日取調べ用に頂きました♪


 ※天空の架け橋46話参照


 保管ケースを覗き込むゲン


 ゲン:中身は・・・何だこりゃ、オムツ?確かに赤ん坊の汚れオムツの臭いはキツいが、取調べにはあまり効果はないのではにゃいのか?


 結衣:そんじょそこらの汚れオムツとは格が違います。私達魔族でも三途の河なんて生きてる内には行けないけど、生まれて初めて見えたわ。というわけで・・・


 保管ケースを置く結衣


 結衣:喋ってもらうわよ♪


 オリバー:・・・


 結衣:その強気がいつまで持つかな〜♪全員、ガスマスク装着!


 渡されたガスマスクを着ける結衣達


 オリバー:・・・・


 結衣:フッフッフ、開けるわよ〜♡


 瞬きする間もなく一瞬で開けてから閉める結衣


 オリバー:・・・・・ブッフォ!


 あまりの悪臭に悶絶するオリバー


 オリバー:ぐおーーーーっ!クッサーーーッ!鼻が、鼻がぁーーーー‼︎


 結衣:どお?話す気になった?コレはほんの5%、それでそこまで悶絶するなら100%全開ならどうなるでしょうね♡


 保管ケースの開閉スイッチに手をかける結衣


 オリバー:ま、ままま、待て待て待て!分かった喋る、喋るからそれを開けるなぁーーー!


 結衣:宜しい♪では早速だけど、裏で犯罪に手を染めている政界・財界のリストがあるそうだけど、それは何処にあるのかしら?


 オリバー:ふん、誰がお前みたいな奴なんかに・・・


 結衣:へぇ、そんな事言うんだ〜♡


 再び開閉スイッチに手をかける


 オリバー:て、天聖銀行てんせいぎんこうだ!あそこの隠し金庫に預けてある!


 結衣:天聖銀行って、袋井耀蔵の肝入りで金融界を牛耳っていたあの?


 オリバー:そうだ、袋井耀蔵が裁かれて亡き後その権力ちからは完全に無くなり天界宇宙3大メガバンクに天界宇宙金融界の覇権を握られたあの天聖銀行だ。


 結衣:頭取が代わってからは4界警に協力的になってるから言えば証拠品として提供してくれるわね。さて、次に貴方は袋井耀蔵に代わって天界宇宙政界の覇権を獲得するべく密かに4界警に情報を匿名でリークしていたというのは本当かしら?


 オリバー:そこまで調べがついていたのか。本当だ、奴は私の事など便利な道具くらいにしか思っていなかった。そんな奴にいつまでも私の上に居られると目障りだったからだ。


 結衣:それで逮捕そして裁判に引き摺り出す事でクーデターを引き起こした、そういう事ね?


 オリバー:その通りだ。


 結衣:凶獣の封印を解いたのも貴方?

 

 オリバー:そ、それは・・・言えない。


 再び開閉スイッチに手をかける結衣


 オリバー:ま、待て待て待て!言えば私は


 結衣:消される?誰に?


 オリバー:それは・・・言えない。本当に言えないのだ!


 結衣:それはつまりという解釈でいいのかしら?


 オリバー:そう捉えてくれて結構。


 結衣:じゃ、次は・・・


『比良坂邸』


 摩耶:昨日は来客があつたからお預けだったけど、裁判の後のお楽しみ、オヤツタ〜イム!今日のオヤツは何だろな〜♪


 飛鳥:お待たせ致しましたお嬢様、本日のオヤツは好縁堂こうえんどうの塩豆大福です。


 塩豆大福を目の当たりにして大きく目を見開く摩耶


 摩耶:か、語っても?


 飛鳥:どうぞ♪


 摩耶:好縁堂は魔界宇宙トップクラスのスイーツマイスターの1人で妖怪小豆洗いの和菓子職人、丹波源九郎たんばげんくろうが経営する老舗和菓子店。そこの塩豆大福は和菓子と相性の良いソルティア共和国産の淡雪というブランドの塩を使い、小豆は煉獄大納言小豆れんごくだいなごんあずきを贅沢に使ったもの。


 摩耶:そして大福の皮である求肥ぎゅうひは米粉に水分を含めて砂糖を練り上げた牛の皮の様に柔らかい食感である事からついた名前だけど、米粉は粉物料理が盛んで米の一大生産国でもあるコナモン首長国連邦産の最高品種の米光よねひかりを使い、砂糖はスイートフル王国産の一面砂糖の砂漠シュガーレット砂漠、その奥地でしか採れない幻の紅砂糖べにざとうを使用した至高の一品!


 瑠璃:相変わらずスイーツに関しての知識が半端ないですね。


 摩耶:い、頂きます♪


 リスの様に頬張る摩耶


 摩耶:う〜ん!ほいふぃ〜♡


 摩耶の顔をこっそり録画しようとした時ある動画の新着情報に目がいく飛鳥


 飛鳥:ん?こ、これは⁉︎


 そこに映ってたのは幸せそうに大福を頬張る動画、そこに書かれていたのは・・・


『マヤたんのもぐもぐタイムキターーーッ!』


『リスみたいで可愛い♡』


『オヤツの知識スゲーッ!』


『攫って手元に置きたいハアハア♡』


 辺りを見回す2人


 摩耶:とても美味しゅうございました♪ん?2人共どうしたの?


 飛鳥:い、いえ!


 瑠璃:な、何でもありません!


 摩耶: ?
















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