第38話 天界官僚殺神事件(考察編)

 ユリカ:外交副大臣が殺害された今回の事件。ニャンコ警部は一体どの様に事件解決へもってくのかな〜?


 天界時間15:56 聖皇都エデンクラウン 郊外


『喫茶ウォルフレッド』


 店内に入るゲン


 ディザ:いらっしゃい、どうぞお好きな席へ♪


 カウンター席に座るゲン


 ディザ:お久しぶりですね、おやっさん。


 ゲン:お互い歳とったにゃ、あの頃はお前の一件で捜査に手を焼かされたよ。


 ディザ:100年も前の話です。


 ※魔族の100年は10年感覚


 ゲン:お前がターゲットにする害者はどれも己の利益と保身しか頭に無い命を平気で弄ぶ外道な神族ばかり。その巧みな技術の底知れなさからついた通り名が深淵の銀狼。


 ディザ:今はもう足を洗っていますよ。


 ゲン:今日はお前に会わせたい奴がいるのにゃ。


 ディザ:会わせたい方・・・ですか?


 ゲン:そろそろ来る頃だと思うがにゃ。


 店内に入る結衣   


 ゲン:来たか、こっちにゃ。


 ディザ:おやっさん、そちらの方はもしや。


 ゲン:ある天界官僚によって殺害された朝珠正義あさたままさよしの娘、朝珠結衣にゃ。


 ディザ:朝珠検事の娘さんですか、貴女の活躍は存じております。実際にこうして会うのは初めてですが。


 結衣:おやっさん、こちらの方は?


 ゲン:かつて、天界宇宙にて神殺しをやった伝説の殺し屋ディザ。またの名を深淵の銀狼にゃ。


 結衣:この人が。


 ゲン:お前の親父さんの仇を討った本人にゃ。


 結衣:彼が今回の事件の?


 ゲン:まぁ、そこはこれから聞いてみるがにや。


 ディザ: ?


 ゲン:実は昨日、天界宇宙外交省のデニス・フォーマット副大臣が殺害された。死因はチェインブラスト効果のある即効性の毒薬、魂絶草こんぜつそうという薬草。かつてお前がよく使っていたものにゃ。


 ディザ:私が犯人と?

 

 ゲン:少なくとも俺はそうは思ってないのにゃ。ただ、確認させて欲しい。お前に依頼があったかをにゃ。


 ディザ:・・・ありました。 


 結衣:・・・


 ディザ:ですが断りました。毒薬は作れても、もう実行に移すだけの体力も腕も落ちましたし。


 結衣:では依頼人は誰か分かりますか?


 ディザ:足を洗ったといえど・・・


 結衣:守秘義務・・・ですか。


 ディザ:そう言いたいところですが、私も職業病というやつでしょうか。依頼人が己の利益のためなのか、本当に恨みを晴らしてほしいのか調べました。己の利益のためなら断る事にしていたので。


 ゲン:で、誰なのにゃ?その依頼人は。


 ディザ:天界宇宙中央政府金融監督庁の政務次官でダニエル・ウォールという者です。


 結衣:金融監督庁政務次官と外交副大臣、この関連性は一体?


 ゲン:ソイツを調べるのが俺達の仕事、そうだろう?


 結衣:ですね。


 調査編へ続く・・・









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