第31話 現場検証

 ユリカ:天界女優ストーカー事件の犯神はんにんが死亡したという一報を受けて検事の結衣さんとサトウ警部は遺体発見現場となっているヴァイク・グローヴィン氏の自宅へと向かうのでした。


 天界時間8:58 ロードラング公国首都ドライヴァン 高級住宅区


『グローヴィン邸』


 結衣とゲンに敬礼する4界警刑事


 4界警刑事:朝珠検事、サトウ警部、ご苦労様であります!


 ゲン:ご苦労さん、何か見つかったかにゃ?


 4界警刑事:はっ!現在鑑識に調べさせています。警部の指示通り現地警察には4界宇宙統合司法局からの令状を行使してここと殺害現場の遺留品は全て我々4界警が確保してあります。


 ゲン:うむ、それで良いにゃ♪


 結衣:自宅もデバイスがあったの?・・・あれ?グローヴィン氏の自宅ってマンションじゃなかった?・・・それに確か、マンションにもデバイスがあったのよね?  


 4界警刑事:ええ。どうやら殺害されたグローヴィン氏は奥様と別居中で、この邸宅は奥様の実家のご両親が購入したらしく、奥様は『今の地位ならマンションくらい買えるでしょ?なら都心にでもマンション買って出て行きなさいよ!』と言われ、現在はマンションから会社に通っていたそうです。


 結衣:別居の理由は?


 4界警刑事:浮気ですよ。テレビ局のスポンサーであり筆頭株主でもあるエンゼリウス社との橋渡し役もやってるという事で、天界の芸能界事務所から女優やアイドルを裏で枕営業をさせてるという黒い噂もあります。その1ひとりが・・・

 

 結衣:今回のストーカー事件の被害者の女優、シンディ・クラウディア・・・ね?


 4界警刑事:そうです。ですが、シンディさんはただ1柱、枕営業を断り続けていた女優なのですよ。


 結衣:枕営業は芸能界で活動する者にとっては汚点でしかないからねぇ。 


 ゲン:本来なら嫌がらせを受けてる筈だが、グローヴィン氏がその女優の虜であるが故に執拗にセクハラ接待やストーカー被害に遭っていたという事にゃ。


 結衣:成る程ねぇ。さて、もう1つの疑問。死後グローヴィン氏の魂の行方だけど。  


 ゲン:神であろうと魔王であろうと死亡すれば死霊裁判のためにみがらは1度冥界へ行く。1週間以内に冥界に来なければ死神による捜索が行われ確実に10日以内に見つけ出せる。それが20日経っても見つからないという事は間違いなくという事になるのにゃ。


 結衣:それを今マト達が調べてる。


 ゲン:そうだにゃ、アイツ等からの報告を待つしかないにゃ。


 結衣のデバイスにマトから着信が入る


 結衣:私よ・・・ええ、分かったわ。じゃ、お願いね♪


 ゲン:見たかったのかにゃ?


 結衣:ええ、早速現場に急行するわ!


 次回へ続く・・・

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